投稿作品
皆さまの投稿作品を掲載しています。長くなってきたのでページを分けました。これまでの作品はここからどうぞ。
(Vol.1が一番古く、以下Vol.2、Vol.3の順に、最近の作品になります。)
これまでの作品(Vol.数の大きいほうが新しい)
Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4 Vol.5
Vol.6 Vol.7 Vol.8 Vol.9 Vol.10
Vol.11 Vol.12 Vol.13 Vol.14
Vol.15 Vol.16 Vol.17
ここに掲載する作品を募集しています!ジャンルや字数は一切問いません。
あなたの作った回文を投稿してください!!
(スリッパさんの作品)
(2020/9/21)
雷は立って未だ濃く鳴り来つつキリなく谺照った玻璃なみか
(かみなりはたってまだこくなりきつつきりなくこだまてったはりなみか)
玻璃~ガラス。
伝統と紅葉見せたい秋来つつ聞き飽いた蝉地味も尊んで
(でんとうともみじみせたいあききつつききあいたせみじみもとうとんで)
「仲間だめ!」立って今ハエ叩きつつ来たハエは舞い照った眼玉かな
(なかまだめたっていまはえはたきつつきたはえはまいてっためだまかな)
取るメモか「ついつい愛し問い詰めつ愛しいあいつ何時か揉める」と
(とるめもかついついあいしといつめついとしいあいついつかもめると)
愛しつつ揉める心理有り。
春雨だ皆卒っしもう「尊し」と歌うも質素なみだ眼去るは
(はるさめだみなそっしもうとうとしとうとうもしっそなみだめさるは)
歌う~読みを「うとう」と文語的に
(2020/7/10)
ねむる君射す昼だんこ潮焼けや押し込んだる陽すさみきる胸
(ねむるきみさすひるだんこしおやけやおしこんだるひすさみきるむね)
潮焼け~紫外線の強い夏の季語で、日焼け。
見たっきりまだ濃いためか下闇や確かめたい子黙りきった身
(みたっきりまだこいためかしたやみやたしかめたいこだまりきったみ)
下闇~青葉闇、木下闇とも、夏の繁る樹下。
肩打たし振る翅のしむ涼しくし誦す虫の音は流布した歌か
(かたうたしふるはねのしむすずしくしずすむしのねはるふしたうたか)
草むらで小さな虫たちがお経を読む如く鳴きだすころ。
来て無敗あし見た姉妹精悍か威勢増した身試合は無敵
(きてむはいあしみたしまいせいかんかいせいましたみしあいはむてき)
オリンピックに備える女子アスリート。
「つらいもの!」言う甲斐無くし待つ宵よつましくないか憂いのも苛つ
(つらいものいうかいなくしまつよいよつましくないかういのもいらつ)
家のことは妻に任せきり?
もう蟻が夏草に皆来たら薔薇滝なみに咲くつながり合うも
(もうありがなつくさにみなきたらばらたきなみにさくつながりあうも)
薔薇の木の下を見たら。
品薄にさっと食みたし崩しつつ雫した実は咄嗟に吸う梨
(しなうすにさっとはみたしくずしつつしずくしたみはとっさにすうなし)
汁気に満ちた梨が早々と店頭に。
かまう子は舞い慕い合い家畜抱く誓い合いたし今は仔馬か?
(かまうこはまいしたいあいかちくだくちかいあいたしいまはこうまか)
玩具とともに成長する。
(2020/6/7)
3点は球獲りキック舞い飛ぶと今くっきりと又反転さ
(さんてんはたまとりきっくまいとぶといまくっきりとまたはんてんさ)
WCラグビーが今懐かしい想い
「やるきり!」と又いま見たし躱すパス沸かした身舞い球獲りきるや
(やるきりとまたいまみたしかわすぱすわかしたみまいたまとりきるや)
あのWCラグビーがついこの間のこと
快晴な得た金かもう陶酔す歌うも歓喜絶えない聖火
(かいせいなえたきんかもうとうすいすうとうもかんきたえないせいか)
2020五輪がアスリートたちの記憶に
蹴った何時?技で巻いたし交わすトス沸かした今でざわついたっけ
(けったいつわざでまいたしかわすとすわかしたいまでざわついたっけ)
新春天皇杯サッカーも見ごたえがあった
慕い合い勝ち見たい春駅伝で消えるは痛み誓い合いたし
(したいあいかちみたいはるえきでんできえるはいたみちかいあいたし)
新春箱根駅伝レースもTVの前にくぎ付けでした
蹴ったれば使い難しか潰しつつ私物化したが威喝ばれたっけ
(けったればつかいがたしかつぶしつつしぶつかしたがいかつばれたっけ)
女子アスリートから内部告発もあった年
(2020/3/20)
買うよもうチョコミルク入る甘いパイまあるい包み胡蝶模様か
(かうよもうちょこみるくいるあまいぱいまあるいくるみこちょうもようか)
バレンタインのプレゼントを工夫
語れ苦か勝ってややもし和みつつ身ごなしもやや鉄火隠れたか
(かたれくかかってややもしなごみつつみごなしもややてっかかくれたか)
女子アスリート選手、試合中とは表情も一変する子
照りも濃い鯵焼いた飯味覚ずく噛みしめたいや慈愛こもりて
(てりもこいあじやいためしみかくずくかみしめたいやじあいこもりて)
キツネ色にこんがりと焼けた真鯵の開
乞い泣きで怒り語って不意な危機ナイフ照ったか理解できない子
(こいなきでいかりかたってふいなききないふてったかりかいできないこ)
そういう子もいます現実に
立って来つ『清しこの夜』いま歌う参る夜残し良き月照った
(たってきつきよしこのよるいまうたうまいるよのこしよきつきてった)
生誕祭讃美歌
憂い当初くち噛める君さすがだが荒みきる眼か畜生という
(ういとうしょくちかめるきみさすがだがすさみきるめかちくしょうという)
ストレスとの戦いもある
突破見え立って舞い入る屈みつつ身が軽い今照った笑みぱっと
(とっぱみえたってまいいるかがみつつみがかるいいまてったえみぱっと)
フィギュアの選手権試合でアピール
照った皆山はもう秋旅来つつキビタキ遇うも浜や波立って
(てったみなやまはもうあきたびきつつきびたきあうもはまやなみたって)
キビタキ=スズメよりもやや小柄、キュルルルと歌いながら舞い飛ぶ
(2020/2/8)
絞る手で揉み且つ満たしフルーティー流布した蜜か実も出てる母子
(しぼるてでもみかつみたしふるーてぃーるふしたみつかみもでてるぼし)
体験型のスイーツ店も市場に進出
手に身舞うズワイ蟹のせ釜茹でで湯まかせの煮が言わず旨みにて
(てにみまうずわいがにのせかまゆででゆまかせのにがいわずうまみにて)
冬らしい海の味覚を堪能し、しゃぶりつく
快感なまだ濃い音もドレミ聴き見れども遠いこだま何回か
(かいかんなまだこいおともどれみききみれどもとおいこだまなんかいか)
映画『サウンド・オブ・ミュージック』冒頭を思い出します
徹すもう飛んでカミキリムシ来つつ軋む力みか電灯も擦って
(てっすもうとんでかみきりむしきつつきしむりきみかでんとうもすって)
チーチーと鳴くカミキリムシの複眼が闇のようです
恋しさや憎むなか知りまとめつつ眼留まりしかな無垢に優しい子
(こいしさやにくむなかしりまとめつつめとまりしかなむくにやさしいこ)
仙台市で教職に就いた友人の教え子たちの思い出です
雪と知りゆく貨車消えしレトロ色、撮れし駅舎か薫りしと消ゆ
(ゆきとしりゆくかしゃきえしれとろいろとれしえきしゃかくゆりしときゆ)
冬の北海道を鉄道旅、それらの線路は今もう消えてしまいました
(2019/12/28)
知らすのか菜の花囲い眺めつつ目がない子かな葉の中の巣らし
(しらすのかなのはなかこいながめつつめがないこかなはのなかのすらし)
菜の花畑で蜘蛛が葉を包んで隠れて居ました
問うた詩句恥じ撤回すやきもきも気安い勝手、自白「慕う!」と
(とうたしくはじてっかいすやきもきもきやすいかってじはくしたうと)
うつむいて頬が赤くなって、でもないか?
対策し湧く身照ったり鯖取るとバサリ断って見くわしく割いた
(たいさくしわくみてったりさばとるとばさりたってみくわしくさいた)
自然界の鯖にはアニサキスとかいう回虫がいるので養殖する
菓子・ミルク出て取るなかや浪漫パン円やかなると手で包みしか
(かしみるくでてとるなかやろまんぱんまろやかなるとてでくるみしか)
ロマンパンというのが道の駅で売っていました
遺憾より此の3点は痛感か打つ反転さ残り四回
(いかんよりこのさんてんはつうかんかうつはんてんさのこりよんかい)
野球のプレミアム12では稲葉ジャパンが頑張った年
猛威訪い火星避けるは向かいつつ行かむ遥けさ異世界と言うも
(もういといかせいさけるはむかいつついかむはるけさいせかいというも)
「2001年宇宙の旅」というのがキューブリックの映画にあった
照りも濃い味見たっきりチキン丼きちり切った身慈愛こもりて
(てりもこいあじみたっきりちきんどんきちりきったみじあいこもりて)
チキン丼という美味いのを出す店あり
宵訪うと樅喜々と据えクリスマス、リクエスト聴き見も貴い夜
(よいとうともみききとすえくりすますりくえすとききみもとうといよ)
クリスマスイブを描いた傑作映画に『素晴らしき哉、人生』
(アビ教官さんの作品)
(2019/12/8)
(焼き芋音)
「…ああ、なんだ、チッ、アカ新聞紙か、アッチ!」
「旦那!ああ…と思いきや」
(やきいもおと
ああなんだちっあかしんぶんしかあっち
だんなああとおもいきや)
焼き芋を買った男が、芋の包みが左翼系の新聞だったことに腹を立て、包みを捨てようとして危うく芋を落としそうになったという、ラジオドラマの一場面をイメージしました。
(スリッパさんの作品)
(2019/12/7)
笑み照った今大胆に耐えきる気得た忍耐だ舞い立って見え
(えみてったいまだいたんにたえきるきえたにんたいだまいたってみえ)
フィギュアスケーター羽生結弦選手、ぶっちぎりの復帰戦
来し晩夏いま手に軽くレモンパン洩れ来る香にて舞い芳しき
(きしばんかいまてにかるくれもんぱんもれくるかにてまいかんばしき)
石窯でふっくらと焼き上げたパンが評判の店あり
慕い合い何もと乞うな子育てだ損なう事も担い合いたし
(したいあいなにもとこうなこそだてだそこなうこともにないあいたし)
先生今どこにいるんですかというテレビ番組を見ました
取るメモや早い災害達しつつ知った意外さ「いやはや揉める!」と
(とるめもやはやいさいがいたっしつつしったいがいさいやはやもめると)
千葉県の某知事の災害地私的視察のメモより
盛らば知れ瞬く間と吸えクリーミーリクエスト捲く畳まれし薔薇も
(もらばしれまたたくまとすえくりーみーりくえすとまくたたまれしばらも)
バラの花びら模様がトッピングされたパフェも登場
(2019/11/23)
三度産み子に憩う愛ワイフシェフ祝い合う濃い煮込み饂飩さ
(さんどうみこにいこうあいわいふしぇふいわいあうこいにこみうどんさ)
家に付いて行ってもいいですか?という番組にこんな大家族が出てきた
鐘のしむ蒸す月照った遠い峡おと立って来つ澄む虫の音か
(かねのしむむすつきてったとおいかいおとたってきつすむむしのねか)
夏から秋へ季節の移る頃に聞こえる
浪の盛る海や蒸す夏季さみだれだ岬かすむや見うるもの皆
(なみのもるうみやむすかきさみだれだみさきかすむやみうるものみな)
五月雨に煙る岬風景
病なれ胸美しく変わりけり若くし苦痛ねむれない間や
(やまいなれむねうつくしくかわりけりわかくしくつうねむれないまや)
思春期の悩みは苦痛だが人それぞれだ
生糸屑くつした編むや季節満つ咳病むあたしつくずく吐息
(きいとくずくつしたあむやきせつみつせきやむあたしつくずくといき)
今年も風邪のはやる時期が早まって居ます
(2019/10/19)
鍛え合い勝ちたしパッと球獲るとまた突破した誓い合えた気
(きたえあいかちたしぱっとたまとるとまたとっぱしたちかいあえたき)
ラグビーWC前哨戦、ウルグアイとの強化試合から始まる
攻めにつれ打つ大はくしゅ波立った皆祝杯だ「痛烈に召せ!」
(せめにつれうつだいはくしゅなみたったみなしゅくはいだつうれつにめせ)
アイルランド戦に敢闘、勝利し、見物は大興奮の乾杯
ぱっと出る陽に照った球「サモアモア!」猛者また立ってニヒルで突破
(ぱっとでるひにてったたまさもあもあもさまたたってにひるでとっぱ)
サモア戦では歴然たる体格の差も冷静に対処し、勝利
来て居たし抱く手にさっと球持つも又咄嗟にて下したい敵
(きていたしだくてにさっとたまもつもまたとっさにてくだしたいてき)
攻守の展開が素早くて、圧倒的なラインを張る戦いぶり
美と照った今高みなす往なすパス、ナイスな味方舞い立って跳び
(びとてったいまたかみなすいなすぱすないすなみかたまいたってとび)
競技場の照明にうつくしく交わすパス回しが浮かび上がり
やり切るか球かず渡し沸かすパス躱した僅か又駆るきりや
(やりきるかたまかずわたしわかすぱすかわしたわずかまたかるきりや)
やりきるかたまかずわたしわかすぱすかわしたはずかまたかるきりや
(2019/9/28)
対策し待つ金堅い第1位抱いた歓喜つましく咲いた
(たいさくしまつきんかたいだいいちいいだいたかんきつましくさいた)
オリンピック選考会、勝っておごらず、これからが勝負
確乎燃す、夏季得意なら『君が代』が見切らない苦と聞かすも国歌
(かっこもすかきとくいならきみがよがみきらないくときかすもこっか)
夏のオリンピックに向けてガンバレ!
時増せる今駆け渡しバトンラン飛ばした訳かマイル狭きと
(ときませるいまかけわたしばとんらんとばしたわけかまいるせまきと)
リレー競技、1マイル(1600m)をバトンで繋ぐ
手にさっと跳ね達するとスピーカー、ピストル吸った音は咄嗟にて
(てにさっとはねたっするとすぴーかーぴすとるすったねはとっさにて)
号砲一発、スターターの手に跳ねる音を即、生中継
歓声だ舞い立ったりも幅跳びと場は盛り立ったいま大戦果
(かんせいだまいたったりもはばとびとばはもりたったいまだいせんか)
走り幅跳び、ホップ・ステップ最後のジャンプで世界新
笑み来るか馳せいま徹す高跳びと肩擦って舞い背は軽く見え
(えみくるかはせいまてっすたかとびとかたすってまいせはかるくみえ)
助走から高いバーを越える時の美しい姿
照ったるは舞い快哉さ1位・2位ちいさい差異かいま春立って
(てったるはまいかいさいさいちいにいちいさいさいかいまはるたって)
競技を見ていると結果によらず、幸せを感じる
喜ぶと追う梶押した島幽か増した潮路か魚跳ぶころよ
(よろこぶとおうかじおしたしまかすかましたしおじかうおとぶころよ)
素朴な漁師の姿を見る島も未だある
拝め奈良よき伝統とつぶやくや仏尊んで清らな目顔
(おがめならよきでんとうとつぶやくやぶつとうとんできよらなめがお)
芭蕉に「菊の香や奈良には古き仏たち」の句あり
今朝来たが時化に香乙か買い出しだイカ・カツオ・カニ消し難きサケ
(けさきたがしけにかおつかかいだしだいかかつおかにけしがたきさけ)
浜辺でバーベキューの具を揃えに行く
噛むともう濃いミスト吸えクリーミーリクエスト澄み憩うも富む香
(かむともうこいみすとすえくりーみーりくえすとすみいこうもとむか)
新着のスイーツに誘われて夏を涼しむ
嗅ぎ走り仔のキツネ跳ね月照りてキツネは寝つき残りし萩か
(かぎはしりこのきつねはねつきてりてきつねはねつきのこりしはぎか)
月に萩は日本画の得意とするところ、其処にキツネも
(2019/7/27)
在りたい句、音好く訳詩リリカルか凛々しく訳す遠くイタリア
(ありたいくおとすくやくしりりかるかりりしくやくすとおくいたりあ)
訳詩で原語のひびきを想像し、楽しむのも良し
火傷もつ咳止むからかリピーターピリ辛噛むや季節もう初夏
(かしょうもつせきやむからかりぴーたーぴりからかむやきせつもうしょか)
ピリ辛の味付けをした料理が夏の巷にあふれつつ
活かす舞い、場に向いた今スケーター消すマイタイム二倍増す回
(いかすまいばにむいたいますけーたーけすまいたいむにばいますかい)
スピードスケートのコーナリングのワザに見惚れる
夜半と知り闇描くや画家、四方もう星かがやくか見やりし永久よ
(よわとしりやみかくやがかしほうもうほしかがやくかみやりしとわよ)
アルル時代のゴッホ作に『星影のテラス』などが有り美しい
波立って潮来つる夏満ち欠けか緻密なる月押し照った皆
(なみたってしおきつるなつみちかけかちみつなるつきおしてったみな)
月下の砕ける白波は嘗て九十九里浜が幻想的
恋隠し顔見たっきり別れなれ変わりきった身おかしく懐古
(こいかくしかおみたっきりわかれなれかわりきったみおかしくかいこ)
何十年ぶりかで中学の同窓会、会いましたか?
喜ぶといま春も済み菫枯れ、みすみす盛る葉舞い飛ぶ頃よ
(よろこぶといまはるもすみすみれかれみすみすもるはまいとぶころよ)
枯れた菫はちぢんでやがて風でばらばらに散ってしまいます
見し苦痛なみだ涸らすや眠りけり胸やすらかだ皆美しみ
(みしくつうなみだからすやねむりけりむねやすらかだみなうつくしみ)
『真夏の夜の夢』という映画がありました
もう勝ちにさっと今入る屈みつつ身が軽い舞いとっさに誓うも
(もうかちにさっといまいるかがみつつみがかるいまいとっさにちかうも)
バネの如きフィギュアスケートの妙技
(2019/6/22)
再会か舞い歓喜たつサマーショーまさった金か今開会さ
(さいかいかまいかんきたつさまーしょーまさったきんかいまかいかいさ)
二度目の東京五輪、2020年夏を待つ
訪い急くも遙か経たなか向かいつつ行かむ彼方へ駆るは木星と
(といせくもはるかへたなかむかいつついかむかなたへかるはもくせいと)
惑星探査機の長い旅、闇の彼方へ
良い答え未知の時ある睦みつつ見詰むる秋とのち見えた恋よ
(よいこたえみちのときあるむつみつつみつむるあきとのちみえたこいよ)
その時には分からない、事ってあるよね
酸味交う濃いうまみ足しフルーティー流布した実舞う憩う甘味さ
(さんみかうこいうまみたしふるーてぃーるふしたみまういこうかんみさ)
フルーツパフェってのを男性はみすみす知らず
つれ常に一貫モダンコミカルか見込んだ門下ついに熱烈
(つれつねにいっかんもだんこみかるかみこんだもんかついにねつれつ)
登竜門M1グランプリの面々にも師匠あり
洲に来合う星みな遠し砂浜は成す潮と波しほう秋にす
(すにきあうほしみなとおしすなはまはなすしおとなみしほうあきにす)
無人の砂州に寄せる潮に映る星
尊んで耐えいま乗り気きつい芸つき切りの舞い、得た伝統と
(とうとんでたえいまのりききついげいつききりのまいえたでんとうと)
歌舞伎十八番、あの中に一子相伝があるそうな
散ったらば砂のかがよう星影か至宝よ画家の為す薔薇タッチ
(ちったらばすなのかがようほしかげかしほうよがかのなすばらたっち)
かかがよひ~古語「縫い寄せる」の意味らしい
「知りたいや!」どっちも訊いた厭い合い問いたい気持ちつど妬いたりし
(しりたいやどっちもきいたいといあいといたいきもちつどやいたりし)
こういう心理ってありませんか?
(2019/6/19)
活かす二手、歓喜寄せみな満たすままスタミナ見せよ金華テニス界
(いかすにてかんきよせみなみたすまますたみなみせよきんかてにすかい)
大阪なおみ選手、強烈なラリーを経て金華となる
白まろい生す甘美たつワイン賛いわった壜か澄む色まろし
(しろまろいむすかんびたつわいんさんいわったびんかすむいろまろし)
まろい=円い。ほのかに色づいて澄んだ白ワインの香
持てるなら良き形見ん惹き込む子、気品満ちたか清らなる手も
(もてるならよきかたちみんひきこむこきひんみちたかきよらなるても)
映画「ローマの休日」の王女の手、見ましたか
鶏和えた御飯盛れたし牡蠣澄ます効かしたレモン、歯応えありと
(とりあえたごはんもれたしかきすますきかしたれもんはごたえありと)
さっぱりした炊き込み飯に仕上げのレモンを絞る
黴た櫛、待つ十日堪え五月雨だ身冴えた顔とつましく旅か
(かびたくしまつとおかたえさみだれだみさえたかおとつましくたびか)
芭蕉の旅した頃、東海道は大雨による大井川の川留
春立って今愛いと自負、花垂れた名は藤という舞い照ったるは
(はるたっていまういとじふはなたれたなはふじというまいてったるは)
繚乱と咲く藤棚に薫風のかよう時節
いま活気、花火の浮こう星飛ぶと四方向の美、名は『菊花舞い』
(いまかっきはなびのうこうほしとぶとしほうこうのびなはきっかまい)
闇に浮いた打ち上げ花火を遠くから見ていました
蚊帳巻こう暑気勝つ夏は桑の実の湧く初夏か気象こまやか
(かやまこうしょきかつなつはくわのみのわくはつなつかきしょうこまやか)
蚊帳=かや。春はあけぼのと言い定めた清少納言。夏は?
夜半急いた咳に涸らすや眠りけり胸安らかに着せたい世話よ
(よわせいたせきにからすやねむりけりむねやすらかにきせたいせわよ)
誰かの句に「風邪の子のなぞなぞ遊びきりもなや」
(2019/5/2)
美と包み絮も花期ある草の穂の裂くる秋かも撓みつつ飛び
(びとつつみわたもかきあるくさのほのさくるあきかもたわみつつとび)
絮(わた)=穂綿=蒲などに見られる種
春浅し待つ草に世話葦焼きや幸せに咲く、つましさある葉
(はるあさしまつくさにせわあしやきやしあわせにさくつましさあるは)
春先の恒例行事で去年の枯れ草(葦など)を焼いて、新芽を促す
霧立つが夏の未だ濃い高原はかたい木魂のつながったりき
(きりたつがなつのまだこいたかはらはかたいこだまのつながったりき)
高原=たかはら=こうげん。こだま=木魂=エコー
なかば添い舞うきのこも出、梅雨入りなり何時でも此の季うまい蕎麦かな
(なかばそいまうきのこもでついりなりいつでもこのきうまいそばかな)
梅雨入り=ついり(俳句の季語)
荒れる夏、未知の意外さ澄まず水、増す災害の緻密なるレア
(あれるなつみちのいがいさすまずみずますさいがいのちみつなるれあ)
百年に一度という自然災害が頻発
潮と浪、増したガスるか濃霧染む鵜の狩るすがた島みな遠し
(しおとなみましたがするかのうむしむうのかるすがたしまみなとおし)
ガスる=海などが天候により霞む
流る瀬よ潮澄まし那覇のどかな香どの花染ます押し寄せるがな
(ながるせよしおすましなはのどかなかどのはなしますおしよせるがな)
潮流の中の島々である沖縄、ブーゲンビレアが色濃く
連れの駆る月の遠くし越す雁かすこしく音の来つる彼の列
(つれのかるつきのとおくしこすかりかすこしくおとのきつるかのれつ)
満月のおもてを雁の列が横切るシルエットを見たことが有ります
遠ざかる蝉鳴かす秋、蒸す宵よ澄む気あすかな魅せる風音
(とおざかるせみなかすあきむすよいよすむきあすかなみせるかざおと)
蒸す晩夏がいつかしら秋めき、風の音も乾きだす
叶う愛、濃い香の立つや塩トマト押し遣ったのか憩い合う仲
(かなうあいこいかのたつやしおとまとおしやったのかいこいあうなか)
韓流ドラマに嵌まっている妻たちの気分で
(2019/4/30)
「敗戦だ」すぐ理解すな二つ三つタフ為す怒り具す男性は
(はいせんだすぐりかいすなふたつみつたふなすいかりぐすだんせいは)
負けたからて、はいそうですかと、引っ込めないんだ
掴みたしマワシだ頻り、見切りつつ力み力士だ皺増した身勝つ
(つかみたしまわしだしきりみきりつつりきみりきしだしわましたみかつ)
力士が大型化した相撲、わざの仕掛け合いもダイナミックに
妬いた見てしぶい意見か今得つつ笑まい関係、慰撫してみたいや
(やいたみてしぶいいけんかいまえつつえまいかんけいいぶしてみたいや)
韓国製の人気メロドラマに有りそうなシーン
もし老いた?鏡拝めるめかしつつ顰める目顔、身が固い惜しも
(もしおいたかがみおがめるめかしつつしかめるめがおみがかたいおしも)
テレビの化粧品CMには無い、リアルな日常
夏季しけむ、白い断崖霞むまま蒸す海岸だ色染む景色か
(かきしけむしろいだんがいかすむままむすかいがんだいろしむけしきか)
18世紀、英国の風景画家に見るよう
予期できた、目星が立つと真似しつつシネマ撮ったが、萎めたき出来よ
(よきできためぼしがたつとまねしつつしねまとったがしぼめたきできよ)
寅さん映画にあやかっても駄作となってしまう不思議
翅のしむ蒸す時あるが夏親し、つながる秋と澄む虫の音は
(はねのしむむすときあるがなつしたしつながるあきとすむむしのねは)
晩夏、熱帯夜の次ぐ中にかそけく鳴きだす秋に虫たち
得そこなう滑稽な玉つくりつつ理屈また無い結構なこそ得
(えそこなうこっけいなたまつくりつつりくつまたないけっこうなこそえ)
苦労しつつ真円真珠の養殖に成功した御木本幸吉翁
(非魔神さんの作品)非魔神さんのページ
(2019/4/15)
イカすマリアン、可愛いあの子とキスし「好き」と。
この愛、違和感ありますかい?
(いかすまりあんかわいいあのこときすしすきと
このあいいわかんありますかい)
「最後、姿見てみ?」
「またまた酒?彼、件の飲んだくれか?今朝たまたま見てみたが凄いさ」
(さいごすがたみてみまたまたさけかれくだんののんだくれか
けさたまたまみてみたがすごいさ)
(シチュエーション)飲んだくれの彼の姿を見て噂する2人の会話。
「買う。良い酒さ」今日も往路、このラム賛美。
「試し飲み済みの閉めた瓶さ」村の古老想う良き酒、採用か?
(かうよいさけさきょうもおうろこのらむさんびためしのみずみのしめたびんさ
むらのころうおもうよきさけさいようか)
(語注)ラム→ラム酒のこと
一見、1行×2つの作品と思いきや、2行で1つという構成で、前半と後半で漫才の掛け合いをしているような、面白い内容となっていますね。私(当サイトのコンテンツ)やゴジラ君などの投稿作品にも近いテイストで、楽しいです。酒飲みと回文ってなんか合いますね…。このサイトは形式フリーですので、いろいろお寄せいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします!
(スリッパさんの作品)
(2019/4/13)
剥かじかも切ってなかなか寒いまま忌む魚かな手つきも悴む
(むかじかもきってなかなかさむいままいむさかなかなてつきもかじかむ)
冬、冷たい魚の下ごしらえには時間が掛かる
喝采だ歌詞も書いたり歌うママ、歌売りたいか若しか大作家
(かっさいだかしもかいたりうたうままうたうりたいかもしかだいさっか)
銀座の某クラブ「姫」にて
好きなかた許しが見えた、見舞いつつ今見た笑みが知るゆたかなキス
(すきなかたゆるしがみえたみまいつついまみたえみがしるゆたかなきす)
主治医より退院の許可出る
さくら足し降るなか来たる大河だが至る滝かな、流布した落差
(さくらたしふるなかきたるたいがだがいたるたきかなるふしたらくさ)
散り込むサクラ吹雪と音立てる瀑布
行き疾くも雲かたち見つ秋空ぞ気圧満ちたか黙々と消ゆ
(ゆきとくもくもかたちみつあきぞらぞきあつみちたかもくもくときゆ)
片雲の飛んでゆく真っ青な空、静けさ
時化のため津に停泊し待つ風か、つましく掃いて煮詰めたの消し
(しけのためつにていはくしまつかぜかつましくはいてにつめたのけし)
津=湊。万葉時代の船旅を思う
霧立つ瀬みな呑み失す間けしき裂き、時化ます海の浪競ったりき
(きりたつせみなのみうすまけしきさきしけますうみのなみせったりき)
あらしに沸き立つ海景
嚙み薄く皮張り良き香すむトマト、蒸す夏季よりは若く吸う実か
(かみうすくかわはりよきかすむとまとむすかきよりはわかくすうみか)
トマトの種類によっては食べ時も異なる
刈り取るが夏照ったわり早き秋、やはり渡ってつながる鳥か
(かりとるがなつてったわりはやきあきやはりわたってつながるとりか)
収穫の終えた田園を眼下にして
霧立つと身のなか染みつ咲く湯映ゆ、草津見しかな飲み取ったりき
(きりたつとみのなかしみつさくゆはゆくさつみしかなのみとったりき)
身の温まる天下の名湯、上州群馬の草津温泉
(2019/3/26)
いま走り子のタイツ来る雨傘がまあるく点いた、残りしは舞い
(いまはしりこのたいつくるあまがさがまあるくついたのこりしはまい)
笑い合う小学生、あぜ道の上、田に映った影法師
蜜凝ると実の照る秋と果物も抱くとき有る手、飲み取るコツ見
(みつこるとみのてるあきとくだものもだくときあるてのみとるこつみ)
秋日の射すなか、ゆったりと熟してゆく
「要求!」と今だんこ召せクセ球だ急く攻め込んだマイ投球よ
(ようきゅうといまだんこめせくせだまだせくせめこんだまいとうきゅうよ)
メジャーリーグでも活躍、ダルビッシュ投手
ダシ澄む香、つかい勝手に湿すまま酢飯に鉄火・烏賊つかむ鮨だ
(だしすむかつかいかってにしめすまますめしにてっかいかつかむすしだ)
ダシ=だし汁
さま語れ、旨い白うお煮しめつつ飯匂うらし今熟れた釜さ
(さまかたれうまいしらうおにしめつつめしにおうらしいまうれたかまさ)
テレビでは料理番組が全盛、これでもかと攻めてくる
混むは夏季、涼み吸い合い眺めつつ目がないアイス、水好きか食む子
(こむはかきすずみすいあいながめつつめがないあいすみずすきかはむこ)
今はスイーツとか言って、百花繚乱
待って居た四月もう濃い花見つつ皆は憩うも注がしたい手、妻
(まっていたしがつもうこいはなみつつみなはいこうもつがしたいてつま)
きみから戴く一杯の美酒
春野かな幾らか高い音澄ます、遠い潟から水鶏か告るは
(はるのかないくらかたかいおとすますとおいかたからくいなかのるは)
告(の)る=告げる。水鶏(くいな)=水辺にすみ、独特の声
読めないが何時もの恋か、笑うままうら若い子の持つ意外な眼よ
(よめないがいつものこいかわらうままうらわかいこのもついがいなめよ)
ちゃっかりしているようで、ちゃんと真剣に考えてもいる
(2019/3/14)
待たるなら咲き、彩富むか月見つつ御酒つかむとや秋更なる玉
(またるならさきあやとむかつきみつつみきつかむとやあきさらなるたま)
月光酒杯に入り、煌めく玉の如し
時化る浜みな連れるため渡り鳥たわめたる列、波間遙けし
(しけるはまみなつれるためわたりどりたわめたるれつなみまはるけし)
秋、ツバメは一団を形成し、南方へ帰ってゆく
照りも居りなかなか奇抜、華やぐや名はツバキかな可成り重りて
(てりもおりなかなかきばつはなやぐやなはつばきかなかなりおもりて)
大輪の椿、肉厚で華やか
野遠くし越す沼やカナカナカナか、中々やまぬ少しく音の
(のとおくしこすぬまやかなかなかなかなかなかやまぬすこしくおとの)
秋の蝉、蜩(ひぐらし)の声響く
城野すら行く迂路禁止、砂の魔の為す蜃気楼くゆらす狼煙
(しろのすらゆくうろきんしすなのまのなすしんきろうくゆらすのろし)
シルクロードの砂漠に現れるという魔物
春立つが夏に茎伸び爽やかや山葵の利くにつながったる葉
(はるたつがなつにくきのびさわやかやわさびのきくにつながったるは)
ワサビは初夏に白い十字花を戴き、涼しげ
向く四方、澄む宵やはや霜枯れが若しや早い夜むすう星汲む
(むくしほうすむよいやはやしもがれがもしやはやいよむすうほしくむ)
霜降る夜の冴え冴えとした天を仰げば、星屑たち
子規親し此の里恋いし祭る春つましい事さ遺した色紙
(しきしたしこのさとこいしまつるはるつましいことさのこしたしきし)
35歳で東京根岸にて没、近代俳句の先駆者
新蜜柑、根に対策し待つ花はつましく咲いた二年仮眠し
(しんみかんねにたいさくしまつはなはつましくさいたにねんかみんし)
新種を作り出す苦労は、物語のよう
なか奇抜、毎回隠し真っ白しつましく開花いま椿かな
(なかきばつまいかいかくしまっしろしつましくかいかいまつばきかな)
河東碧悟桐の俳句に「赤い椿白い椿と落ちにけり」
(2019/2/20)
七日もう恋い来た給う星待つ間、四方瞬き憩うも彼の名
(なのかもうこいきたたまうほしまつましほうまたたきいこうもかのな)
星待つ=七夕=銀河を渡る、牽牛・織女の伝説
願い旅、住むなか空と一茶忌さ追悼句かな結びたいがね
(ねがいたびすむなかくうといっさきさついとうくかなむすびたいがね)
一茶忌=旧暦11月14日。1763~1827年。
跳びがちにいま坂や越す馬の仔の舞う健やかさ毎日が美と
(とびがちにいまさかやこすうまのこのまうすこやかさまいにちがびと)
散歩の老犬を飼い主が蹴る姿に、ただ唖然
関係し仲揉め来たれ葛藤と疲れた肌理も、哀しい喧嘩
(かんけいしなかもめきたれかっとうとつかれたきめもかなしいけんか)
肌理=肌のつや
見たっきり未だ濃いためか下闇や確かめたい子黙りきった身
(みたっきりまだこいためかしたやみやたしかめたいこだまりきったみ)
夏の日向から木陰に入ったら、一瞬まるで闇
慈愛ならまた幾包み塩辛か惜しみつつ食い堪らない味
(じあいならまたいくつつみしおからかおしみつつくいたまらないあじ)
カツオの酒盗なんてのも有る
ねむる君、射す昼だんこ潮焼けや押し込んだる陽すさみきる胸
(ねむるきみさすひるだんこしおやけやおしこんだるひすさみきるむね)
潮焼け=日焼け。すさみきる=荒み切る
手に香蒸し梨の果樹たつ夏至親し、茂った樹下の品染む香にて
(てにかむしなしのかじゅたつげししたししげったじゅかのしなしむかにて)
捥ぎたての梨を涼しい木陰で嗅ぐ
いま知りき、死なない私不死身なみ自負したわいな為し切りし舞い
(いましりきしなないわたしふじみなみじふしたわいななしきりしまい)
女流作家の円地文子さんが、そう書いてましたね
なかみ裂く、ぐっと粘るが納豆と繋がるバネと次ぐ臭みかな
(なかみさくぐっとねばるがなっとうとつながるばねとつぐくさみかな)
今でも九州以南の出身者は、苦手な食品かも?
歓喜知り、木の葉のダンスきつね跳ね月澄んだ野は残りし金貨
(かんきしりこのはのだんすきつねはねつきすんだのはのこりしきんか)
日本昔話、めでたし、めでたし
(2019/2/8)
尊くも雲流る丘みちのくの地味かおるがな黙々採った
(たっとくもくもながるおかみちのくのちみかおるがなもくもくとった)
春先の陸奥へ、タラの芽など山菜採りに
満ちたる瀬、夏季いさおしな鱚釣りつ、好きな潮騒きかせる立ち見
(みちたるせかきいさおしなきすつりつすきなしおさいきかせるたちみ)
いさおし=勲し=元気のある
採るなかや名はまた知りな枸杞の実の、濃くなりし珠、華やかなると
(とるなかやなはまたしりなくこのみのこくなりしたまはなやかなると)
秋に真っ赤な実をつける枸杞
余地は無さ、いちだんと彼のスキーヤー期すのか飛んだ小さな蜂よ
(よちはなさいちだんとかのすきーやーきすのかとんだちいさなはちよ)
女子ジャンプ競技、高梨選手の飛翔
見た撓う、跳ぶ回転はスケーター、消す判定か舞踏なした身
(みたしなうとぶかいてんはすけーたーけすはんていかぶとうなしたみ)
フィギュアスケートの水準は見事なばかり、日本の選手
カナカナと鳴いたが好いた蝉の音の見せたい姿、否となかなか
(かなかなとないたがすいたせみのねのみせたいすがたいなとなかなか)
秋に雨の如く、カナカナと鳴く蜩(ひぐらし)は、遠くの方だ
来て無敗、足見た姉妹、精悍か威勢ました身、試合は無敵
(きてむはいあしみたしまいせいかんかいせいましたみしあいはむてき)
女子レスリング、選手権保持者の姉妹、強し
描くや画家、絵は元図らし花鯛だ、名は知らずとも映え輝くか
(かくやがかえはもとずらしはなだいだなはしらずともはえかがやくか)
浮世絵版画の魚類図、北斎や広重に、名品あり
いかす眼し、古希を母さん祝いたい、ワインさ赤をきこし召す会
(いかすめしこきをかあさんいわいたいわいんさあかをきこしめすかい)
聞し召す=お酒を飲んで酔う
霧立つが夏見うるなお浅間山、さ靑なる海つながったりき
(きりたつがなつみうるなおあさまやまさあおなるうみつながったりき)
浅間の鬼押し出しから眺望する山々の連なりを
(2018/12/30)
なか優る飯の押しかたイワシ鮓、湧いた香潮の締めるさま哉
(なかまさるめしのおしかたいわしずしわいたかしおのしめるさまかな)
背黒鰯を千切って飯と漬け込む郷土料理・千葉県銚子にて
渋乙か、澄むうまみ立つ鰹なお使った身舞う、蒸すかつお節
(しぶおつかすむうまみたつかつおなおつかったみまうむすかつおぶし)
しゃぶると渋甘い、固いカツオ節
立つ香つい箸出てしまう締め鯖さ、飯うまし手で四杯つかった
(たつかついはしでてしまうしめさばさめしうましてでしはいつかった)
釣った鯖を下ろし、酢で〆たての美味!
在りたいと滑り音来しスクーター、奇しき通りベスト伊太利
(ありたいとすべりおときしすくーたーくすしきとおりべすといたりあ)
『ローマの休日』という名画がありました
讃歌など次ぐ歌謡ショーあっちこちツアー背負う夜かグッドな勘さ
(さんかなどつぐかようしょーあっちこちつあーしょうよかぐっどなかんさ)
プロデューサーの腕次第で
見るなかや年経つワインまろやかや浪漫祝った淑やかなる身
(みるなかやとしたつわいんまろやかやろまんいわったしとやかなるみ)
ワインもご婦人も熟成の良さ有れと
雪に連れ打つ鐘知りな淋しき死、ミサ鳴りし音かつうれつに消ゆ
(ゆきにつれうつかねしりなさみしきしみさなりしねかつうれつにきゆ)
映画『アマデウス』モーツァルトの駆け抜けた生涯
感心さ詩情あきらか増した又、島から来合う女子サンシン歌
(かんしんさしじょうあきらかましたまたしまからきあうじょしさんしんか)
沖縄から発信される澄んだ高音の島唄
潮土用、吹いたなか蒸す雲見つつ身もくすむかな台風夜どおし
(しおどようふいたなかむすくもみつつみもくすむかなたいふうよどおし)
今は残暑の厳しい頃のことが懐かしい冬
(2018/12/29)
もう秋と草競るなかやコスモスも健やかなる背咲くとき逢うも
(もうあきとくさせるなかやこすもすもすこやかなるせさくときあうも)
秋桜(コスモス)は群生して咲き、風に揺れ返る
理解ずれもう望み無さ一も二も小さな溝の埋もれず怒り!
(りかいずれもうのぞみなさいちもにもちいさなみぞのうもれずいかり)
シルバー離婚!怖い言葉ですが敵は着々と準備中
「書いて居た!」皆喝采さ一葉よ小さい作家並み大抵か
(かいていたみなかっさいさいちようよちいさいさっかなみたいていか)
樋口一葉の描写力は凄い
風有るが夏灼けたのみ稲田まだ無い身の丈やつながる畔か
(かぜあるがなつやけたのみいなだまだないみのたけやつながるあぜか)
青みの濃さを増す稲の逞しさ
宵々に何時しか保つ秋風か気圧も高しついにいよいよ
(よいよいにいつしかたもつあきかぜかきあつもたかしついにいよいよ)
長かった残暑の中にとうとう吹き出す秋めく風
いま盛れど名は良く聞いた鶏頭と活けたい菊よ花どれも舞い
(いまもれどなはよくきいたけいとうといけたいきくよはなどれもまい)
秋の花を活ける
夏季去らむ蒸す中つまみ桑摘みつ湧く実真っ赤な澄む紫か
(かきさらむむすなかつまみくわつみつわくみまっかなすむむらさきか)
夏の終わりの桑の実は色濃さを増す
髪来たが掬う手に香の湯澄みつつミス湯の華にて浮くすがた君か
(かみきたがすくうてにかのゆすみつつみすゆのかにてうくすがたきみか)
温泉地のポスターにありそう
苦労もうバカに眠たい大寒か抱いた胸に庇う耄碌
(くろうもうばかにねむたいだいかんかいだいたむねにかばうもうろく)
もうすぐ冬至です、柚子湯に入って
(2018/12/4)
機は立つか球取りキックし屈指の疾駆し、くっきりと又勝った覇気!
(きはたつかたまとりきっくしくっしのしっくし、くっきりとまたかったはき)
サッカー観戦、あれよと言う間に追加点
告げ過信さ「忌めよ憂いやまい判断した診断は今や言う、余命三四カ月」
(つげかしんさいめよういやまいはんだんしたしんだんはいまやいう、
よめいさんしかげつ)
今どきは医師も隠さずに宣う
お菓子嬉々と据えクリスマス『トナカイ跳ねる音は行かな!』と、澄ます
リクエスト聞きし顔
(おかしききとすえくりすますとなかいはねるねはいかなと、すます
りくえすとききしかお)
もうじきホワイトクリスマス
霧立つが夏若い株わさび伸び沢ぶかい川つながったりき
(きりたつがなつわかいかぶわさびのびさわぶかいかわつながったりき)
清流の山葵は初夏に白い十字花を伸ばして咲かす
理屈無し、いま薄皮でくるみつつミルクで沸かす美味い品作り
(りくつなしいまうすかわでくるみつつみるくでわかすうまいしなつくり)
温泉饅頭にも変わり種が生まれつつあり
寂び来たと薔薇咲き去らむ夏見つつ密な紫、さらばと焚火さ
(さびきたとばらさきさらむなつみつつみつなむらさきさらばとたきびさ)
花の命は短くて
不死身なみ病む力士耐え立つ見込み伝えた頻り無闇な身、自負
(ふじみなみやむりきしたえたつみこみつたえたしきりむやみなみ、じふ)
途中休場明けの進退は?
訪いたがれ、吸わん盛れ足せ牡蠣肉に効かせたレモン忘れ難いと
(といたがれ、すわんもれたせかきにくにきかせたれもんわすれがたいと)
巴里街頭、生牡蠣が冬の風物詩とか
咲き立つが懐かし仄か菜の花は野中の星か、つながった黄さ
(さきたつがなつかしほのかなのはなはのなかのほしか、つながったきさ)
自生する菜の花が野に帯状の模様をつくる
浪の盛る海も蒸す夏季五月雨だ、岬霞むも見うる物みな
(なみのもるうみもむすかきさみだれだ、みさきかすむもみうるものみな)
雨に霞む夏の岬の静けさが良い
(2018/11/23)
水いのち牧柵伸すし青き濃きオアシスの草、くぼちの泉
(みずいのちぼくさくのすしあおきこきおあしすのくさくぼちのいずみ)
グレゴリー・ペック主演作『大いなる西部』のテーマが水でした
鳴子かな可成り音立つ祭りなり詰まった通り、なかなか凝るな
(なるこかなかなりおとたつまつりなりつまったとおりなかなかこるな)
高知よさこい祭り、鳴子を打ち鳴らしつつ舞い進む人々
行くにつれ訴えた子等おやつ待つやおら応えた、つうれつに食い
(いくにつれうったえたこらおやつまつやおらこたえたつうれつにくい)
ハイキングは楽し
香やロマン豚肉買いつ脂なら分厚い角煮たぶん円やか
(かやろまんぶたにくかいつあぶらならぶあついかくにたぶんまろやか)
鹿児島の一般家庭でご馳走になった物が最も記憶に残る
路の似た街ずらし訪いガイドなど意外と知らず、巷にのち見
(みちのにたまちずらしといがいどなどいがいとしらずちまたにのちみ)
迷路のようなバザール街にて彷徨う
蒸したしと魚のミンチや鱧皮がもはや珍味の王と親しむ
(むしたしとうおのみんちやはもがわがもはやちんみのおうとしたしむ)
地方を旅すると水産加工食品の宝庫です日本は
焼いた飯、慈愛なら又モヤシ足し矢も堪らない味占めたいや
(やいためしじあいならまたもやしたしやもたまらないあじしめたいや)
冷めたチャーハンをねばつかせぬ一方法?
見舞うタレ数段からい、ライス増す苛々感だ薄れたうま味
(みまうたれすうだんからいらいすますいらいらかんだうすれたうまみ)
病院食に慣れたからか、娑婆の味付けの濃さにびっくり
万感さ馬菊花獲り他愛ない当たりと活気、舞う三冠馬
(ばんかんさうまきっかとりたあいないあたりとかっきまうさんかんば)
三冠馬=大まかには皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制す
(2018/10/14)
観戦し酔い増した身の夢うつつ梅湯飲み足し毎夜神仙か
(かんせんしよいましたみのゆめうつつうめゆのみたしまいよしんせんか)
神仙=仙人。焼酎の梅割りにて楽しむ中継。
いま発つが夏旅青し蒸す土佐と澄む潮あびた、繋がった舞い
(いまたつがなつたびあおしむすとさとすむしおあびたつながったまい)
夏の高知、町がよさこい踊りと青い潮一色に
聡く且つ渋く語った「仕切りつつ力士立ったか、九分失格!」とさ
(さとくかつしぶくかたったしきりつつりきしたったかくぶしっかくとさ)
元横綱、現在の立ち合い風景に苦言
「満たします快適利用!」注文も宇宙より来て行かす増した身
(みたしますかいてきりようちゅうもんもうちゅうよりきていかすましたみ)
ロビン・ウィリアムス主演『アンドリュー』アンドロイドの物語
使いたし、回また末か力投と切り返す球、活かした威喝!
(つかいたしかいまたすえかりきとうときりかえすたまいかしたいかつ)
先発完投タイプの得難いピッチャー
見たっきり未だけったいだ大役や頂いたっけ、黙り切った身
(みたっきりまだけったいだたいやくやいただいたっけだまりきったみ)
配役発表され、呆然たる若手俳優
笑み来るし伸び立つと舞い胡歌うたう、囲い纏った美のシルク見え
(えみくるしのびたつとまいこかうたうかこいまとったびのしるくみえ)
唐の都長安は当時の国際都市、青い目のダンサー(胡姫)も来たという
新聞でもの憂い投書「くち出しだ畜生!」と言うのも伝聞し
(しんぶんでものういとうしょくちだしだちくしょうというのもでんぶんし)
失言癖いよいよ快調の某副総理
(2018/8/11)
点産む子いま追加した五回タイ、加護たしか何時まい込む運て
(てんうむこいまついかしたごかいたいかごたしかいつまいこむうんて)
夏の地区予選始まり、大人の野球熱たかまり一喜一憂
「かっ飛ばせ、咬ましな!」を和すナイン団、いなす輪を為し、任せば特化
(かっとばせかましなをわすないんだんいなすわをなしまかせばとっか)
ベンチのナインは気合を入れた応援だ
嘗て夏、打者敵せずかまた絶った、球かず堰きて洒脱な鉄火
(かつてなつだしゃてきせずかまたたったたまかずせきてしゃだつなてっか)
昔鳴ならした名投手も今は応援席に
反転さ塁溜め急くか二盗もう、とにかく攻めた、入る三点は
(はんてんさるいためせくかにとうもうとにかくせめたいるさんてんは)
反激開始、走る打つ、押せ押せムード
投げ試せ、球脇にずれ押し出しだ、萎れしおれずに際また攻めた気な
(なげためせたまわきにずれおしだしだしおれずにきわまたせめたげな)
変化球のコントロールが今一だが、攻め球だ
球見えむ、細工は鍛え立つ代打つたえた気迫、勇む笑みまた
(たまみえむさいくはきたえたつだいだつたえたきはくいさむえみまた)
ここは代打のバントで確実に!
いかぬなら皆攻めにつれ打った又、痛烈に召せ、並ならぬ回
(いかぬならみなせめにつれうったまたつうれつにめせなみならぬかい)
試合の転換点のごとき、白熱した攻撃も
見込み不利、なか攻めたく子、死角突く賢く試せ、かなり踏み込み
(みこみふりなかせめたくこしかくつくかしこくためせかなりふみこみ)
前評判の優位を、切り崩す子の快投
仲間知り君ら勝ちたつ大会か、至ったちから見切りし間かな
(なかましりきみらかちたつたいかいかいたったちからみきりしまかな)
勝ちあがっていくチーム力
きついため脇見ずハイな名手死守、忌めない弾み、極めた一気
(きついためわきみずはいなめいしゅししゅいめないはずみきわめたいっき)
前進し難しいバウンドを処理の遊撃手(ショート)あり
決したし、痛みのすえか力投と切り返すのみ、大した躾
(けっしたしいたみのすえかりきとうときりかえすのみたいしたしつけ)
シードを勝ち進む連戦を、投げ切るファイト
談判し並以下期すか、大打者だ、いだかす機会みな審判だ
(だんぱんしなみいかきすかだいだしゃだいだかすきかいみなしんぱんだ)
予選の中から、将来のスラッガーが頭角を
(2018/7/14)
燻す眼し、出て仕切りたつ高鳴る名、語った力士、手で示す「ブイ!」
(いぶすめしでてしきりたつたかなるなかたったりきしてでしめすぶい)
眼が細く見える力士、そしてVサインで童顔がにっこり
仕切り退く、覇気わき立つよ目付き鋭き、詰め寄った際、気迫の力士
(しきりのくはきわきたつよめつきときつめよったきわきはくのりきし)
緊張した大一番の熱気に、館内もざわつく
出た果断、勝つ見込みふい突き出しだ、きつい踏み込み、掴んだ肩で
(でたかだんかつみこみふいつきだしだきついふみこみつかんだかたで)
あっという間の厳しい踏み込み
ぱっと逃げ足しさるなか下手にて確かなる差し、仕上げに突破
(ぱっとにげあししさるなかしたてにてたしかなるさししあげにとっぱ)
逃げるように見せ勝負へ
以後すもう生い立つと似ず小さめさ、一途に取った、言おうも「凄い!」
(いごすもうおいたつとにずちいさめさいちずにとったいおうもすごい)
小兵の力士、舞乃海は技のデパート
仕切りたい、突き出しが来る、屈みつつ身が軽く臥し、抱きついた力士
(しきりたいつきだしがくるかがみつつみがかるくがしだきついたりきし)
立ち合い、一瞬の変化が見もの
仕切り立つ、長びく末か決まりけり、巻き返す首がなった力士
(しきりたつながびくすえかきまりけりまきかえすくびがなったりきし)
がなる=大きな声を出す。
出はためし、幾つか切って四五発は伍して突き勝つ、食いしめた歯で
(ではためしいくつかきってしごはつはごしてつきかつくいしめたはで)
立ち合いのぶちかまし、張り手に耐えて、突っ張る
気は立つが夏できついな力士だし、きり無い突きで繋がった覇気
(きはたつがなつできついなりきしだしきりないつきでつながったはき)
力士は、つらいよ!
(2018/7/7)
競る仲や美の『よさこい』か今も夜も、舞い交い濃さよ伸びやかなる背
(せるなかやびのよさこいかいまもよもまいかいこさよのびやかなるせ)
高知のよさこい祭り、昼から店を畳んでしまい深夜まで練り踊る
笑みて出づ聞いていた唄、島からか増した歌い手、息衝いて見え
(えみていづきいていたうたしまからかましたうたいていきづいてみえ)
歌の島ウチナーからの贈り物。息衝く=息を吹き返す
舞い叩け神々いますカチャーシー、茶化すまい、身が見掛けたは今
(まいはたけかみがみいますかちゃーしーちゃかすまいみがみかけたはいま)
叩く=はたく。早弾きのサンシンのリズムに乗って舞う島人の神性を
恋いたいさ一律舞うと「エイサー」さ、家訪う祭り、小さい太鼓
(こいたいさいちりつまうとえいさーさいえとうまつりちいさいたいこ)
盆の精霊送りの後、サンシンと太鼓で皆が舞いつつ各家を回る
見舞うなか舌に珍味のミミガーが耳のミンチに、確かな旨み
(みまうなかしたにちんみのみみがーがみみのみんちにたしかなうまみ)
沖縄料理、豚の耳を茹でて1本1本毛を抜き、ミンチし味付け
下界恋う星見たいから具合よい胡坐かいた身、四方濃い影
(げかいこうほしみたいからぐあいよいあぐらかいたみしほうこいかげ)
島人が砂浜に宵から集い朝まで一晩中歓を尽くすビーチパーティー
神讃え、経つ御代につれ美しく痛烈に詠み伝えた民か
(かみたたえたつみよにつれうつくしくつうれつによみつたえたたみか)
沖縄の琉歌(8・8・8・6形式)で、例えば『てんさぐの花』の歌詞
闇憂いな、力み立つ尾にカジキ突きじかに追った身、キリない海や
(やみういなりきみたつおにかじきつきじかにおったみきりないうみや)
沖縄本島南部、糸満の漁師はサバニ(小舟)で遠く洋上まで出たという
断定さ波呼ぶ依頼ツアーショー、熱いライブよみな祭典だ
(だんていさなみよぶいらいつあーしょーあついらいぶよみなさいてんだ)
単なる花木市でも露天に舞台を架設、サンシンと太鼓のライブでもって客が
うねうねと舞いだす沖縄の那覇風景
寂たたえ立つ壁見うる絵葉書が映える海辺か、伝えた旅さ
(さびたたえたつかべみうるえはがきがはえるうみべかつたえたたびさ)
小さな離島も多い沖縄、中には波の浸食にさらされた無人屋の光景も
(2018/6/10)
差異起きて師任したもう五区取ると九合も確か、況して気負いさ
(さいおきてしまかしたもうごくとるとくごうもたしかましてきおいさ)
箱根駅伝第5区は山登り、慎重な監督もここでゴーサイン
覚悟長け過信軽々かわすミス若い経験、仕掛けた五区か
(かくごたけかしんけいけいかわすみすわかいけいけんしかけたごくか)
しかし勇んで失敗する場合だってある、きつい山登り
軽く降る、松飾り抱く苦戦感せく下り坂つまる復路か
(かろくふるまつかざりだくくせんかんせくくだりざかつまるふくろか)
正月3日の小雪舞う中、幾つもの急カーブを駆け下る選手
咬んで消え澄む雪に濡れたすき濃き、廃れぬに消ゆ蒸す駅伝か
(かんできえすむゆきにぬれたすきこきすたれぬにきゆむすえきでんか)
肌を噛む寒さも濡れた襷も、体温上昇によって消え去る
断つ要素いかんか悔いた力から勝ちたい区間、快走酔った
(たつようそいかんかくいたちからからかちたいくかんかいそうよった)
快調に飛ばして突然のスタミナ切れ、寒暖差に
駅伝の意志ごく果断サイクル来いさんだ覚悟、四囲のんで消え
(えきでんのいしごくかだんさいくるくいさんだかくごしいのんできえ)
ランナーズ・ハイ状態となり、がぜん独走に移る加速
飛んで消えいま砂吐きつ逃げきる気、実に突き放すマイ駅伝と
(とんできえいますなはきつにげきるきげにつきはなすまいえきでんと)
実(げ)に=まことに。舞う風と砂塵に苦しむなかラストへ
(2018/5/20)
通につれ撃つ弾薬か見た死増し、民斯く病んだつうれつに撃つ
(つうにつれうつだんやくかみたしましたみかくやんだつうれつにうつ)
痛ましい社会の闇、改造銃による乱射殺傷つづく
理解疾し幅きかすブツいくさ餌、食いつぶす火器、場は死と怒り
(りかいとしはばきかすぶついくさえさくいつぶすかきばはしといかり)
紛争地では武器商人暗躍し、カラシニコフ銃が少年の手にも
集きつつ又染むる音、美鈴まず澄みとおる虫、玉つつき出す
(すだきつつまたしむるおとみすずまずすみとおるむしたまつつきだす)
なか集く=虫が集まって鳴く
けさ知れむ腸身の包み塩辛か、惜しみつつ飲み戯れし酒
(けさしれむわたみのつつみしおからかおしみつつのみたわむれしさけ)
鰹の腸(わた)=酒盗が絶品と言いますね
雪につれ打つ浪の盛る海しけし見うるもの皆つうれつに消ゆ
(ゆきにつれうつなみのもるうみしけしみうるものみなつうれつにきゆ)
函館本線ぞい、国道もドライブインも全てが吹雪の奥へ
延びる絵が交う図解などメトロ見ろ留処ない数うかがえる美の
(のびるえがかうずかいなどめとろみろとめどないかずうかがえるびの)
カラフル・複雑な東京地下鉄路線図に見入って
神謳い武士や気鋭な博多また可はない役や、し吹いた海か
(かみうたいぶしやきえいなはかたまたかはないえきやしぶいたうみか)
蒙古襲来1274年(文永の役)、博多に迫るが大風により敗退
香も焚き士参じたつは熊本も幕張った陣、差し来た蒙古
(こうもたきしさんじたつはくまもともまくはったじんさしきたもうこ)
再び元軍襲来1281年(弘安の役)、西国の将兵が奮戦、又も大嵐
立つ口伝「染む素うどんか並盛もみな感動す無心で食った」
(たつくでんしむすうどんかなみもりもみなかんどうすむしんでくった)
口伝=くちづたえ。素朴だがトッピングは客任せで一大ブームに。
さっと食い手で駆け渡しバトン戦、飛ばした訳か出て行く咄嗟
(さっとくいてでかけわたしばとんせんとばしたわけかでていくとっさ)
オリンピックではリレー・レースの花形
「勝ったれば澄む歓喜たつ高跳び!」と語った金か、結ばれた柄
(かったればすむかんきたつたかとびとかたったきんかむすばれたつか)
柄を握って助走しバーを越える戦い、棒高跳び
慈愛増す香のカツオ立つ土佐煮手にさとった乙か、退かすまい味
(じあいますかのかつおたつとさにてにさとったおつかのかすまいあじ)
土佐煮=土佐醤油(酒・味醂と鰹節汁を加えた醤油)で煮たもの
エゴや否、球いかんバテ痛快か打って挽回また内野越え
(えごやいなたまいかんばてつうかいかうってばんかいまたないやごえ)
相手のパーフェクト・ピッチングが予期せず崩れる
やって見つ何時かと期しな、苦労負うろくな仕事かつい積み徹夜
(やってみついつかとごしなくろうおうろくなしごとかついつみてつや)
期す(ごす)=期待する、覚悟する。仕事を通して成長?
(2018/4/29)
寄せつつが二番手かたし交すパス、沸かした加点、場にガッツせよ
(よせつつがにばんてかたしかわすぱすわかしたかてんばにがっつせよ)
なかなか得点できないサッカー、しかしガッツポーズも
ミス突けり、早く着きたし沸かすパス、躱したキックやはり決す身
(みすつけりはやくつきたしわかすぱすかわしたきっくやはりけっすみ)
速攻で運んだボールがゴールに吸い込まれる
カット無く読むスパイなみ極める眼、脇見ないパス、無欲な特化
(かっとなくよむすぱいなみきわめるめわきみないぱすむよくなとっか)
特異なある点に長じていなければ勝てないそうです
競る敵はまた出だしたか、キック捲く突きかた次第、球は来てる背
(せるてきはまたいだしたかきっくまくつきかたしだいたまはきてるせ)
ふわりとコーナーキックがきて後方に落ちる
仲間足す沸く攻めにつれ打ったまた、痛烈に召せ、喰わす球かな
(なかまたすわくせめにつれうったまたつうれつにめせくわすたまかな)
攻撃陣をいっせいに上げる時
見る手付け、また誓い成し手はなすな果てしない勝ち、球蹴ってる身
(みるてつけまたちかいなしてはなすなはてしないかちたまけってるみ)
WK杯、負けても次はもうあきらめない
常闇の過去知りたいと木乃伊から意味解いたりし、古歌の都と
(とこやみのかこしりたいとみいらからいみといたりしこかのみやこと)
砂漠に眠る楼蘭古城の発掘、4千年前のシルクロードを解く鍵発見
棺で知れ、もう千古耐え立つ墓は伝えた今世、埋もれし殿下
(かんでしれもうせんこたえたつはかはつたえたこんせうもれしでんか)
楼蘭で見つかった棺に窺える当時の階級。今世(こんせ)=今の世。
喜雨来る田、癒すし青と細やかや、まことオアシス灼いたる空気
(きうくるたいやすしあおとこまやかやまことおあしすやいたるくうき)
今は無人の廃墟楼蘭も、昔は作物が茂り砂漠ではなかったという
春摘みに皆くつろいだ名は唐都、花大路つく波に満つるは!
(はるつみにみなくつろいだなはとうとはなだいろつくなみにみつるは)
唐都長安、春は貴賎さまざまな人々が草摘みに城外へ繰り出す
描くや画家、野は新鮮で映える春、画は伝染し葉の輝くか
(かくやがかのはしんせんではえるはるえはでんせんしはのかがやくか)
そのパレットに若葉をとらえた印象派モネ
なか見たし自己発見か鏡を見、画家完結は固辞した身かな
(なかみたしじこはっけんかかがみをみがかかんけつはこじしたみかな)
なぜか執拗に自画像に向かうゴッホがいる
続発かいや増すバトル勇みつつミサイル飛ばす、間や威喝吐くぞ!
(ぞくはつかいやますばとるいさみつつみさいるとばすまやいかつはくぞ)
米朝のトップ、ツイッター合戦で罵り合う
スカウトだ!いよいよ突くか二刀流とにかく強い、良い妥当化す
(すかうとだいよいよつくかにとうりゅうとにかくつよいよいだとうかす)
メジャーデビューで初勝利、撃ち投げてOK
(2018/4/1)
ツナの鮨・青菜欠かない妻と子と待つ田舎かな、オアシスの夏
(つなのすしあおなかかないつまとことまついなかかなおあしすのなつ)
妻子は一足先に帰省、実家でくつろぐお盆
仕舞うかな、かなり真っ黒ぶどう臭、どぶろく詰まりなかなか旨し
(しまうかなかなりまっくろぶどうしゅうどぶろくつまりなかなかうまし)
ちょっぴり自家製の味わい
拝める手、永眠したか愛しみし訪いかた親身、癒えてる目顔
(おがめるてえいみんしたかいとしみしといかたしんみいえてるめがお)
訃報に接する時
鳶の舞う澄む寒天さ、空気疾き浮く山巓か、無数間延びと
(とびのまうすむかんてんさくうきときうくさんてんかむすうまのびと)
蚊柱のごとく鳶が渦を巻いてゆっくり上昇・北海道にて
開化せる煙見える奈良、仏眼が円らなる笑み向ける世界か
(かいかせるけむみえるならぶつがんがつぶらなるえみむけるせかいか)
753年東大寺にて大仏開眼供養、アジアより遠来の客集う
来つる奈良、善き詩晩夏に桑の実の湧くに芳し清らなる月
(きつるならよきしばんかにくわのみのわくにかんばしきよらなるつき)
『~三笠の山にいでし月かも』と詠んで唐に没した阿倍仲麻呂
蒸すのちに今や初秋、虫の音の沁む気圧はや毎日の澄む
(むすのちにいまやはつあきむしのねのしむきあつはやまいにちのすむ)
熱帯夜の続く中に或る晩きこえだす秋
火の煌び、輪か貴き夜まさに画にさま良き東都、川開きの日
(ひのきらびわかとうときよまさにえにさまよきとうとかわびらきのひ)
東都=江戸。『名所江戸百景』広重作にもある両国、打ち上げ花火
良き湯知り、モツも突いた豊かな香、たゆたいつつも積もりし雪よ
(よきゆしりもつもつついたゆたかなかたゆたいつつもつもりしゆきよ)
銭湯はす向かいの居酒屋にて、なごり雪の晩
(2018/3/23)
立ってもう六回転はなみだ目だ、見な判定か、攣ろうも照った
(たってもうろっかいてんはなみだめだみなはんていかつろうもてった)
目視では回転の数えられぬ高速フィギュア
過保護知るすごき風交い咬む寒さ、向かいかぜ搔き伍する四五歩か
(かほごしるすごきかぜかいかむさむさむかいかぜかきごするしごほか)
ジャンプ競技場、悪天候下の戦い
力み不意、国汚す名はきつい四位、突き放す崖にくい踏み切り
(りきみふいくにけがすなはきついよいつきはなすがけにくいふみきり)
高梨選手、メダルの瞬間に号泣
吸わる苦に一気かなんじ振り切る気、理不尽な搔き、ついに狂わす
(すわるくにいっきかなんじふりきるきりふじんなかきついにくるわす)
女子スピードスケート500メートル決勝
不意に舵、見て快感さ舞い飛ぶといま三回か?手短に畏怖
(ふいにかじみてかいかんさまいとぶといまさんかいかてみじかにいふ)
TV観戦で、手に汗握るフィギュア演技
徹る背、息呑みな今飛び込む子、美と舞い波の奇異なせる音
(とおすせないきのみないまとびこむこびとまいなみのきいなせるおと)
背=せな=せなか。1936年ベルリンオリンピックの記録映像
採火せる煙参り良き聖火輪か、遺跡よりいま向ける世界さ
(さいかせるけむまいりよきせいかわかいせきよりいまむけるせかいさ)
聖火リレー、ベルリンオリンピックより始まる
出入り良き聖火ランナー熱く行く、ツアー何らか遺跡より出で
(でいりよきせいからんなーあつくゆくつあーなんらかいせきよりいで)
何らか=いくらか。ギリシアのオリンピアで点火し諸都市を巡る
策要るな荒れ洋上と波立った、みな搭乗よ、レアなる戦
(さくいるなあれようじょうとなみたったみなとうじょうよれあなるいくさ)
レ二・リーフェンシュタール(独)の映像美が捉えたセーリング
脱ぎ乞いし「また河守る!」と誓い合い勝ち取るも和か、たましい漕ぎぬ
(ぬぎこいしまたかわもるとちかいあいかちとるもわかたましいこぎぬ)
守る=もる=まもる。舳先を競い合うボート競技の熱戦
溝につれうったえ鼓動こわがるが、若人越えた痛烈にぞ見
(みぞにつれうったえこどうこわがるがわこうどこえたつうれつにぞみ)
総合馬術にて障害の数々がルート上に待つ、馬も必死
万事もう飛ぶ馬につれ打った又、つうれつに舞う舞踏も人馬
(ばんじもうとぶうまにつれうったまたつうれつにまうぶとうもじんば)
馬術競技のゴールに向け、鞭の入るすさまじさ
(2018/3/22)
手で打たし民気取り無さ市場蕎麦、小さなり土器みたした茹でて
(てでうたしたみきどりなさいちばそばちいさなりどきみたしたうでて)
小麦粉を打って伸ばし羊肉入りの麵に、ただし客はウイグル碧眼
来た玉や汲む井戸吊るし哈密ウリ得、実は汁つどい剥くやまたたき
(きたたまやくむいどつるしはみうりうみはしるつどいむくやまたたき)
フットボール型の哈密(ハミ)ウリ、なかは西瓜そっくりで美味
密な葉になす陽気春、稀有の地の受けるは喜雨よ、砂に花積み
(みつなはになすようきはるけうのちのうけるはきうよすなにはなつみ)
砂漠のオアシスでは灌漑用水により葡萄もたわわに熟れ
夷狄訪う玉門関だ絶えた沙汰、得た断簡も「苦行」と来て居
(いてきとうぎょくもんかんだたえたさたえただんかんもくぎょうときてい)
玉門関=唐代の辺境防衛基地。夷狄=野蛮な敵。断簡=千切れた便り
草古す故郷に発つ木簡か、積もった荷とさ流布する不作
(くさふるすふるさとにたつもっかんかつもったにとさるふするふさく)
辺境防備の子に届くたより、今年もまた不作である知らせ。出土品
守備兵は舞い、冷めた飯いく歳と食いしめた眼さ、いま杯へ美酒
(しゅびへいはまいさめためしいくとせとくいしめためさいまはいへびしゅ)
辺境防備任務の年季があける頃
燦然だ敵見た偉容・陽関か、うようよ射た身、来て断然さ
(さんぜんだてきみたいようようかんかうようよいたみきてだんぜんさ)
王維「西の方、陽関をいづれば故人なからん」。周りは夷狄だらけ
来て今宵、濃い夏季富むよ西日の美、詩に詠むときか憩いよ胡笛
(きてこよいこいかきとむよにしびのびしによむときかいこいよこてき)
西の辺境に赴任した詩人もいる。胡笛=異民族の吹く笛
囲いかと攻め来ていため都市絶えた、仕留めた夷狄「召せ!」と蚕か
(かこいかとせめきていためとしたえたしとめたいてきめせとかいこか)
門外不出だった絹(蚕)をめぐって夷狄との争い
味方絶え、立つ城の無さ一里去り小さな烽火つたえた高み
(みかたたえたつしろのなさいちりさりちいさなのろしつたえたたかみ)
多くの国家や民族が興亡を繰り返した数千年の遺跡あり
(2018/3/2)
開花せる眼のなか見たいスケーター消す痛みかな、のめる世界か
(かいかせるめのなかみたいすけーたーけすいたみかなのめるせかいか)
怪我から復帰、第一戦の大舞台で表情も変えず4回転連続
歓喜退く、時や向いたと滑り切りベストタイムや奇特の金か
(かんきのくときやむいたとすべりきりべすとたいむやきとくのきんか)
積むべきことは積んで来たという女子500メートル決勝
スタミナは駆使した寒気、絶え絶えだ得た金堅し、敷く花満たす
(すたみなはくししたかんきたえだえだえたきんかたししくはなみたす)
心拍数が200を超えるというフィギュアの苦しい戦い
積みかたか、得た難度も出メダル獲る、駄目でもどんな堪えかたか見つ
(つみかたかえたなんどもでめだるとるだめでもどんなたえかたかみつ)
フィギュア演技の採点(加点・減点)方法を解説で知る
(2018/2/25)
春の伊予 舞いせむに彼の胡蝶訪う 猪口の香に噎せ いま酔いのる葉
(はるのいよまいせむにかのこちょうとうちょこのかにむせいまよいのるは)
春風駘蕩として『春やむかし十五万石の城下かな』子規
山茶花に四季のった駅 停車・下車 凍て消え立つ野 岸に寒笹
(さざんかにしきのったえきていしゃげしゃいてきえたつのきしにかんざさ)
通学につかったローカル線も今は無し
とおく降る 雪けわい押し冴える春 江差追分 消ゆる吹く音
(とおくふるゆきけわいおしさえるはるえさしおいわけきゆるふくおと)
けわい=気配(けはい)。尺八を伴奏とする曲調は明治から
熱の宵 峠かしほう澄む宿や むすう星影 うとい世の常
(ねつのよいとうげかしほうすむやどやむすうほしかげうといよのつね)
夏の高地トレッキングに出かけた友も、故人に
消ゆるてい瓶のみきった立春酒 吊り立つ君の眼か 凍てる雪
(きゆるてかめのみきったりっしゅんしゅつりたつきみのめかいてるゆき)
口当たりがとろりとした一升の瓶酒に春を
身よく凍て いのち手向けた岩山や 湧いた煙たち 退いて行く黄泉
(みよくいていのちたむけたいわやまやわいたけむたちのいていくよみ)
シルクロード、僧侶だけの手で肉親の火葬される土地もあり
数見ると身の使命なり沐浴よ 曇りない眼し 飲みとる水か
(かずみるとみのしめいなりもくよくよくもりないめしのみとるみずか)
ガンジス河畔ベナレス、1日2万人もの人が沐浴し水を持ち帰る
駆け伸すし青馬ら食む牧畜地 くぼむ原舞うオアシスの毛か
(かけのすしあおうまらはむぼくちくちくぼむはらまうおあしすのけか)
天山山脈の南面にひろがる緑濃い、遊牧のオアシス
図解なれ足す兵馬俑そり立った理想よ倍へ 廃れない数
(ずかいなれたすへいばようそりたったりそうよばいへすたれないかず)
始皇帝の墓に見るすさまじい迫力のエネルギー
古いかは 民拝めたし仏像ぞ 潰した目顔 見た破壊・流布
(ふるいかなたみおがめたしぶつぞうぞつぶしためがおみたはかいるふ)
敦煌遺跡にのこる仏たちも異民族の手で、目を
(2018/2/24)
連れるよう呼ぶ祝詞らし舞い立った、いま白鳥の舞踊寄る列
(つれるようよぶのりとらしまいたったいましらとりのぶようよるれつ)
はくちょう。彼らは互いにコウコウと呼び交わし隊伍を成しつつ飛ぶ
消ゆるよう、星いま澄んで凍てる夜、停電すまい四方寄る雪
(きゆるようほしいますんでいてるよるていでんすまいしほうよるゆき)
すこしの積雪でも生活にひびくのを改めて知る、まして豪雪なら
開会へ組む快晴か至りけり、大会聖火、向く陛下以下
(かいかいへくむかいせいかいたりけりたいかいせいかむくへいかいか)
前の東京五輪10月10日、ファンファーレに陛下の開会宣言
妻かるく手で選る春菜さかりなり、重なる春よ出てくる香まつ
(つまかるくてでよるはるなさかりなりかさなるはるよでてくるかまつ)
枯れ一色の路傍に生えてくる蓬などの青さを喜ぶ
指名なり若狭に勝った慈愛濃い味たつ蟹さ、変わりない飯
(しめいなりわかさにかったじあいこいあじたつかにさかわりないめし)
若狭=旧国名、今の福井県西部、冬期は蟹が名産
返る凍てしまらく咲いた月下の香、告げたい桜、増している枝か
(かえるいてしまらくさいたげっかのかつげたいさくらましているえか)
しまらく=しばらく。『信濃路はいつ春にならん夕づく日入りてしまらく黄なる空の色』島木赤彦
もう夜かな幾らか期待、おと澄ます遠い滝から水鶏かようも
(もうよかないくらかきたいおとすますとおいたきからくいなかようも)
水鶏(くいな)=沼などの湿地にすみ、キョ・キョ・キョと鳴く
蜃気楼、熱気もえ立つ見た山や、民つたえも来つね迂路禁止
(しんきろうねっきもえたつみたやまやたみつたえもきつねうろきんし)
迂路=遠まわりの道。砂漠の旅人をさ迷わせた現象、蜃気楼
夜至れば澄む月牙泉、画家描くか河岸・瀬が告げ「掬ばれたいよ」
(よいたればすむげつがせんがかかくかかがんせがつげむすばれたいよ)
月牙泉=敦煌付近の砂漠に見られるという三日月型の泉
消ゆらしき鷹反転さ空間か、浮く山巓は固き白雪
(きゆらしきたかはんてんさくうかんかうくさんてんはかたきしらゆき)
移動中の遊牧民の中に鷹匠もいて、雪の天山山脈に狐を追わせる
烽火足しつねに混戦、兵馬・騎馬、異変千古に熱した城の
(のろしたしつねにこんせんへいばきばいへんせんこにねっしたしろの)
シルクロードの利権をめぐり騎馬民族と中国古代王朝は戦いを繰り返す
(2018/2/11)
凝る意外!あきらか喜悦はしり寄り始発駅から気合が入る子
(こるいがいあきらかきえつはしりよりしはつえきからきあいがいるこ)
乗り鉄の少年輝く
盛岡さ着きたてに飯という興、愛しめ煮てた喫茶香りも
(もりおかさつきたてにめしというきょういとしめにてたきっさかおりも)
盛岡始発「L特急はつかり/函館行き」があった頃の旅情
身の為と聞かばと恋いし吐息つき愛しい言葉、書き留めたのみ
(みのためときかばとこいしといきつきいとしいことばかきとめたのみ)
もう遠い昔の思い出ですが
怒り遣る「すぐ好意とり慰めさ、愚なり」と言う子、具するや理解?
(いかりやるすぐこういとりなぐさめさぐなりというこぐするやりかい)
人間に二つあり、惚れっぽい人と惚れない人と
さくら咲く花にて春と飲み注ぎつ身のとる果てに名は苦さ落差
(さくらさくはなにてはるとのみつぎつみのとるはてになはくさらくさ)
酒ウツに落ち込む日
いま長屋では花見為し、顔がおが可笑しな皆は派手やがな舞い
(いまながやでははなみなしかおがおがおかしなみなははでやがなまい)
落語『長屋の花見』の一席
皆の見し顔好く派手とコミカルか三言で博すおかしみの波
(みなのみしかおすくはでとこみかるかみことではくすおかしみのなみ)
米映画『パッチアダムス』の俳優ロビン・ウイリアムス
説いた死期「いずれか我が意ワイン得ん、祝いが別れ随喜したい」と
(といたしきいずれかわがいわいんえんいわいがわかれずいきしたいと)
末期に友や子と乾杯し、去りし人
「気随げな滅茶でいかんな為出かすか?」弟子難解で茶目な芸好き
(きずいげなめちゃでいかんなしでかすかでしなんかいでちゃめなげいずき)
気随=わがまま。米朝(べいちょう)は弟子・桂枝雀の才能に惚れる
「飯につれ打つストだから気合負い、明らかだ」とす痛烈に閉め
(めしにつれうつすとだからきあいおいあきらかだとすつうれつにしめ)
春のストライキで門を閉ざす町工場の賃闘もありました
神がかる笑み引き立つ絵、髪長な見返った貴妃、見える鏡か
(かみがかるえみひきたつえかみながなみかえったきひみえるかがみか)
あの楊貴妃の肖像
死なむかな、悲しみ裂いて疎い四囲とうてい淋しなかなか虚し
(しなむかなかなしみさいてうといしいとうていさみしなかなかむなし)
そういう中、予想外あらたな出会いも
(2018/2/3)
理解立つ賢くなりし結果「苦か!」付け知り泣く子、叱った怒り
(りかいたつかしこくなりしけっかくかつけしりなくこしかったいかり)
映画『アルジャーノンに花束を』
未達感あふれし友か無闇のみ病むかもと知れ、不安勝った身
(みたつかんあふれしともかむやみのみやむかもとしれふあんかったみ)
生真面目な子の過労死
力士居り、対比なき敵関取と奇蹟的な日、至り押し切り
(りきしおりたいひなきてきせきとりときせきてきなひいたりおしきり)
無敵の大関をたおす平幕出現
「体得し湧く家庭愛、禍福づくふかい相手か!」くわしく説いた
(たいとくしわくかていあいかふくづくふかいあいてかくわしくといた)
AIロボットにプログラミング
細こいと華欠くや否、名画史が忌めない役か名は問い「駒子」
(こまこいとはなかくやいなめいがしがいめないやくかなはといこまこ)
『雪国』のヒロイン役、嘗ては岸恵子が名演
子宣う「ときめき確か炭火の美、見透かした木目、季冬も楽し」
(しのたもうときめきたしかすみびのびみすかしたきめきとうもたのし)
季冬(きとう)=冬の終わり頃。論語もどき
笑みにつれ打つ勘が染みボクサーさ、窪みし眼窩つうれつに見え
(えみにつれうつかんがしみぼくさーさくぼみしがんかつうれつにみえ)
チャンピオン戦にのぞむ畑山隆則の厳しい練習風景、DVDにて
芋惜しみ妻子ら食いし、泣かしたし哀しい暮らし、勇みし思い
(いもおしみさいしらくいしなかしたしかなしいくらしいさみしおもい)
終戦前後の食糧難、やがて日本は復興へ
弱い生、切りやつれない刺身澄み、仔細なれ艶「力まないわよ!」
(よわいなまきりやつれないさしみすみしさいなれつやりきまないわよ)
料理上手な妻、魚を切るにもコツ有りとか?
時期愛し祭りあるのみ日本人、穂に稔る有り、つましい秋路
(じきあいしまつりあるのみにほんじんほにみのるありつましいあきじ)
秋の豊年祭も感謝でつつましく行う人々
かのミルク手でうすき皮しぼり取り、母子若き吸う、出てくる実の香
(かのみるくてでうすきかわしぼりとりぼしわかきすうでてくるみのか)
インド映画のあるシーン、日本では名も知れぬ果実
読みたいと口噛み蓋し和解ない、交わした文か、ちくと痛みよ
(よみたいとくちかみふたしわかいないかわしたふみかちくといたみよ)
大事にしまった文箱(ふばこ)も今や死語になりました
無視という母子去なしもう育てる手、出そうもしない志望いとしむ
(むしというぼしいなしもうそだてるてだそうもしないしぼういとしむ)
子育て放棄を引き取り、そして今やその孤児は必死に進む
身まっ黒「時宜見たっきり、解散!」さ、怒りきったみ議事録つまみ
(みまっくろじぎみたっきりかいさんさいかりきったみぎじろくつまみ)
総理専権事項に、いまさらの証拠で食いつく野党、後の祭り
至宝あみ四季得たいかに大作さ、板に描いた絵、軋み合う星
(しほうあみしきえたいかにたいさくさいたにかいたえきしみあうほし)
きらめく銀河の星やふかい闇を描いた二曲屏風図
(2018/1/25)
出竦みのベアそこ退けだ消える春、益だけ残そアベノミクスで
(ですくみのべあそこのけだきえるはるえきだけのこそあべのみくすで)
ベア=春闘ベースアップ。「雀の子そこのけそこのけお馬が通る(一茶)」
むきな連れ「撃つミサイルが突き刺すさ!」きつがる勇み痛烈な金
(むきなつれうつみさいるがつきさすさきつがるいさみつうれつなきむ)
すぐお隣の委員長
霙くる停車場に妻とことこと子と待つに馬車、凍てる暮れぞ見
(みぞれくるていしゃばにつまとことことことまつにばしゃいてるくれぞみ)
停車場=ステーション。明治の版画家・小林清親は最後の浮世絵師・とも
寒気足し降るとき揺らし華やぐや、名は白雪と流布した金花
(かんきたしふるときゆらしはなやぐやなはしらゆきとるふしたきんか)
天一杯に無数にふってくる六華(りっか=雪)
描くや画家、汽車やむ小駅とおのく野、音消えこむや斜暉かがやくか
(かくやがかきしゃやむこえきとおのくのおときえこむやしゃきかがやくか)
斜暉(しゃき)=斜めからさす夕日
見たかった絵も聡いなり蕪村さん、そぶり無いとさ燃えたつ形見
(みたかったえもさといなりぶそんさんそぶりないとさもえたつかたみ)
与謝蕪村(1716~1783)心熱高く、先人の芭蕉を敬愛
笑んだ医師「なかなか多感、再発は胃酸過多かな」愛しい談、得
(えんだいしなかなかたかんさいはつはいさんかたかなかなしいだんえ)
いたみは単に胸焼けという診断。愛しい=うれしい
見たしつけ活かしかっとう吉野家の仕様とっかし、解決した身
(みたしつけいかしかっとうよしのやのしようとっかしかいけつしたみ)
牛丼チェーン店の人手不足、くふう有り
親しんだ家恋しさや覇気解くと、気はやさしい子、英断した士
(したしんだいえこいしさやはきとくときはやさしいこえいだんしたし)
土佐脱藩の坂本竜馬、郷里の姉様へたより送る
(2018/1/8)
授かった皆待てる時スターター、たすき取る手間、波立つ数さ
(さずかったみなまてるときすたーたーたすきとるてまなみたつかずさ)
駅伝21チームの走者が今や遅しと号砲を待つ、大手町
行くにつれ俯いたいま一区急く、ついマイ・タイム痛烈に悔い
(いくにつれうつむいたいまいっくせくついまいたいむつうれつにくい)
横長だったランナー集団が一気に縦長となるスパートの瞬間
駅伝と、舞いタイトな身たすき捲き、スタミナ解いた今跳んで消え
(えきでんとまいたいとなみたすきまきすたみなといたいまとんできえ)
たすきが渡り、次走者が脱兎のごとく飛び出してゆく
読み立つと時間斯く足し、富士澄ます自負した区間、かじ取った身よ
(よみたつとじかんかくたしふじすますじふしたくかんかじとったみよ)
遊行寺~藤沢~湘南海岸へと駅伝ルートは進み、左手奥に白雪の富士
燃え立つ部、灼け肌くろき駅伝で消え記録打破、け破った画も
(もえたつぶやけはだくろきえきでんできえきろくだはけやぶったえも)
顔面蒼白となった部員走者が飛び込んでくる、TV生中継
痛み耐え、発つ後暗いな名門も忌めない落伍、伝えたみたい
(いたみたえたつごくらいなめいもんもいめないらくごつたえたみたい)
駅伝優勝候補に避けられないアクシデントあり、とアナウンス
喚声し真っさき走れ「たすき尽き!」廃れし覇気さ、つましい戦果
(かんせいしまっさきはしれたすきつきすたれしはきさつましいせんか)
たすきの繋げなかったリレー競争だってある、また出直しだ
「敗勢か?」志気なす可能「復路出ろ、工夫退かすな起死回生は!」
(はいせいかしきなすかのうふくろでろくふうのかすなきしかいせいは)
チームワークづくりの監督がやさしく叱咤・激励する
炬燵消し、明日もし勝たん芦ノ湖の思案高しも、素足蹴った子
(こたつけしあすもしかたんあしのこのしあんたかしもすあしけったこ)
今はホテルですがちょっと前の宿泊は和風旅館でした
軽く降る雪も見、著く下りきり抱く苦しみも、消ゆる復路か
(かろくふるゆきもみしるくくだりきりだくくるしみもきゆるふくろか)
著く(しるく)=努力した甲斐がはっきり出る。軽く(かろく)=かるく
猛速度、下りよ眼突き箱根の嶺、子はきつめより抱く独走も
(もうそくどくだりよめつきはこねのねこはきつめよりだくどくそうも)
嶺(みね)=ね。
ハンデ消え身の良い目なさ一位も居「小さな名誉のみ」駅伝は!
(はんできえみのよいめなさいちいもいちいさなめいよのみえきでんは)
ハンデ=ハンディキャップの略。その名誉を褒めたい
(2017/12/30)
鐘の消ゆ『清しこの夜』求める眼、灯る夜残し良き雪の音か
(かねのきゆきよしこのよるもとめるめともるよのこしよきゆきのねか)
フランク・キャプラ監督・米映画「群衆」のフィナーレ
敏感さ(妻妊娠か?)寝汗失せ姉感心に待つ参観日
(びんかんさつまにんしんかねあせうせあねかんしんにまつさんかんび)
お姉ちゃんとなるのを自覚した子の成長
連れるよう呼ぶ祝詞らし舞い立った、いま白鳥の舞踊寄る列
(つれるようよぶのりとらしまいたったいましらとりのぶようよるれつ)
スワンは隊列をなして飛びたつまで互いをコウコウと励まし呼び合う
垢衣解く病む妻の世話あしたまた幸せの待つ、「無益!」と言う子
(こういとくやむつまのせわあしたまたしあわせのまつむやくというこ)
垢衣(こうい)=垢のついた着物。無益(むやく)=むえき
期待編み積む家庭愛、音無しな遠い相手か、睦みあいたき
(きたいあみつむかていあいおとなしなとおいあいてかむつみあいたき)
幼い子を虐待する家庭もありますが…
身失す牡蠣、波も通るな貝殻がいかなる音も、みな聞かす海
(みうすかきなみもとおるなかいがらがいかなるおともみなきかすうみ)
ジャン・コクトー「私の耳は貝の耳、海の響きを懐かしむ」
歓喜なみ、咲く彼の菜春、つみとると満つる花の香、草みな金華
(かんきなみさくかのなはるつみとるとみつるはなのかくさみなきんか)
花の香りを生む構造は、自然の摂理
旱天さ、砂に水良いオアシス市、青い泉に成す山巓下
(かんてんさすなにみずいいおあしすしあおいいずみになすさんてんか)
陽光まぶしいシルクロードの集落、灌漑用水は雪解け水
幽か音、吹こう夜もみな砂がたが成す波もよう、古墳侵すか
(かすかおんふこうよもみなすながたがなすなみもようこふんおかすか)
シルクロード、今は廃墟の楼蘭古城
婉々だ、舞いスラブ的、美婢跳ぶと響きてブラス、いま団円、得
(えんえんだまいすらぶてきびひとぶとひびきてぶらすいまだんえんえ)
婉々=なまめかしい様。スラブ=スラヴ。ブラス=金管楽器
(2017/12/24)
春濃くし、なかなか奇抜はなやかや、名は椿かな愛しく凝るは
(はるこくしなかなかきばつはなやかやなはつばきかなかなしくこるは)
万葉の昔から好まれ人に詠まれた花の一つ、椿
手焚きやる煙舞い立つが、ラム肉に群がったいま、剥ける焼きたて
(てたきやるけむまいたつがらむにくにむらがったいまむけるやきたて)
異国の市場、シャシリクと言う、刃で削ぐ食物に寄る民
遡行する、さま若い旅なま鮭さ、学びたい川、まさる数こそ
(そこうするさまわかいたびなまさけさまなびたいかわまさるすうこそ)
生まれ故郷の川を指し外洋から戻ってくる鮭の不思議
もう懲りた、次ぐ熱帯夜ねむけ呆け、胸灼いた常ぐったり乞うも
(もうこりたつぐねったいやねむけぼけむねやいたつねぐったりこうも)
今夏ほど体力削がれた年無く、秋冷を待ち望んだ
観る寸暇うつくしい古都、月夜見よ、きっと恋しく痛感する身
(みるすんかうつくしいことつきよみよきっとこいしくつうかんするみ)
ポール・デルヴォーは繰り返し、月下の静まった街を描いている
山なかや鬼と咲く百合、若き秋、変わりゆく里、匂やかな間や
(やまなかやおにとさくゆりわかきあきかわりゆくさとにおやかなまや)
百合は夏の季語。山里によく見る鬼百合も、匂いこまやか
ぐっと良いがね桐箪笥 華燭濃く 初夏澄んだりき 願いよ嫁ぐ
(ぐっとよいがねきりだんすかしょくこくしょかすんだりきねがいよとつぐ)
家に女子が生まれるや桐を植え、嫁ぐ際に桐箪笥とし嫁入り道具とする
体得し 訳さとすだけ「学ばねば怠けだす!」とさ 険しく説いた
(たいとくしわけさとすだけまなばねばなまけだすとさけわしくといた)
韓国映画『Mrソクラテス』やくざが、刑事になる物語の先生
水仙花 飛びたつ別れ 舞う蝶々 生まれ変わった美と完成す
(すいせんかとびたつわかれまうちょうちょうまれかわったびとかんせいす)
眼前に奇蹟を見るごとき完全変態をなす昆虫の世界
勝って耐え 立ついま羽毛 とぶも軍鶏 舞踏も上手い 伝えた鉄火
(かってたえたついまうもうとぶもしゃもぶとうもうまいつたえたてっか)
鑑賞や闘鶏として飼われた軍鶏(しゃも)~江戸期の画家も描いている
鐘の寄る雪と降りたりクリスマス、陸離たり音消ゆる夜の音か
(かねのよるゆきとおりたりくりすますりくりたりおときゆるよのねか)
陸離=入りまじって多く盛んなさま
泣かす飯、濃きさま売る手イワシ鮨、沸いてる旨さ聞し召すかな
(なかすめしこきさまうるていわしずしわいてるうまさきこしめすかな)
回転鮨風景。聞し召す=酒を飲むこと
粕巻だ鯛良い肴もう美味しくし言おうも無いよ「いただきます!」か
(かすまきだたいよいなもうおいしくしいおうもないよいただきますか)
肴(な)=酒・飯にそえて食べるものの総称
薫知らば、蒸すかな春が夏臭くつながる花か澄む薔薇、真紅
(くんしらばむすかなはるがなつくさくつながるはなかすむばらしんく)
薔薇は夏の季語の一つ
遠い島、さいてきな海ウミネコ寝、ミウミウ鳴きて勇ましい音
(とおいしまさいてきなうみうみねこねみうみうなきていさましいおと)
青森県八戸・種差海岸(蕪島)は海猫(カモメ)の群生地
(2017/12/5)
見た四国、良き珍味たれジャコ天て小じゃれたミンチ、清く濾した身
(みたしこくよきちんみたれじゃこてんてこじゃれたみんちきよくこしたみ)
愛媛県宇和海で獲れた小魚=ホタルジャコのすり身=安いが絶品
潮に連れ、常おがめない刺身噛み、仔細な目顔「熱烈に押し!」
(しおにつれつねおがめないさしみかみしさいなめがおねつれつにおし)
旅中徳島の居酒屋にて、瀬戸内の魚介のうまさ
下界恋う星冴ゆるなか、優しくし清かなる湯さ、四方濃い影
(げかいこうほしさゆるなかやさしくしさやかなるゆさしほうこいかげ)
山間の温泉のしずかな露天湯にて
音軽くて、いつか遠のく函館だ、琥珀の音かついて来る鐘
(ねかるくていつかとおのくはこだてだこはくのおとかついてくるかね)
江差方面から風花の舞う函館を、離れる寒い朝
遠い奈良、五人惹き立つ楽器弾き、番った気品にごらない音
(とおいならごにんひきたつがっきひきつがったきひんにごらないおと)
753年、大仏開眼会には大陸からも踊り手や楽器奏者来る
寂びた井戸、湧き水いくつ砂漠抱く、ばさつく泉きわどい旅さ
(さびたいどわきみずいくつさばくだくばさつくいずみきわどいたびさ)
大仏開眼の使用品は正倉院に納まる、その中にはシルクロード招来物も
揉まん手に、かなりな盛ん彩陶と、遺産重なり中に天馬も
(もまんてにかなりなさかんさいとうといさんかさなりなかにてんまも)
中国古代に精巧な彩陶人物あり、また鋳造の「飛燕を踏む天馬」あり
鐘古く、着いた島もう旅愁添う、酒量も増したいつ来る船か
(かねふるくついたしまもうりょしゅうそうしゅりょうもました
いつくるふねか)
離島の半鐘が、米軍の爆弾筒の再利用品であった思い出
(2017/12/2)
みな為合う、勝ち損なうと傷み沁み、対等なこそ誓う足並み
(みなしあうかちそこなうといたみしみたいとうなこそちかうあしなみ)
為合う=互いに戦い合う
歓楽さ、見た東京よまさに灯にさ迷う興と、民錯乱か
(かんらくさみたとうきょうよまさにひにさまようきょうとたみさくらんか)
ハロウィンの夜、仮装群衆がくりだす巷の光景
駆る何か、優しいあなた生きて来て訊いたな「愛し、清かになるか?」
(かるなにかやさしいあなたいきてきてきいたなあいしさやかになるか)
この世を愛するか否か、生き方の問題だ
帰途につれ冷たい降りよ、身打ち東風、海より吹いた滅裂に疾き
(きとにつれつめたいふりよみうちこちうみよりふいためつれつにとき)
遭難者を悼み『千人塚』の建つ千葉県銚子の浜辺。東風(こち)=ひがしかぜ
夜も日にと細かい愛さ、強く抱く、吾子最愛かまことに日も夜
(よもひにとこまかいあいさこわくだくわこさいあいかまことにひもよ)
強く(こわく)=固く。吾子(わこ)=わが子
良い目ふい、さいていな酒つうかんか、空けさ泣いて、いさい不名誉
(よいめふいさいていなさけつうかんかうつけさないていさいふめいよ)
自嘲のくり返し、分っているが、やまない酒癖
消え込むや遠いこだまの立つ汽笛、蔦のまだ濃い、音やむ小駅
(きえこむやとおいこだまのたつきてきつたのまだこいおとやむこえき)
かつてD51などSLの走った峠、晩秋の駅光景
古いため、都市伝説が相当と嘘合戦で、しとめたい流布
(ふるいためとしでんせつがそうとうとうそがっせんでしとめたいるふ)
各地方は、無い知恵を絞ってまち興しを競う
「理解退く、下位二十日たつ!」長嶋氏、がなった喝は威嚇の怒り
(りかいのくかいはつかたつながしましがなったかつはいかくのいかり)
がなる=どなる、YG終身名誉監督の励まし
見た真摯、いま退団か「イエスです!」栄冠抱いた邁進した身
(みたしんしいまたいだんかいえすですえいかんだいたまいしんしたみ)
永久欠番3の華麗なプレイを、生で観ていたころ
「聡くない私だけだね、言う成りな憂い値だけ出し、たわいなく!」とさ
(さとくないわたしだけだねいうなりなういねだけだしたわいなくとさ)
人を騙すよりは騙されていた方が、いいのかも
凸得る師、手に満つ楽し切り取ると、力士の立つ身にてシルエット
(とつえるしてにみつたのしきりとるとりきしのたつみにてしるえっと)
寄席定番の紙きり芸がすごい、歴代の三遊亭正楽
(2017/11/12)
ぶつぶつと細かく煮立つモツの香の積もった肉か、まこと粒つぶ
(ぶつぶつとこまかくにたつもつのかのつもったにくかまことつぶつぶ)
モツ煮のとろみは工夫あり、玉ねぎで出す店も
截った牡蠣、七味利かせたキムチ満ち「剥き足せ!」か君、知識語った
(たったかきしちみきかせたきむちみちむきたせかきみちしきかたった)
大坂・鶴橋駅そばのコリアン市場にて、海鮮キムチ
つま留守居、お手軽ためし育児・家事、食い締めたるが「手負イスル待ツ!」
(つまるすいおてがるためしいくじかじくいしめたるがておいするまつ)
此の「つま」は夫(つま)で、妻の慰安先へSOSメール!
塗り浅く澄む誰かが絵、冬瓜が鵜とえがかれた、生す草ありぬ
(ぬりあさくすむたれかがえとうがんがうとえがかれたむすくさありぬ)
誰=たれ=はっきりとは知らない人
さて開始、待つ当落かさまよう世、まさか喰らうと、倹しい糧さ
(さてかいしまつとうらくかさまようよまさかくらうとつましいかてさ)
開票結果次第で只の人、有権者の審判くだる夜半過ぎ
力士追い、突き出てだんこ決まりけり、巻き込んだ手で、きつい押しきり
(りきしおいつきでてだんこきまりけりまきこんだてできついおしきり)
TV実況のスローモーション再生で、細部の取り口を知る
旬利いたミノ・ハツナイス、焼肉に来やすい夏は、飲みたい禁酒
(しゅんきいたみのはつないすやきにくにきやすいなつはのみたいきんしゅ)
やはり生で、肉のあぶらをグビグビッと流し込まないと
貝も老い、音の地味なす牡蠣殻が、聞かす波路の遠い想いか
(かいもおいおとのじみなすかきがらがきかすなみじのとおいおもいか)
誰かの詩に「私の耳は貝の耳、海の響きを~」というのがありました
(2017/11/2)
胡のあまい果樹摘み出すし青く湧くオアシスだ見つ 樹下いまあの娘
(このあまいかじゅつみだすしあおくわくおあしすだみつじゅかいまあのこ)
胡=シルクロード交易の西域ペルシャなど=碧眼の舞姫あり
野菜足せ 牡蠣敷いた飯みかく良く噛みしめたいし 効かせたい莢
(やさいたせかきしいためしみかくよくかみしめたいしきかせたいさや)
やや茶色い牡蠣飯のトッピングに、青い莢豆
御酒草に眠いも起きた月下の香 告げたき想い胸に咲く君
(みきくさにねむいもおきたげっかのかつげたきおもいむねにさくきみ)
御酒草(女房詞)=桃の花=3月3日に酒に浸す習わしから
夫婦居て痛し痒しと睦みぎみ積む年ゆかし たいてい遠目
(めおといていたしかゆしとむつみぎみつむとしゆかしたいていとおめ)
遠目=遠望が利く、ふたりの人生
浜入り江、濃い丹花の咲く澄むみなみ蒸す草の香に憩えり今は
(はまいりえこいにかのさくすむみなみむすくさのかにいこえりいまは)
沖縄に来たなと思える花ブーゲンビリア
慈愛足し貝・烏賊出てたキムチ市、剥きたてで買い活かしたい味
(じあいたしかいいかでてたきむちいちむきたてでかいいかしたいあじ)
大坂鶴橋駅そば、コリアン・マーケット
名は残る、液溶き甘いハチミツ見、地はいま秋と消える此の花
(なはのこるえきときあまいはちみつみちはいまあきときえるこのはな)
養蜂場に聞くと蜂蜜の花は幾種類もあり香味も異なる
「手伝いな!」釜蒸していた閉めた蓋「飯炊いて滲む賄いだ」って
(てつだいなかまむしていたしめたふためしたいてしむまかないだって)
今は電気釜で一発OKですが、子供の頃は勘で覚えたもの
願う愛、濃い魚煮しめ炊き出しだ、来た飯匂う憩い合うがね
(ねがうあいこいうおにしめたきだしだきためしにおういこいあうがね)
避難所でも握り飯にプラス出来立ての暖かな総菜を
夜半ナイス、月通るたび澄む鐘か結びたる音、きっすいな和よ
(よわないすつきとおるたびすむかねかむすびたるおときっすいなわよ)
異国の教会の鐘の音がゆたかにひびく晩
(2017/10/22)
けさ泣かじ、診て医者とめた飲み物も身のためと謝意、手みじかな酒
(けさなかじみていしゃとめたのみものもみのためとしゃいてみじかなさけ)
自嘲アル中、でも飲まないとつい心さみしく
無益かな哀しい喧嘩、見聞く僕きみ関係し、なかなか悔やむ
(むやくかなかなしいけんかみきくぼくきみかんけいしなかなかくやむ)
無益(むやく)=役に立たないこと=無益(むえき)に同じ
四月から勝ち流布につれ打った又「痛烈に振る、ちから担がし!」
(しがつからかちるふにつれうったまたつうれつにふるちからかつがし)
いまや独走態勢の某カープ監督談
訪いナイス!闇に労濃い灯台だ、うとい航路に見やすいナイト
(といないすやみにろうこいとうだいだうといこうろにみやすいないと)
『喜びも悲しみも幾年月』という木下惠介監督作の映画がありました
居ます且つ老人相手いたわるわ、たいてい案じ「うろつかすまい!」
(いますかつろうじんあいていたわるわたいていあんじうろつかすまい)
見守るへルパーさんの御心遣いわかります
彼の追うなにが得たいか鏡を見 画家描いた絵が 担うおのれか
(かれのおうなにがえたいかかがみをみがかかいたえがになうおのれか)
さまざまな自画像を執拗に描き続けたゴッホの眼
意志待たる海よりブルー ピアノ譜のアピール振りよ 見うる魂
(いしまたるうみよりぶるーぴあのふのあぴーるぶりよみうるたましい)
ショパンの曲の悩ましい強さと繊細さ
四方濃い奇しきひかりクリスマス陸離か引きし 救い乞う星
(しほうこいくすしきひかりくりすますりくりかひきしすくいこうほし)
かつて「クリスマス停戦(願い)」が有った。陸離=光の入り乱れ美しいさま
断然もう糸電話魔か運ぶイブ 児は「構わんで!」と言う門前だ
(だんぜんもういとでんわまかはこぶいぶこはかまわんでというもんぜんだ)
クリスマス・イブ、サンタと通信なにか話したい児
(2017/10/21)
「斬る野党!」そり立つ高い政界か、威勢語った「理想とやる気!」
(きるやとうそりたつたかいせいかいかいせいかたったりそうとやるき)
衆院解散=選挙公約なんて無用の一強他弱つづきそう
もしも訪う 星冴ゆる間 名湯と威名ある湯さ四方灯しも
(もしもとうほしさゆるあいめいとうといめいあるゆさしほうともしも)
山間の温泉~露天風呂にほの明り
得策さ 銅婚式がささやかや笹搔き新香 独活さくさくと
(とくさくさどうこんしきがささやかやささがきしんこうどさくさくと)
7年(銅婚)ありがとう、その味わいを
酔ってすら師は「つねに鍛冶みて取れ!」と手短に熱 奔らす鉄よ
(よってすらしはつねにかじみてとれとてみじかにねつはしらすてつよ)
刀工~玉鋼(たまはがね)から鍛える工程
静けさの消えやすい晴れ朝発ちだ、然あれ拝すや駅の鮭鮨
(しずけさのきえやすいはれあさだちださあれはいすやえきのさけずし)
かつての盛岡駅~さけ腹子飯弁当を手に、乗り鉄の旅立ち
以下手段、駆使きっ怪な計算さいけない客気 仕組んだ首魁
(いかしゅだんくしきっかいなけいさんさいけないかっきしくんだしゅかい)
衆院解散の日に某民主党も自己解体~この筋書は誰の手で?
好く「盛り」と通は徹すか食わば蕎麦湧く香吸ってはうっとり黙す
(すくもりとつうはてっすかくわばそばわくかすってはうっとりもくす)
もうじき新蕎麦(走り蕎麦)の季節到来
願いたし、此の世の中やお宝か嫋やかなのよ残したいがね
(ねがいたしこのよのなかやおたからかたおやかなのよのこしたいがね)
「金=お宝」と呼ぶのは一種の民族性
凝るなと滑りて解けり飯炊けた湿り気と照り、ベストなる腰
(しこるなとすべりてとけりめしたけたしめりけとてりべすとなるこし)
火に掛けた釜や炊飯器の中で米粒はどう動くのか
唐なる名 咲かし奇麗な似た都市と他に無い歴史 重なる奈良か
(からなるなさかしきれいなにたとしとたにないれきしかさなるならか)
唐都長安を面積では約4分の1サイズで模したという平城京(奈良の都)
710~784年、「~咲く花の匂うがごとく今盛りなり」
華美決まる 笑み快晴な行く唐都 悔い無い成果 見える真備か
(かびきまるえみかいせいないくとうとくいないせいかみえるまきびか)
吉備真備(きびのまきび)717~735年唐へ留学し貴重な文物を招来、
帰国後に宮廷につかえ栄転した人物で学者。また717年には阿部仲麻呂も
同じ唐留学生として出帆したが、こちらは2度と故国日本の土を踏めず
「~三笠の山にいでし月かも」と詠み770年彼の地で没したことで有名
此のあたし沸かしたい恋つかわすわ且つ憩いたし交わしたあの子
(このあたしわかしたいこいつかわすわかついこいたしかわしたあのこ)
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』宮沢りえ主演
つい愛し湧く罪ひなん書いた又、いかんな秘密くわしい彼奴
(ついあいしわくつみひなんかいたまたいかんなひみつくわしいあいつ)
文春砲とよばれるパパラッチ記事にいささか、うんざり
(2017/10/15)
「記録裂く破棄も二回と疎む事務?」問うと如何にも希薄さ、黒き!
(きろくさくはきもにかいとうとむじむとうといかにもきはくさくろき)
日誌も面会録も記憶も無しと突っぱねる国会質疑、あげくに衆院解散へ
疎いかに一徹なとき生か死か移籍となって、ついに快投!
(うといかにいってつなときせいかしかいせきとなってついにかいとう)
長年の努力にも芽の出なかった某投手、新天地で開眼
四月から勝ち流布につれ打った又「痛烈に振る、ちから担がし!」
(しがつからかちるふにつれうったまたつうれつにふるちからかつがし)
いまや独走態勢の某カープ監督談
泣かすとさ師で問い為しつ芭蕉翁「処罰しない!」と弟子諭すかな
(なかすとさしでといなしつばしょうおうしょばつしないとでしさとすかな)
『芭蕉書簡全集』に弟子たちの内輪もめへ気配りする真蹟あり
各市にいま盛るためトマトごと纏めたる嵩、まいにち幾荷
(かくいちにいまさかるためとまとごとまとめたるかさまいにちいくか)
『道の駅』などへ日々運び込む生産農家のはたらき
見うる凍て、背の高いなら蒲の穂の曲がらない肩、載せている湖
(みうるいてせのたかいならがまのほのまがらないかたのせているうみ)
枯れたまま真冬の烈風に立つ蒲の穂綿、湖沼にて
憂いと待つ、話したがり屋『言おう症』追いやり難し、名は妻という
(ういとまつはなしたがりやいおうしょうおいやりがたしなはつまという)
疲れて帰ってくると、家にはもう一人の難敵か?
さやぎかや、また香り出し花火飛び、名は垂り尾か「玉屋!」「鍵屋!」さ
(さやぎかやまたかおりだしはなびとびなはしだりおかたまやかぎやさ)
さやぎ=ざわめくこと。垂り尾=長く垂れた尾のすがた
書いて四季、東国語れ川越し後わかれた覚悟、うとき師弟か
(かいてしきとうごくかたれかわごしごわかれたかくごうときしていか)
「ゆく春や鳥啼きうおの目に涙」芭蕉と曾良『奥の細道』へ発つ
(2017/10/1)
「消耗!」と誤記改訂す気象庁 初期推定か季後 訪う猛暑
(しょうもうとごきかいていすきしょうちょうしょきすいていかきご
とうもうしょ)
秋がなかなか来なかった夏、先の読めぬ温暖化現象
「買い手居た?」「みな腐してた理解外!」駆り立てし作 並大抵か
(かいていたみなくさしてたりかいがいかりたてしさくなみたいていか)
ファン・ゴッホの絵は生前1枚も売れなかったという
よし無能 澄む観月に待つ酒さ 妻に告げんか無数の虫よ
(よしむのうすむかんげつにまつさけさつまにつげんかむすうのむしよ)
柘植義春(漫画家)氏の作『無能のひと』風に
見る寸暇 打つ駄目押しや舞い込む子 今や潮目だ痛感する身
(みるすんかうつだめおしやまいこむこいまやしおめだつうかんするみ)
米映画『頑張れベアーズ』の駄目っ子たちと監督
生かせしめ罪語ったり聴いた歌 いきり立ったか見詰めし世界
(いかせしめつみかたったりきいたうたいきりたったかみつめしせかい)
ボブ・ディラン3作目のアルバム『時代は変わる』の歌詞群
聡いなら策は知りたし 金積みつ寝かした利子は腐らないとさ
(さといならさくはしりたしかねつみつねかしたりしはくさらないとさ)
江戸狂歌「世の中に金と女は仇なりどうぞ仇にめぐり合いたい」
年三たび憂い結果から食い気ぬけ幾らか脚気 言うビタミンね
(ねんみたびういけっかからくいけぬけいくらかかっけいうびたみんね)
ふくらはぎを指で押して凹みが元に戻らなかったら脚気
気軽たれ 数回泣きしいじめ舐め 自意識無いか薄れたるガキ
(きがるたれすうかいなきしいじめなめじいしきないかうすれたるがき)
そんな鈍い少年だった頃を思い出します
(2017/9/23)
出す尻は、粘糸溶くも蜘蛛の身の黙々と訪い、バネ張りし巣だ
(だすしりはねばいととくもくものみのもくもくとといばねはりしすだ)
空中に多角形の館をつくる蜘蛛の動き
為たミスや、涙涸らすや眠りけり胸安らかだ、皆やすみたし
(したみすやなみだからすやねむりけりむねやすらかだみなやすみたし)
誰にでもミスはあるけれど、悩みは尽きない
泣いたりき、身の酔い濃くしさまよう夜まさしく恋よ、飲み切りたいな
(ないたりきみのよいこくしさまようよまさしくこいよのみきりたいな)
男純情の~という歌もありました
峡訪うと萌ゆみな草の香りけり丘の作並湯も貴い香
(かいとうともゆみなくさのかおりけりおかのさくなみゆもとうといか)
仙山線作並(温泉)駅は標高250米強、広瀬川の上流に沿う
蹴った慰撫、相談与党「熟慮顧慮、苦渋」と呼んだ、うそぶいたっけ
(けったいぶそうだんよとうじゅくりょこりょくじゅうとよんだ
うそぶいたっけ)
子育て支援などの社会福祉を手厚くします=ただし財源は消費増税
死なむかな、愛しい想い変わりけり若いも老いし、なかなか空し
(しなむかなかなしいおもいかわりけりわかいもおいしなかなかむなし)
昔日のたぎる情熱、いまいずこ?
快諾か、土地定価無し顔立てた可笑しな買い手、ちと欠く代価
(かいだくかとちていかなしかおたてたおかしなかいてちとかくだいか)
北からミサイルが飛んでも、あの特区の矛盾は忘れぬべし
這いました、きつがる思い渇くも苦、若いも居るが尽きた終いは
(はいましたきつがるおもいかわくもくわかいもおるがつきたしまいは)
来たる2020年五輪、夏のさ中のマラソンを危ぶむ
(2017/9/14)
つい退いた 凍てがち偉大ロシアまあ白い大地が 手痛いドイツ
(ついどいたいてがちいだいろしあまあしろいだいちがていたいどいつ)
第2次大戦下、レニングラード攻防戦にて悲惨な退却
泣いたケア 自己見た深化 否か是か 内観した身 こじ開けたいな
(ないたけあじこみたしんかいなかぜかないかんしたみこじあけたいな)
内観法=自分がひとからして頂いたことを思い出してみる
花期訪うた 豊かな春菜咲かしたし重なる花か たゆたう鋭き香
(かきとうたゆたかなはるなさかしたしかさなるはなかたゆたうときか)
たゆたう=ゆらゆらと漂う
各御仁 異議・唐突だ 済まず数 増す脱党と議員地獄か?
(かくごじんいぎとうとつだすまずかずますだっとうとぎいんじごくか)
某民進党にてドミノ倒し進行中。
賭す点呼 清い音立つ隊指揮し 至った遠い 良きコンテスト
(とすてんこきよいおとたつたいしきしいたったとおいよきこんてすと)
英映画『ブラス』寂れた町の小父さんたちの自分興し
稀有地震思いやる高いラジオなお爾来語るや 慰問支持受け
(けうじしんもいやるたかいらじおなおじらいかたるやいもんしじうけ)
震災後に地元FM局が呼びかけ続けて、がんばる
「もし清に 住まば」と乞いし問い掛けか 愛しいことば増すに優しも
(もしさやにすまばとこいしといかけかいとしいことばますにやさしも)
お互い、何気ないことばの遣り取り次第ですね
特攻と 然もたしなんだ苦肉策 肉弾なした 猛者訪うコツと
(とっこうとさもたしなんだくにくさくにくだんなしたもさとうこつと)
特攻を美化し、数千の若者を散らした戦局
(2017/9/11)
退散だ 国規定ない 派遣軍 気配ない敵 肉弾裂いた
(たいさんだくにきていないはけんぐんけはいないてきにくだんさいた)
いやはや戦闘状態の日報を破棄しちゃうんだからね
用途ない 歴史なる美か 永久と 古都黴びる無し 綺麗な塔よ
(ようとないれきしなるびかとことわとことかびるなしきれいなとうよ)
興福寺五重塔~廃仏毀釈により明治期五十円で売りに出される
「クスリ絶つ!」高い過信さ 一回か つい三四回 騙ったリスク
(くすりたつたかいかしんさいっかいかついさんしかいかたったりすく)
役所広司の主演映画『シャブ極道』
わたしにか 優しいあなた、倹しくし 待ったな愛し 清かにしたわ
(わたしにかやさしいあなたつましくしまったなあいしさやかにしたわ)
男は優しくなければ生きてゆく資格が無い?
柵乗るは 住む養生の 意欲湧く 良い農場よ 生す春の草
(さくのるはすむようじょうのいよくわくよいのうじょうよむすはるのくさ)
病む身が、牧場の柵にのって憩うとき
草憎む 名は知れぬべし 抜き取ると 絹蕊ぬれし 花無垢に咲く
(くさにくむなはしれぬべしぬきとるときぬしべぬれしはなむくにさく)
夏の雑草駆除にも、草はうす紫の可憐な花あり
(2017/9/10)
「際につれ 美しい月」李白作 張りきつい詩句 痛烈に湧き
(きわにつれうつくしいつきりはくさくはりきついしくつうれつにわき)
李白詩『床前に月光を見る、頭を上げては山月を望み、
頭を垂れては故郷を思う』
さっと伸し 当て返す二手 うまく突く 舞うテニス絵か 手足の咄嗟
(さっとのしあてかえすにてうまくつくまうてにすえかてあしのとっさ)
選手権試合~錦織ガンバレ!
誓いなぞ いっさい飽いた 鍍金付き 冷たい愛さ ついぞ無い価値
(ちかいなぞいっさいあいためっきつきつめたいあいさついぞないかち)
フランク・キャプラ監督の映画「ある夜の出来事」
妻帯か 出て歓迎だ 勇魚かな 最大限か 手で解体さ
(さいたいかでてかんげいだいさなかなさいだいげんかてでかいたいさ)
『紀州国鯨獲りの図』より、勇魚=鯨
訪う首脳 強欲と似た間違いが 巷に説く世「烏合の衆!」と
(とうしゅのうごうよくとにたまちがいがちまたにとくようごうのしゅうと)
街頭演説に行ってシュプレヒコールを受け、逆上か
もめるなか 従い難く 良き夫婦? 清く互いが 確かなる眼も
(もめるなかしたがいがたくよきふうふきよくたがいがたしかなるめも)
お互いに視点はしっかりしているよね
(2017/8/29)
浴衣裁ち 変わりないかと運ぶ慰撫 子は都会なり 分かちたい苦よ
(よくいたちかわりないかとはこぶいぶこはとかいなりわかちたいくよ)
社会人一年生の子へ手縫いの品を届ける母
うろこ取り 捌いた魚が匂うよう 鬼顔唄い バサリと古老
(うろことりさばいたうおがにおうようおにがおうたいばさりところう)
釣りたてを船上でサンガ(たたき味噌)にした老漁師
静かかな 野は鉦のしむ鈴生りな 誦す虫の音か 葉のなか数し
(しずかかなのはかねのしむすずなりなずすむしのねかはのなかかずし)
チリチリチリという野辺の虫の音に耳を澄ます頃
訪いたがれ 蛾の苦しい夜 まさに灯に彷徨い著く 逃れ難いと
(といたがれがのくるしいよまさにひにさまよいしるくのがれがたいと)
裸電球にバタバタと翅をうちつける蛾の乱舞
「憩い慣れ きみ来たがりさ」「一緒でしょ、つい去り難き 見切れない恋!」
(いこいなれきみきたがりさいっしょでしょついさりがたきみきれないこい)
ああ言えば、こう言う仲同士
拝み居し 待つなかや醒め 息子の児 澄む目さやかな つましい御顔
(おがみいしまつなかやさめむすこのこすむめさやかなつましいみがお)
高熱が下がりぽっかり目を開けた幼子に
回生と 伝う宗教 なにものも担う郷愁 たっとい聖歌
(かいせいとつたうしゅうきょうなにものもになうきょうしゅう
たっといせいか)
ゴスペルソングの発祥を
盛る愛か? 最低あるわ タイム・カム いたわる相手 諍いあるも
(もるあいかさいていあるわたいむかむいたわるあいていさかいあるも)
しばしば洋画の重要なテーマになっている物
蒸すにつれ 地衣咲ける春 雪山や 消ゆる遙けさ 一列に澄む
(むすにつれちいさけるはるゆきやまやきゆるはるけさいちれつにすむ)
地衣=苔(こけ)の類
恋哀し 顔見たっきり マダム飲む 黙り切った身 おかしな懐古
(こいかなしかおみたっきりまだむのむだまりきったみおかしなかいこ)
仏映画に『かくも長き不在』というのがありました
(2017/8/14)
どっと降る 雪見うる凍て 景色裂き 時化ている海 消ゆるふと都度
(どっとふるゆきみうるいてけしきさきしけているうみきゆるふとつど)
冬期、うねうねと日本海沿いに下る鉄路の車窓風景
冴えがちに 今より秋と 草の実の 放くとき有りよ 毎日が絵さ
(さえがちにいまよりあきとくさのみのさくときありよまいにちがえさ)
草の実の莢がはじけ小さな種の跳びそめる美しさ
叶いたり あと慕わる手 妻や子や 待ってる私 と、ありたい仲
(かないたりあとしたわるてつまやこやまってるわたしとありたいなか)
そういう者にわたしはなりたい
時知るが 夏聞き飽いた 蝉飛ぶと 魅せたい秋来 つながる四季と
(ときしるがなつききあいたせみとぶとみせたいあききつながるしきと)
蝉が妙な軌道からあおむけに落ちて、足もとにもう秋
見た真摯 「今しか無いさ!」威圧満つ 愛妻泣かし 邁進した身
(みたしんしいましかないさいあつみつあいさいなかしまいしんしたみ)
すべきことは為し片時も力を抜かない
詠みナイス 尽きない元さ 流布した詩 『故郷』思いな 生粋な身よ
(よみないすつきないもとさるふしたしふるさともいなきっすいなみよ)
今は小学校4年の音楽教科書にある『故郷』
立つ秋や 画家冴える絵か 極めし眼 沸きかえる画さ 輝き合った
(たつあきやがかさえるえかきわめしめわきかえるえさかがやきあった)
リアリズムの極致~高島野十郎の眼差し
善き訪いか 滋味おがめ奈良 仏頭とつぶらな目顔 みじかい時世
(よきといかじみおがめならぶっとうとつぶらなめがおみじかいときよ)
白鳳美術の遺産~山田寺の仏頭(頭部しか遺っていない)
「差で売るわ!」截つ手に理屈 うまい鯛 舞う造りにて 伝わる腕さ
(さでうるわたつてにりくつうまいたいまうつくりにてつたわるうでさ)
刺身を「お造り」と呼ぶ上方、難波の黒門市場などに歴史
観るなかや 成し得た情緒 舞踏中 跳ぶ少女耐え しなやかなる身
(みるなかやなしえたじょうしょぶとうちゅうとぶしょうじょたえ
しなやかなるみ)
鋼鉄のしなう柔らかさ、フィギュアスケートの演技
(2017/8/12)
月明かり纏う湯の香に憩いたい、恋に彼の夕、泊まりか秋津
(つきあかりまとうゆのかにいこいたいこいにかのゆうとまりかあきつ)
岡山にある別名の温泉がモデルの小説・映画『秋津温泉』
良き雨後の遠いかすかな北風か、滝鳴かす峡、音の豪気よ
(よきうごのとおいかすかなきたかぜかたきなかすかいおとのごうきよ)
山峡にごうごうと響く水音を聞きつつ
火の矢またスターマインか都度飛ぶと「ドッカン、いまー」足す玉屋の灯
(ひのやまたすたーまいんかつどとぶとどっかんいまーたすたまやのひ)
両国の川開きも元々は水難の供養とか
鰹・鯛、鮭・鱚・鰤子さかなの名、笠子リブ好き、けさ炒た乙か
(かつおたいさけきすぶりごさかなのなかさごりぶすきけさいたおつか)
笠子=カサゴ科の海産魚、各地で獲れ体調20センチ、美味
居て軽く笑み慕い合い、何もかも担いあいたし、見えくる家庭
(いてかるくえみしたいあいなにもかもにないあいたしみえくるかてい)
少し希望を言っても構わないよね?
いまや退き憂い能力か、筋書きが、辞す閣僚の言う「気の病!」
(いまやのきういのうりょくかすじがきがじすかくりょうのいうきのやまい)
支持率が急速に低下中
もう秋に香るデイジー名産さ、イメージ出でる丘に来合うも
(もうあきにかおるでいじーめいさんさいめーじいでるおかにきあうも)
小高い丘を埋めつくす香りの名所
菜選るな、得たりと焼けたつまみ滋味、松茸や鶏、妙なる酔いさ
(さいよるなえたりとやけたつまみじみまつたけやとりたえなるよいさ)
松茸は永谷園の即席お吸い物で知るのみ
「かたち見い!」味遺産化す皮も鱧、湧かす関西、慈愛みちた香
(かたちみいあじいさんかすかわもはもわかすかんさいじあいみちたか)
「鱧=はも」は骨切りし、真夏に梅肉でさっぱり戴く
いまや無視、国最悪は数値勝ち、失す博愛さ、憎しむ病
(いまやむしくにさいあくはすうちがちうすはくあいさにくしむやまい)
医療費抑制で、県の子供受診料補助に対し、ペナルティーを課す
彼の燃える猫の目付きさ、遅滞ない質さきつめの、捏ねる獲物か
(かのもえるねこのめつきさちたいないたちさきつめのこねるえものか)
小さな蛇などをくわえ自慢げに見せに来る
(2017/7/17)
好い圧だ ぶっとく噴けり 飯炊けた 湿り気吹くと 粒だつ愛よ
(よいあつだぶっとくふけりめしたけたしめりけふくとつぶだつあいよ)
お米の一粒ずつにありがたみを感じます
数量と 美の天才だ 堪えし棋士 得た第三手 伸び投了す
(すうりょうとびのてんさいだたえしきしえただいさんてのびとうりょうす)
読みは次善・三善どころじゃないそうです
酔い舞える 景春めくと 並木へ来 みなと酌めるは 生ける笑まいよ
(よいまえるけいはるめくとなみきへきみなとくめるはいけるえまいよ)
あっという間に散る桜
診た猫ね 生かした愛さ 一途寝ず 小さいあたし 飼い猫寝た身
(みたねこねいかしたあいさいちずねずちいさいあたしかいねこねたみ)
病む猫に付きっきりの子
決まり得た「咳止めたいな」育児指示 悔いないためと 着せた襟巻
(きまりえたせきとめたいないくじしじくいないためときせたえりまき)
胃が痛し 気は良い娘なり 家出まで鋭利な恋よ、破棄した意外!
(いがいたしきはよいこなりいえでまでえいりなこいよはきしたいがい)
相性というものあり
(2017/7/16)
酔い試し いかすワインさ 以来恋い 礼賛言わす 買い締めたいよ
(よいためしいかすわいんさいらいこいらいさんいわすかいしめたいよ)
大胆に すまなかったと 告ぐ顔か ぐっと立つかな 増す忍耐だ
(だいたんにすまなかったとつぐかおかぐっとたつかなますにんたいだ)
火の利いた 蒸すうまい飯 鮭焼くや けさ指名舞う 澄む大気の日
(ひのきいたむすうまいめしさけやくやけさしめいまうすむたいきのひ)
冴えた誇示 なお辞意ならず 態度など いたずらな意地 同じ答えさ
(さえたこじなおじいならずたいどなどいたずらないじおなじこたえさ)
終う今朝 蒸す熱のあり 太陽よ 伊太利の常 澄む酒うまし
(しまうけさむすねつのありたいようよいたりあのつねすむさけうまし)
「決まったい!」なにかと舅 物まね魔 野茂投手とか 似ない竜巻
(きまったいなにかとしゅうとものまねまのもとうしゅとかにないたつまき)
娘言い 「別れない!」とさ 飲み込む子 身の聡いなれ 可愛い眼澄む
(むすめいいわかれないとさのみこむこみのさといなれかわいいめすむ)
さま謳え「中身立ったり 鯖缶か ばさり断った身 叶えた旨さ」
(さまうたえなかみたったりさばかんかばさりたったみかなえたうまさ)
慕い合う 恋の身軽く 櫛の歯の 敷く黒髪の憩う、会いたし
(したいあうこいのみかろくくしのはのしくくろかみのいこうあいたし)
見し仲や ハモった震え 楽器弾き 番える二つ もはや愛しみ
(みしなかやはもったふるえがっきひきつがえるふたつもはやかなしみ)
弦楽二重奏のひびき
(2017/7/2)
春らしく 音崩したし 木の芽雨 残した雫 遠く知らる葉
(はるらしくおとくずしたしこのめあめのこしたしずくとおくしらるは)
春を告げる雨音
摘み取りし 継ぎ咲く憩い 紫陽花さ 地藍濃い草 ぎっしりと密
(つみとりしつぎさくいこいあじさいさじあいこいくさぎっしりとみつ)
別名「七変化」とも呼ばれる
冷たくし 清かな葉伸び 爽やかや 山葵の花か やさしく溜めつ
(つめたくしさやかなはのびさわやかやわさびのはなかやさしくためつ)
清流に自生し、夏に開花
虫獲った 蜂駆る夏見 卯の花は 濃密なる香 地は貴しむ
(むしとったはちかるなつみうのはなはのうみつなるかちはたっとしむ)
蜂の羽音に花の香のコラボ
霧立って 朝は手で捥ぐ 胡瓜なり 浮雲出ては さあ照ったりき
(きりたってあさはてでもぐきうりなりうきぐもでてはさあてったりき)
ミルク色の濃い霧につつまれる海辺の朝
水澄むや 染む幸はなお 朝顔が さ青な鉢さ 虫止む涼み
(みずすむやしむさちはなおあさがおがさあおなはちさむしやむすずみ)
秋めいて朝夕がひんやりとして来ます
凝る口に いま夏季去らむ 桑の実の 湧く紫か 毎日来る子
(こるくちにいまかきさらむくわのみのわくむらさきかまいにちくるこ)
唇を紫色にして取った甘い実
好くか滋味 菊咲ける見て 鶏頭と 活けてみる今朝 茎短くす
(すくかじみきくさけるみてけいとうといけてみるけさくきみじかくす)
秋冷至り切り花も変化
(2017/6/7)
果敢さに さまよう恋さ マイク抱く いま最高よ まさに讃歌か
(かかんさにさまようこいさまいくだくいまさいこうよまさにさんかか)
航空機事故で恋人を失ったエディットピアフ
歳ゆかし たいてい有るわ 対等と 労わる相手 いたしかゆしと
(としゆかしたいていあるわたいとうといたわるあいていたしかゆしと)
一人じゃ生きてゆけない
嫁きっと 得た妊娠か 思慕親し 母子感心に 耐え十月目よ
(よめきっとえたにんしんかしぼしたしぼしかんしんにたえとつきめよ)
孫中心の生活になっていく姑か
妻と子が 待つ家庭なり 若手とて 変わりない手か 妻が子と待つ
(つまとこがまつかていなりわかてとてかわりないてかつまがことまつ)
若いお父さんの頑張り
烏賊うごく 嚙みしめたいさ 酒注ぎつ けさ咲いた飯 味覚豪快
(いかうごくかみしめたいささけつぎつけささいためしみかくごうかい)
函館の宿、朝獲りイカのソーメン
マネ大家 「どなたが好く?」と 見返る絵 髪梳く姿など描いた寝間
(まねたいかどなたがすくとみかえるえかみとくすがたなどかいたねま)
筆達者な印象派の画家、『草上の食事』『オランピア』など
(2017/6/6)
季初断つが、納豆口に今親し、毎日食うと繋がった暑気
(きしょたつがなっとうくちにいましたしまいにちくうとつながったしょき)
夏場の食欲減退にも良し
雪睨む、さくら開花す具す春は、すぐスカイから草むらに消ゆ
(ゆきにらむさくらかいかすぐすはるはすぐすかいからくさむらにきゆ)
つもらない春の雪
さっと又舞い戻れない外野手や、意外なれども今、球咄嗟
(さっとまたまいもどれないがいやしゅやいがいなれどもいまたまとっさ)
ファインプレー
確かみな気の好い娘ならぶつかるか、円らな恋よ、のきなみ嫁した
(たしかみなきのよいこならぶつかるかつぶらなこいよのきなみかした)
恋は事故みたいなもの
我が苦とも、子女みな臣だ戊辰戦、思慕男子なみ女子も徳川
(わがくともしじょみなしんだぼしんせんしぼだんしなみじょしもとくがわ)
東北会津藩の壮烈な戦い
「グッド!」今ときめかした手抱きしめし、気立て確かめ、
帰途「マイ・ドッグ!」
(ぐっどいまときめかしたてだきしめしきだてたしかめきとまいどっぐ)
ペットを飼う
大胆か、来て砕く難「回頭!」と、遺憾なく抱く敵艦隊だ
(だいたんかきてくだくなんかいとうといかんなくだくてきかんたいだ)
日本海海戦、バルチック艦隊に対しT字戦法
遠退きつ月静けさに澄む山や、蒸すに鮭鮨、啄木鳥の音
(とおのきつつきしずけさにすむやまやむすにさけずしきつつきのおと)
落語の三題ばなし風
(2017/5/21)
那珂湊、バサリよ割いた海産さ、烏賊・鯛・細魚、鯖と波かな
(なかみなとばさりよさいたかいさんさいかたいさよりさばとなみかな)
茨城県の東部、漁獲高で有名な町。細魚=さより
いま歌い「大好き!」と言うニコリ振り、子に愛いとキス、抱いた「上手い!」
(いまうたいだいすきというにこりぶりこにういときすいだいたうまい)
『牧場の朝』なんてのを子供が歌ってくれる
唐突だ、逃げ出したいと険しむし、訳説いた氏だ、実に脱党と
(とうとつだにげだしたいとけわしむしわけといたしだげにだっとうと)
都議選を直前に離党=脱党のドミノ止まず
良き点て、暮らした相手、労わるわ、大抵あたし楽天的よ
(よきてんてくらしたあいていたわるわたいていあたしらくてんてきよ)
つまり女性はだれも慈母観音か?
わたしにか? 優しいあなた倹しいし、待ったな愛し、清かにしたわ
(わたしにかやさしいあなたつましいしまったなあいしさやかにしたわ)
男は優しくなければ生きて行く資格もない
妻を無視!「泣かなかったわ怒り切り、会話断つかな、悲しむを待つ」
(つまをむしなかなかったわいかりきりかいわたつかなかなしむをまつ)
もしや手痛い覚えがありませんか?
抱いていた愛しい声さ、遠く着く、音さえ恋し、訪いたい体だ
(だいていたいとしいこえさとおくつくおとさえこいしといたいていだ)
単身赴任の週末に妻からくる電話に
妻初と今朝なかなかさ六日目か、忌む魚かな、「鮭!」と言う、待つ
(つまういとけさなかなかさむいかめかいむさかなかなさけというまつ)
新婚時代、同じ物ばかり食わされたっけ
(2017/5/20)
贋作や、画家なした絵かリスク無く、すり替えた品『輝く山河』
(がんさくやがかなしたえかりすくなくすりかえたしなかがやくさんが)
美術館の名品がいつの間にか?
三泊だ、たいてい真似た日曜よ、地に種蒔いて頂くパンさ
(さんぱくだたいていまねたにちようよちにたねまいていただくぱんさ)
農村宿泊体験の仕上げに
白根澄む、かなり丘の湯草津見つ、咲く湯の香り、なか蒸す音らし
(しらねすむかなりおかのゆくさつみつさくゆのかおりなかむすねらし)
白根山の東麓にある名泉、ゴボゴボ湧き出す湯量がものすごい
もめるなか従い難く、良い夫婦、意欲たがいが確かなる眼も
(もめるなかしたがいがたくよいふうふいよくたがいがたしかなるめも)
お互いの意見がぶつかり合うんだ
遠見なす海岸ホテル、絵葉書が、映える手本がいかす浪おと
(とおみなすかいがんほてるえはがきがはえるてほんがいかすなみおと)
熱された白砂に青い波のかえす浜
浴衣裁ち、変わりないかと運ぶ慰撫、子は都会なり、分かちたい苦よ
(よくいたちかわりないかとはこぶいぶこはとかいなりわかちたいくよ)
春に社会人となった子をやがて訪う親心
且つ祈り、四人相手か妻と子と待つ家庭あり、頼りの一家
(かついのりよたりあいてかつまとことまつかていありたよりのいっか)
皆が無事でありますように
山間に、来てわたしもう六年ね、苦労もしたわ、適任感さ
(さんかんにきてわたしもうろくねんねくろうもしたわてきにんかんさ)
3名しか居ない学年もあるけど、みんな元気
(2017/5/7)
密な葉が並木と草に香る春、丘に咲くとき、皆が花摘み
(みつなはがなみきとくさにかおるはるおかにさくときみながはなつみ)
若葉が陽に映える春本番
照ったかに熱徹ったりギターショー、滾り立つ音、つねに語って
(てったかにねつとおったりぎたーしょーたぎりたつおとつねにかたって)
名手の手になる音楽
汁の実に、また良き安価いかす茄子、快感秋よ、玉に実るし
(しるのみにまたよきあんかいかすなすかいかんあきよたまにみのるし)
味噌汁の具にぴったり
唐突な妻さ、明るく「月曜よ!」告げ来るか朝、待つ納豆と
(とうとつなつまさあかるくげつようよつげくるかあさまつなっとうと)
30回かき混ぜるんだって
銛立てた、皆追うにつれ美しく痛烈に魚、浪立てたりも
(もりたてたみなおうにつれうつくしくつうれつにうおなみたてたりも)
勇魚=鯨獲りの図
破壊せる、つましい鐘の淋しくしミサの音開始、まつる聖歌は
(はかいせるつましいかねのさみしくしみさのねかいしまつるせいかは)
戦禍は所選ばず
(2017/5/6)
酔うとつい 酌むがしあわせ 意欲湧く 良い世話、足が 向く一燈よ
(ようとついくむがしあわせいよくわくよいせわあしがむくいっとうよ)
燗空いた 愛しく確か 一等と 追加した串 訪いたい安価
(かんあいたいとしくたしかいっとうとついかしたくしといたいあんか)
とり愛し また一燈よ まさに灯に 彷徨うとつい 魂有りと
(とりあいしまたいっとうよまさにひにさまようとついたましいありと)
慈愛足し 合点ナイス 焼鳥と 来やすいなんて 継がしたい味
(じあいたしがってんないすやきとりときやすいなんてつがしたいあじ)
仙台市在住の旧友が、暖簾文字の気に入った焼鳥店『一燈』
一夜酌み交わす約束が、まだ果たせず。まだ見ぬ店を回文に!
(2017/5/1)
城来ずさ 土佐脱藩は 無意味と見 忌む反発だ 諭さず殺し
(しろこずさとさだっぱんはむいみとみいむはんぱつださとさずころし)
坂本竜馬と中岡慎太郎両名の暗殺は、誰の指図か?
決断の 罰とか無いか びくつきつ 首か否かと 唾飲んだっけ
(けつだんのばつとかないかびくつきつくびかいなかとつばのんだっけ)
ゆるい発言で反発を食らった某復興担当大臣
金言さ 「明るいみんな 動かすか 剛軟見入る 母さん元気!」
(きんげんさあかるいみんなうごかすかごうなんみいるかあさんげんき)
剛軟は造語です
酔い舞える 景春めくと 並木へ来 皆と酌めるは 生ける笑まいよ
(よいまえるけいはるめくとなみきへきみなとくめるはいけるえまいよ)
花見の楽しみ
良い圧だ ぶっとく噴けり 飯炊けた 湿り気吹くと 粒立つ愛よ
(よいあつだぶっとくふけりめしたけたしめりけふくとつぶだつあいよ)
湯気噴くうまいご飯が炊けた眺めは
春立つと 煮て来い好きか 公魚さ 川か汽水湖 手に獲ったるは
(はるたつとにてこいすきかわかさぎさかわかきすいこてにとったるは)
公魚・鰙・若鷺など=わかさぎ
魚の身 沸き立つも濃い あじ幽か 慈愛籠った 極みの中さ
(さかなのみわきたつもこいあじかすかじあいこもったきわみのなかさ)
肉よりもだんだん煮魚の滋味を好む年齢か
良く鳴くし 誦す虫のたつ 秋風か 気圧楽しむ 涼しく鳴く夜
(よくなくしずすむしのたつあきかぜかきあつたのしむすずしくなくよ)
誦す=お経を読む如く鳴く虫の音に
熱し良く 畜類利用 京都へと 右京より入る 駆逐義経
(ねっしよくちくるいりようきょうとへとうきょうよりいるくちくよしつね)
兄頼朝の悪夢、弟の策略に京を奪われる
慈愛なら 若い母さん 祝いたい ワインさ赤い 変わらない味
(じあいならわかいかあさんいわいたいわいんさあかいかわらないあじ)
なんだかCMみたい
(2017/4/16)
トンカツ屋、毎金通う美味しいし、言おうよ歓喜「今や着かんと!」
(とんかつやまいきんかようおいしいしいおうよかんきいまやつかんと)
週末にだけ行く顔見知りの店あり
断定さ、食い損なうよ美味いパイ、舞うようなこそ行く祭典だ!
(だんていさくいそこなうようまいぱいまうようなこそいくさいてんだ)
地域起こしの国際交流祭り
「匙有る?」と、身の予後待たるお粥煮ゆ、香る玉子よ、飲み取る味さ
(さじあるとみのよごまたるおかゆにゆかおるたまごよのみとるあじさ)
予後=病後の回復期にスプーン
喜ぶといま皆は来て、曇る春、もくてき花見、舞い飛ぶ頃よ
(よろこぶといまみなはきてくもるはるもくてきはなみまいとぶころよ)
花曇りに舞う落花うつくしき
妻軽く手で磨いた飯、味覚良く嚙みしめたいと、出てくるか待つ
(つまかるくてでといためしみかくよくかみしめたいとでてくるかまつ)
食べ物はちょっとしたコツあり
見た目濃い味いざグルメ、炊いてさて炒める具材、慈愛込めた身
(みためこいあじいざぐるめたいてさていためるぐざいじあいこめたみ)
料理に凝ったら大変!
(2017/4/2)
彼の借家、手丹精好き華やぐや名は黄水仙、立役者の香
(かのしゃくやてたんせいずきはなやぐやなはきずいせんたてやくしゃのか)
小さな庭でも春に黄水仙が匂い立つ
三回目、黒澄ます髪、霧の夜の力み霞ます鹿鳴館さ
(さんかいめくろすますかみきりのよのりきみかすますろくめいかんさ)
コンドル設計の洋館、パーティー出席に華族の婦人
魅せ分かる、重ねた進化うつくしく痛感したね、離る翡翠
(みせわかるかさねたしんかうつくしくつうかんしたねさかるかわせみ)
飛び去る瞬間に輝くカワセミの瑠璃色
見た支度、神々も発つ祭りなり、詰まった籾が味覚足した実
(みたしたくかみがみもたつまつりなりつまったもみがみかくたしたみ)
稲の収穫に感謝、田を守ってくれた神を山へ送る里祭り
齢占め、飼い猫居るわ咳く風邪か癖わるい子ね、厳めしいわよ
(よわいしめかいねこいるわせくかぜかくせわるいこねいかめしいわよ)
年寄り猫で威厳があるのとご自慢
賭す回だ、指名代打か通知待ち、打つ課題大「飯代課す!」と
(とすかいだしめいだいだかつうちまちうつかだいだいめしだいかすと)
開幕シーズン到来、先ずここで頑張らにゃ
(2017/3/18)
沸いた気だ、太閤「もしも力なら勝ちもし、蒙古いただきたいわ!」
(わいたきだたいこうもしもちからならかちもしもうこいただきたいわ)
文禄・慶長の役はやや誇大妄想か?1536~1598年没
「一回も欠かさず鍛え独眼が、九度得た傷さ」呵々も厳つい
(いっかいもかかさずきたえどくがんがくどえたきずさかかもいかつい)
仙台62万石の祖、独眼竜伊達政宗、今年は生誕450年
師宣う「濃い春景色、桜から草木繁るは、憩う間楽し」
(しのたまうこいはるげしきさくらからくさきしげるはいこうまたのし)
論語調ですね
固雪か、澄む凍ては能登、波の間の港の波堤、生す牡蠣ゆたか
(かたゆきかすむいてはのとなみのまのみなとのはていむすかきゆたか)
冬の日本海側は魚介が豊富
三線で掻いていた唄、島からか増した歌い手、以下伝心さ
(さんしんでかいていたうたしまからかましたうたいていかでんしんさ)
沖縄独特の音階と唄と三線とカチャーシー
得難しか、つい讃辞かな眩暈無い、まめな家人さ一家従え
(えがたしかついさんじかなめまいないまめなかじんさいっかしたがえ)
くるくると家事にいそしんでいる姿を
昼前か、住む庵になお茄子焼くや、素直な匂い蒸す夏季去る日
(ひるさきかすむいおになおなすやくやすなおなにおいむすかきさるひ)
「市中はものの匂いや夏の月」去来の句だったか?
(2017/3/4)
仔馬って、「つい跳ねたいな!」鳴いた又、いなないた音は一徹舞う仔
(こうまってついはねたいなないたまたいなないたねはいってつまうこ)
サラブレッド飼育専門の牧場にて
花見時季、仕事しか無い苦闘中、得意な菓子と『五色』滋味な葉
(はなみじきしごとしかないくとうちゅうとくいなかしとごしきじみなは)
商売繁盛、銘菓「五色葉」
電子足し、波立つ活気ビジネスね、字引使ったみな親しんで
(でんしたしなみたつかっきびじねすねじびきつかったみなしたしんで)
IT時代の辞書、写真も音も出て大人気
春日行、四方紅葉から区域じき幾らか地味も、模様焦がすか
(かすがこうよももみじからくいきじきいくらかじみももようこがすか)
奈良春日の森も晩秋へ移るころ
立つ影や観てシネマ館、祝いたいワインか真似し、手みやげ買った
(たつかげやみてしねまかんいわいたいわいんかまねしてみやげかった)
「ニューシネマパラダイス」って映画がありましたね
泣かすんだ美味いワインさ赤注ぎつ、母さん祝い舞うダンスかな
(なかすんだうまいわいんさあかつぎつかあさんいわいまうだんすかな)
これもイタリア映画、題名失念
(かみやんさんの作品)【かみやんさんのページ】
(2017/2/19)
父さんコンサート
(とーさんこんさーと)
おじさん音楽愛好家、ステージに立つ姿
ね! いい! 若い! 可愛いね!!
(ねいいわかいかわいいね)
若い女性へ送りたい回文
来て!水仙、端整 素敵!
(きてすいせんたんせいすてき)
素敵な水仙 見つけ
ニンジン煮 今うまい。 野菜若い可愛さや。 今うまい ニンジン煮
(にんじんにいまうまいやさいわかいかわいさやいまうまいにんじんに)
畑で間引いた小さなニンジン、煮て食べました
(スリッパさんの作品)
(2017/2/18)
鹿類の、また低価立つ片肉に、集った買い手、弾の入る下肢
(しかるいのまたていかたつかたにくにたかったかいてたまのいるかし)
異国の市場にて
来て住まい、ちと遠い旅、なまり有り、学びたい音、土地いま素敵
(きてすまいちととおいたびなまりありまなびたいおととちいますてき)
住めば都といいますね
最高よ、伊太利も酒、憩い合い、恋けさも有り、太陽濃い差
(さいこうよいたりあもさけいこいあいこいけさもありたいようこいさ)
子供も水代わりにワイン飲む国
月に舞う、古酒飲ましたし故郷さ、流布した島の、酒肴、間に来つ
(つきにまうこしゅのましたしふるさとさるふしたしまのしゅこうまにきつ)
泡盛の古酒=クースーに、足ティビチが合う
汽車換えか、冷気去る駅、朝靄も、さあ消える先、入れ替え貨車来
(きしゃかえかれいきさるえきあさもやもさあきえるさきいれかえかしゃき)
早朝、引き込み線で汽笛を合図の作業を見る
まん丸い、手で見るお燗、まろやかや、ロマン香る身、出ているまんま
(まんまるいてでみるおかんまろやかやろまんかおるみでているまんま)
カウンター7席の小さな店、お馴染みばかり
(2017/2/7)
軍鍛え、発つ信玄だ、力から勝ち断言し、伝えたキング
(ぐんきたえたつしんげんだちからからかちだんげんしつたえたきんぐ)
風林火山、上洛の途次に病没1573年
見た知った、魑魅魍魎と信長な、武の統領も、道達した身
(みたしったちみもうりょうとのぶながなぶのとうりょうもみちたっしたみ)
「天下布武」達成寸前、本能寺に自刃1582年
斬るなかや、義に親しんだ家康や、英断したし、賑やかなる気
(きるなかやぎにしたしんだいえやすやえいだんしたしにぎやかなるき)
ジャパン・ファーストの徳川幕府創始者1616没
デマ飛ばす、策いじり無理、末路見ろ、つまり無理強い、腐す場と迄
(でまとばすさくいじりむりまつろみろつまりむりじいくさすばとまで)
ツイッターで何でも腐すプレジデント2017年誕生
関税の、差も怒り無理「待った!」した、つまり無理解、猛者の以前か?
(かんぜいのさもいかりむりまったしたつまりむりかいもさのいぜんか)
あのTPPはどこ行っちゃったのかな?と某総理
マスコミは、「憂い!」とし何故か予想もう「そよ風無し」と、言うは見越す魔
(ますこみはういとしなぜかよそうもうそよかぜなしというはみこすま)
トランプ大魔王の発言に、米マスコミ戦々恐々
(2017/1/28)
村静か、組む用意問う干柿が四方と言うよ、剥く数知らむ
(むらしずかくむよういとうほしがきがしほうというよむくかずしらむ)
渋柿が粉を吹いて甘くなる不思議
香伸ばそう、吹く大気の美さわやかや、山葵の利いた工夫そばの香
(かのばそうふくたいきのびさわやかかやわさびのきいたくふうそばのか)
「蕎麦はまだ花でもてなす山路かな」芭蕉
春めくと幹みな拝し待つ開花、つましい花見きみと酌めるは
(はるめくとみきみなはいしまつかいかつましいはなみきみとくめるは)
「咲き満ちてこぼるる花もなかりけり」高浜虚子
めちゃならず、たいてい愛す焼き餅も気安い相手、いたずらな茶目
(めちゃならずたいていあいすやきもちもきやすいあいていたずらなちゃめ)
「抱いた子でかわいい人をぶってみせ」江戸川柳
代価無し、攻め決断もチャイナかな、いちゃもんだっけ「召せシナ海だ!」
(だいかなしせめけつだんもちゃいなかないちゃもんだっけめせしなかいだ)
領海の拡大解釈が得意な国あり
要領研いだ、舞い立つだけか月並な切っ掛けだった、いま大統領よ
(ようりょうといだまいたつだけかつきなみなきっかけだったいまだいとうりょうよ)
ツイッターの名人か、宣誓式
(2017/1/20)
汽車の消ゆ、むかし録ったが遠い狭、音が尊し咬む雪の斜暉
(きしゃのきゆむかしとったがとおいかいおとがたっとしかむゆきのしゃき)
SLの録り鉄あり。斜暉=斜めに射す落日
「立つアジア!」歴史観から女史説くと、子女ら感化し、切れ味あった
(たつあじあれきしかんからじょしとくとしじょらかんかしきれあじあった)
ミャンマーのアウンサン・スーチー女史
見舞うため、固粥蓋し牡蠣焼くや利かした冬が、高めた旨み
(みまうためかたがゆふたしかきやくやきかしたふゆがたかめたうまみ)
海幸の炊き込み飯を頂く
語偉大なマエストロかな、利発満つ「張り、無かろ!」とす、笑まない第五
(ごいだいなまえすとろかなりはつみつはりなかろとすえまないだいご)
カラヤン指揮、交響曲第五番「運命」リハーサル風景
去る疾風、島遠く能登、澄み切る気、ミスト退く音増してや春さ
(さるはやてしまとおくのとすみきるきみすとのくおとましてやはるさ)
まだ風雪に煙る越前の海辺
(2017/1/7)
突き効く、音良きなかや年の夜の淑やかな気よ、遠く聞きつつ
(つつききくおとよきなかやとしのよのしとやかなきよとおくききつつ)
年の夜=除夜
大戦果、すぐ祝盃な駅伝で消えない拍手、具す歓声だ
(だいせんかすぐしゅくはいなえきでんできえないはくしゅぐすかんせいだ)
正月2日3日恒例の箱根往復
見うる春、雪の遠のく函館だ、琥珀の音の消ゆる春海
(みうるはるゆきのとおのくはこだてだこはくのおとのきゆるはるうみ)
津軽海峡の浪音も静まり
良い左脳澄むアマデウス苦境中、曲数でまあ! 無数の才よ
(よいさのうすむあまでうすくきょうちゅうきょくすうでまあむすうのさいよ)
ウォルフガング・A・モーツァルト1791年35歳で逝去
かがやく眼、厄介な手で気迫ずく覇気出てないか? 艶めくや画家
(かがやくめやっかいなてできはくずくはきでてないかつやめくやがか)
オーギュスト・ルノワール、晩年はリューマチの手に筆を縛って描いた
余命無く、ソフトなタッチ画伯描く「葉が散ったな!」と不足ない眼よ
(よめいなくそふとなたっちがはくかくはがちったなとふそくないめよ)
O・ヘンリー短編「最後の一葉」より
(2016/12/30)
来た指令、固定観為し、なみだ無駄「皆死なんかい!」梃入れした気
(きたしれいこていかんなしなみだむだみなしなんかいてこいれしたき)
戦争末期大本営より南方の孤島へ死守・玉砕命令
見た死闘、灯火管制おと立てた遠い戦禍か、うとうとした身
(みたしとうとうかかんせいおとたてたとおいせんかかうとうとしたみ)
S20年マリアナ基地よりB29の日本本土爆撃開始
ちまた敷く大空襲よ、まさに火にさまよう衆苦、いだく下町
(ちまたしくだいくうしゅうよまさにひにさまようしゅうくいだくしたまち)
同上3月初旬、東京下町へ夜間無差別大空襲
感性は「死も辞さない!」と言う、しかし憂い問い為さじ「もし敗戦か?」
(かんせいはしもじさないというしかしういといなさじもしはいせんか)
軍国教育により昂っていた人々の心情
皆は知れ、不安掻き立て妻も子も待ってた帰還、あふれし花見
(みなはしれふあんかきたてつまもこもまってたきかんあふれしはなみ)
S22年上野公園の春景色、ゲートル姿も写る
活かせ材、「狭い島だ」とまやかすか、大和だましい増せ、いざ世界!
(いかせざいせまいしまだとまやかすかやまとだましいませいざせかい)
約十年で焦土の中から立ち上がった国民性
(2016/12/11)
レアに得し古都正倉の区画よく、格納叢書、常しえにあれ!
(れあにえしことしょうそうのくかくよくかくのうそうしょとこしえにあれ)
火災をまぬがれ唯一現存の正倉である奈良東大寺の正倉院
見た詩歌「行って来なさい、若い兵」可愛さ泣きて追懐した身
(みたしいかいってきなさいわかいへいかわいさなきてついかいしたみ)
万葉集・防人を恋うる母の歌
居悲しむ、唐とおい国みな死にし、浪にくい音うとむシナ海
(いかなしむとうとおいくにみなしにしなみにくいおとうとむしなかい)
遣唐使船は冬季北西風の帰路が鬼門で破船・行方不明多し
城は二里、杜甫の「春望」素質満つ、詩藻・凡手のほとりに遥し
(しろはにりとほのしゅんぼうそしつみつしそうぼんしゅのほとりにはろし)
「国破れて山河あり城春にして草木深し」唐の彼も奈良期に生きた
臭う滓、黄泉の国より嗅いだのだ、怒りよ肉の身寄り追う鬼
(におうおりよみのくによりかいだのだいかりよにくのみよりおうおに)
亡妻の遺骸に呪われて逃げ越える「よもつひらさか」古事記
おがめ奈良、仏灯ともし確かな香、親しも尊つぶらな目顔
(おがめならぶっとうともしたしかなかしたしもとうとつぶらなめがお)
芭蕉最後の旅「菊の香や奈良にはふるき仏たち」
(2016/11/27)
懐古奈良、仏像と来た出入りあり、出でたき唐ぞ、つぶらな恋か
(かいこならぶつぞうときたでいりありいでたきとうぞつぶらなこいか)
鑑真和上、何度も困苦の末735年に来朝、井上靖「天平の甍」にあり
示威経るや見よ奈良大火、治承中「諸寺欠いたらな!」読みやる平氏
(じいへるやみよならたいかじしょうちゅうしょじかいたらなよみやるへいじ)
1180年に平家による南都の東大寺・興福寺焼き討ち
強いたのか斑鳩の塔、反り見る身、理想と逃がる階下の太子
(しいたのかいかるがのとうそりみるみりそうとのがるかいかのたいし)
607年創建の法隆寺。政変の中、彼はその高い塔を見たか?
冴えし古都、清らな目顔つぶ選りよ、仏おがめ奈良、よき永久さ
(さえしこときよらなめがおつぶよりよぶつおがめならよきとこしえさ)
7世紀の白鳳美術の粋・仏像が昨日のように残っている
見た真価、美しい奈良、若葉せば変わらない詩句、痛感した身
(みたしんかうつくしいならわかばせばかわらないしくつうかんしたみ)
「青丹よし奈良の都は咲く花の匂う~」の万葉歌を思わせる古都
(2016/11/21)
世のためと示唆だ撤回、「語少なく凄い勝手だ、差し止めたのよ!」
(よのためとしさだてっかいごすくなくすごいかってださしとめたのよ)
為政者がマスコミにそれとなく自粛させるムードあり
「ネタ見ろい、お買い得!」とか一個二個追加とくどい、顔色見たね?
(ねたみろいおかいどくとかいっこにこついかとくどいかおいろみたね)
ラジオショッピング商法
待ったした「結婚記念、解約や」、「遺憾ね、禁固!」付け足した妻
(まったしたけっこんきねんかいやくやいかんねきんこつけたしたつま)
記念日の食事予約忘れてた
きつく酔い「聖誕祭?」とつぶやくや、ぶっといサンタ威勢よく着き
(きつくよいせいたんさいとつぶやくやぶっといさんたいせいよくつき)
あのディズニー映画みたい
春なりき土筆がひかり、早き月やはりか東くっきり成るは
(はるなりきつくしがひかりはやきつきやはりかひがしくっきりなるは)
与謝蕪村「菜の花や月は東に日は西に」
世の中や子に瞬いて笑みは母、見えていた珠にこやかなのよ
(よのなかやこにまたたいてえみはははみえていたたまにこやかなのよ)
母親の笑みに勝るもの無し
むせぶ子ら勝ち越し決めて威圧満つ、相手メキシコ、ちから鼓舞せむ
(むせぶこらかちこしきめていあつみつあいてめきしこちからこぶせむ)
少年も海外での親善試合が増えました
「応え見て、抱きしめたいわ」勇み気味、さいわい試し気立て見えた仔
(こたえみてだきしめたいわいさみぎみさいわいためしきだてみえたこ)
仔犬、ペットセラピーばやり
(2016/11/3)
私にか? 煎れたて番茶あかんねん、かあちゃんばてた冷菓にしたわ
(わたしにかいれたてばんちゃあかんねんかあちゃんばてたれいかにしたわ)
冷菓=シャーベットなど
嫁の泣く野暮な関係、五つ六つ、つい意見かな「ぼやくな、呑めよ!」
(よめのなくやぼなかんけいいつつむつついいけんかなぼやくなのめよ)
男同士さ
清らかや草枯らすやに看取りけり、頓に安らか昨夜から予期
(きよらかやくさからすやにみとりけりとみにやすらかさくやからよき)
伴侶の最期に付き添う
「訪いますわ」逢いたい想い言えど都度、「鋭意も老いた、居合わすまい」と
(といますわあいたいおもいいえどつどえいいもおいたいあわすまいと)
もう誰にも会いたくないの?
深い皴たしかに泣いた追悔か、いったい何か? 慕わしい寡婦
(ふかいしわたしかにないたついかいかいったいなにかしたわしいかふ)
昔の老女優に似た人
誰が好いた? 着の身着のまま、のそり振りそのままの君、退きたい姿!
(たがすいたきのみきのままのそりぶりそのままのきみのきたいすがた)
拝啓、家でのんびりしている古女房殿
瑣末知り、若く知る悔い多少言う「所帯苦しく、変わりし妻さ」
(さまつしりわかくしるくいたしょういうしょたいくるしくかわりしつまさ)
実質実入りが減るばかりの時世
(2016/10/19)
名は好かめ、合意三党どっちみち集う豚才、うごめかす鼻
(なはすかめごういさんとうどっちみちつどうとんさいうごめかすはな)
自民・公明・民主による消費増税法案の弊害、いまだに大
うとい背中、生き恥さらす議員さん、意義すら瑣事は、奇異な政党
(うといせないきはじさらすぎいんさんいぎすらさじはきいなせいとう)
理念無く離合集散し、新党立ち上げの繰り返し
威喝濃きご質問あれ、解散さ!イカレ案持つ、しごき国会
(いかつこきごしつもんあれかいさんさいかれあんもつしごきこっかい)
TPP法案持ち出して、反対なら、総理専権事項発動だ
憂い投書「基地返還は企てだ!」沸く反感へ、ちきしょうと言う
(ういとうしょきちへんかんはくわだてだわくはんかんへちきしょうという)
現地感情無視、政府は粛々とすすめたい普天間移設
よく聞くと口惜しい話、顔立てたおかしな廃止、役得利く世
(よくきくとくやしいはなしかおたてたおかしなはいしやくとくきくよ)
豊洲の盛り土問題も根っこはこの辺か?
祈祷・加持、治らないかと死も辞さじ、もし都会なら同じか?疎き
(きとうかじなおらないかとしもじさじもしとかいならおなじかうとき)
高齢と過疎による無医村化は近々の図
酔った傷かさねる数多、来し方か、しこたまあるね、盃絶つ夜
(よったきずかさねるあまたこしかたかしこたまあるねさかずきたつよ)
結句、一晩の断酒という事かな
蒸すという酒母搔いたりも真水まず見守りたいか、暮秋いと澄む
(むすというしゅぼかいたりもまみずまずみまもりたいかぼしゅういとすむ)
銘酒どころに名水あり
絶えないし、また謝辞いたし誤報道、保護したい自社、魂萎えた?
(たえないしまたしゃじいたしごほうどうほごしたいじしゃたましいなえた)
全国紙A新聞が犯した罪の数々
消える汝、可愛さ泣きて付いて来て、「行ってきなさい」別れなる駅
(きえるなれかわいさなきてついてきていってきなさいわかれなるえき)
万葉集にも子と別れ難い歌あり
(2016/10/9)
いじるなり、しゃがみたいのかツイストす、何時かの痛み 「ガシャリ!」鳴る爺
(いじるなりしゃがみたいのかついすとすいつかのいたみがしゃりなるじい)
腰の古傷がギクッと刺すのよね
「男子老い、永眠したか!」 愛しくし、訪いかた親身、遺影惜しんだ
(だんしおいえいみんしたかいとしくしといかたしんみいえいおしんだ)
旧知の方が先立ってしまう近頃
気だるい手、リタイアした身、言おうもう
「老い満たしあい、足りているだけ!」
(けだるいてりたいあしたみいおうもうおいみたしあいたりているだけ)
お互いに「吾唯足知」ですか
火の粉とぶ、鵜匠の痩せ身、爺さまさ
「意地見せやのう、勝負!」と、この日
(ひのことぶうしょうのやせみじいさまさいじみせやのうしょうぶとこのひ)
伝統文化も後継者不足、近時唯一、女性の鵜匠が誕生
「妻無いか?」 淋しい相手いたく好く、たいてい愛し、見境ないさ
(さいないかさみしいあいていたくすくたいていあいしみさかいないさ)
資産家の独居老人は、偽装婚による故殺に注意!
いかん老い、落とした入れ歯たまりけり、また馬齢足し、遠い音階
(いかんおいおとしたいればたまりけりまたばれいたしとおいおんかい)
難聴は進むし、物忘れは増すし
かなう吾が、理想の相手いたわるわ、「大抵、あのう、反りが合う仲」
(かなうあがりそうのあいていたわるわたいていあのうそりがあうなか)
「吾が」を「あが」と、いにしえ的に
寄らば気さ、一、二い、三、四、倹しくし待つ新妻に、小さき薔薇よ
(よらばきさいちにいさんしつましくしまつしんさいにちいさきばらよ)
花を買って帰宅した日
彼、わたし、タフで居たいさ意欲づく、善い妻帯で、蓋した割れか!
(かれわたしたふでいたいさいよくづくよいさいたいでふたしたわれか)
とじ蓋を自任中
憩う雨、語れない眼に、組む手と手、向く二名なれ、高めあう恋
(いこうあめかたれないめにくむてとてむくにめいなれたかめあうこい)
ふたりとも若かったね
予期ありき、冷たいあなた、ついに眼に、言ったな「飽いた、めっきり秋よ」
(よきありきつめたいあなたついにめにいったなあいためっきりあきよ)
恋人からの目線を避けてしまう頃
(2016/9/24)
避けず強いるか雨台風、ごうごう吹いた目、明るい静けさ
(さけずしいるかあめたいふうごうごうふいためあかるいしずけさ)
近頃やたらと上陸してくる
読みとるたび、サンマ失す影か数万、寂びたる富よ
(よみとるたびさんまうすかげかすうまんさびたるとみよ)
魚探でいくら探しても今年の秋刀魚は不漁ぎみとか
「遣るな!」、にこりと旨煮に舞う、虜になるや?
(やるなにこりとうまににまうとりこになるや)
惣菜屋にもシェフあり
病む子規の、得た柳葉魚を模写した絵の、軋むや?
(やむしきのえたししゃもをもしゃしたえのきしむや)
柳葉魚=シシャモ。松山市立子規記念館にて
寄る炭の燃え、熱燗でおでん、且つ和え物魅する夜
(よるすみのもえあつかんでおでんかつあえものみするよ)
燗酒とおでんが恋しくなりつつ
子は大寒かみしめつつ、詰めし蜜柑、嗅いだ箱
(こはだいかんかみしめつつつめしみかんかいだはこ)
かつては木製の蜜柑箱
泣いたミス、やり合うと疲れ、葛藤あり、やすみたいな
(ないたみすやりあうとつかれかっとうありやすみたいな)
誰のせいでもない事ってある
得た伝統、長距離が夏できつかったが、立つ活気でつながり、
協調富んで耐え
(えたでんとうちょうきょりがなつできつかったがたつかっきでつながり
きょうちょうとんでたえ)
リオ五輪、いまやパラリンピックが話題
訪う郷土、勝つ選手に九分ふぶくに春雪か、同郷!と
(とうきょうどかつせんしゅにくぶふぶくにしゅんせつかどうきょうと)
表敬訪問を歓迎
「よく聞きたいか、どんな人生?」と、疎い戦時、
「何度か居た危機、苦よ!」
(よくききたいかどんなじんせいとうといせんじなんどかいたききくよ)
生き延びるということ
(2016/9/11)
凍て方しごく最悪、無関心か向く愛? 錯誤した家庭
(いてかたしごくさいあくむかんしんかむくあいさくごしたかてい)
子の苦楽変化を面倒がる親あり
理不尽な味、阿片戦経て変遷へ、アジアなんじ不利
(りふじんなあじあへんせんへてへんせんへあじあなんじふり)
1842年、敗れた清国が香港を英国へ割譲し、鎖国日本に激震走る
涸れず、遠くいにしえから尊し、年取ったら、返しに行く訪れか
(かれずとおくいにしえからたっとしとしとったらかえしにいくおとずれか)
命は一時の預かりもの
なか粘るが、納豆ゆうゆうと繋がるバネかな
(なかねばるがなっとうゆうゆうとつながるばねかな)
醤油をさす前に30回かき回す友あり
もう猛暑、使い急いて蚊取と家庭生活、消耗も
(もうもうしょつかいせいてかとりとかていせいかつしょうもうも)
エアコンを厭い、蚊取線香で対処
塩と酢でしめたイワシ鮓、「沸いた飯です」と押し
(しおとすでしめたいわしずしわいためしですとおし)
名物の発酵食品
煙が六部濃い、満席のビルか、飲みたい焼肉に来、
焼いたミノ・カルビの来、センマイ・コブクロが剝け
(けむがろくぶこいまんせきのびるかのみたいやきにくにき
やいたみのかるびのきせんまいこぶくろがむけ)
(2016/9/10)
明けて月曜、暑気カンカン、夏季賞与告げて、ケア
(あけてげつようしょきかんかんかきしょうよつげてけあ)
ささやかなボーナスが社員を慰労
類真似てしまう、ろくでなしの憎い国の品で、苦労増してね、参る!
(るいまねてしまうろくでなしのにくいくにのしなでくろうましてねまいる)
新幹線から鍵まで、そっくり頂きの某大国
語意無くし、「ら抜き言葉」さばさばと扱きぬ、らしくない語
(ごいなくしらぬきことばさばさばとこきぬらしくないご)
耳を疑い思わず言い直してみる
「けったいな好意問うより、もじもじも利用!」と言う娘、泣いたっけ
(けったいなこういとうよりもじもじもりようというこないたっけ)
そういうタイプに惚れてしまう男が悪い?
止せ、怒りで解決急きて不適切、経過で理解せよ
(よせいかりでかいけつせきてふてきせつけいかでりかいせよ)
一歩さがって考え直す
人災知らず、目からウロコ剥ぐは古老らか、めずらしい惨事
(じんさいしらずめからうろこはぐはころうらかめずらしいさんじ)
お年寄りに質問するとよく解る事柄有り
蒸す敗戦忌に巷しずかなり、鳥鳴かず、下町に金星は澄む
(むすはいせんきにちまたしずかなりとりなかずしたまちにきんせいはすむ)
七十一年目に成るという
耐えた遠い夏、戦火止み際の和議見、夜間せつない音絶えた
(たえたとおいなつせんかやみぎわのわぎみやかんせつないおとたえた)
灯火管制とB29の焼夷弾も、ある日止む
立つ秋だ、今やると誓い合い、勝ち取るや舞い、抱き合った
(たつあきだいまやるとちかいあいかちとるやまいだきあった)
熱闘甲子園では頭上に赤とんぼの群舞
清い秋、酔うものですか、封解き豆腐滓で飲もうよ、気合良き!
(きよいあきようものですかふうときとうふかすでのもうよきあいよき)
豆腐滓=おから
(2016/8/28)
「すごく苛烈、休まないな?」、応えた子「無いな、増す窶れ覚悟す!」
(すごくかれつやすまないなこたえたこないなますやつれかくごす)
ワーカホリックじゃない、信念だ
「怒った、仁義なき戦いだ、以下叩きな!」吟じた使い
(いかったじんぎなきたたかいだいかたたきなぎんじたつかい)
厚化粧のことまで持ち出した選挙戦、某元都知事
「身を急くなる短命、楽や否か?」と家内や、暗いメンタルな癖を見
(みをせくなるたんめいらくやいなかとかないやくらいめんたるなくせをみ)
子を見るに親の愛に如くは無し
月の円く出た中、煙りたつ湯へゆったり向け、彼方で車の来つ
(つきのまるくでたなかけむりたつゆへゆったりむけかなたでくるまのきつ)
湯宿の旅が恋しくなる秋
ついて行くにつれ、うっかりアメリカに借り目ありか、痛烈に悔いて居つ!
(ついていくにつれうっかりあめりかにかりめありかつうれつにくいていつ)
日本国憲法は我々が書いたとの米高官発言を、全面否定できず
神も発つ祭りが秋で、闌けたできあがり、詰まった籾か!
(かみもたつまつりがあきでたけたできあがりつまったもみか)
田で豊作を守護してくれた神さまが山へ帰るとき、感謝の里祭り
(むなさんの作品)
(2016/8/28)
つい与えたまま、また得たアイツ
(ついあたえたまままたえたあいつ)
金欠発見器
(きんけつはっけんき)
「ねばろうよ」と言いつつ、いいと酔うロバね
(ねばろうよといいつついいとようろばね)
寝てて。今寝た?しかし、種まいててね。
(ねてていまねたしかしたねまいててね)
仕込みだ、五日に担いだみこし
(しこみだいつかにかついだみこし)
確か、太るタルト蒸かした。
(たしかふとるたるとふかした)
うどん辛く、咲く桜、感動
(うどんからくさくさくらかんどう)
恋したし、この子親しい子
(こいしたしこのこしたしいこ)
(スリッパさんの作品)
(2016/8/24)
耐え、金婚カンコンカン、根気得た!
(たえきんこんかんこんかんこんきえた)
めでたい夫婦に歴史あり
描くや画家の純真、だんだん真珠の輝くか
(かくやがかのじゅんしんだんだんしんじゅのかがやくか)
オランダの画家、フェルメール・ヴァン・デルフト1632~1675
怒りもした別れてのちの照れか、わたしも理解
(いかりもしたわかれてのちのてれかわたしもりかい)
時々あります
いかす夏季終了の夜、納涼酒利かす会
(いかすかきしゅうりょうのよのうりょうしゅきかすかい)
悪友閑居して暑気払い
遠く来て四万、紅葉・蔦にめきめき秋めき目に立つ滋味も増して、聞く音
(とおくきてしまもみじつたにめきめきあきめきめにたつじみもましてきくおと)
四万=名湯四万温泉、温泉街を貫く渓流にひびく河鹿の声あり
いまや闇、縷々不安せまり安心ありません、溢るる身や病?
(いまややみるるふあんせまりあんしんありませんあふるるみややまい)
胸騒ぎで眠れない夜もあり
(2016/8/16)
虫誦す小夜の来、蚊取ありと夏期の良さ涼しむ
(むしずすさよのきかとりありとかきのよさすずしむ)
残暑ながら未明にはコオロギそよろそよろと初鳴き
蜜もう濁酒の香の黒ブドウも摘み
(みつもうどぶろくのかのくろぶどうもつみ)
小さな野ブドウ
答えよ! 家内買い結婚祝うワイン、滑稽か否か、酔えた子
(こたえよかないかいけっこんいわうわいんこっけいかいなかよえたこ)
木の折ったを活け、如何に懐かし且つなにか畏敬を、辰雄の忌
(きのおったをいけいかになつかしかつなにかいけいをたつおのき)
小説家、堀辰雄1904~1958、「風立ちぬ」など、5月28日逝去
見もの、皆いなせな囃し言葉と輿や、離せない浪の揉み
(みものみないなせなはやしことばとこしやはなせないなみのもみ)
せいや、せいや、夏祭りで熱狂
立っている吾子、とことんトコトコ歩いてった
(たっているあことことんとことこあるいてった)
立つなと作為し、離党候補なめ自民さん、みじめな方向取りし戦となった
(たつなとさくいしりとうこうほなめじみんさんみじめなほうこうとりしいくさとなった)
正しくは離党ではない、某知事選
敵機も射ては如何なくサイパンから完敗、裂く南海、波堤も切って
(てっきもいてはいかんなくさいぱんからかんぱいさくなんかいはていもきって)
平洋の防波堤と位置付けたサイパン陥落し、B29の本土爆撃始まる
意思苦痛と、固いはにかむスマイル、いま澄むかに刷いたかと美しい
(いしくつうとかたいはにかむすまいるいますむかにはいたかとうつくしい)
初々しさの残る笑み
敷くか亀裂、あかるい体ながら子等が泣いているか、軋轢隠し
(しくかきれつあかるいていながらこらがないているかあつれきかくし)
小学生もいろいろ悩みながら育っていく
(むなさんの作品)
(2016/8/7)
イタリアでは、異性派でありたい
(いたりあではいせいはでありたい)
イタリアでも、イノシシの芋でありたい
(いたりあでもいのししのいもでありたい)
イタリアで、いじる爺でありたい
(いたりあでいじるじいでありたい)
イタリアでは、中ピカピカな歯でありたい
(いたりあではなかぴかぴかなはでありたい)
イタリアで、イカ不快でありたい
(いたりあでいかふかいでありたい)
イタリアでも、黒雲でありたい
(いたりあでもくろくもでありたい)
イタリアでも、ツモでありたい
(いたりあでもつもでありたい)
イタリアで、トマトはトマトでありたい
(いたりあでとまとはとまとでありたい)
イタリアで、子猫は子猫でありたい
(いたりあでこねこはこねこでありたい)
イタリアでも、トルコでも、デコる友でありたい
(いたりあでもとるこでもでこるともでありたい)
(スリッパさんの作品)
(2016/8/6)
皆攣った、日本壊滅、呑まれたれ魔の爪いかん帆に立つ津波
(みなつったにほんかいめつのまれたれまのつめいかんほにたつつなみ)
皆の飯、いかに小さい価値観か! 近い災地に買い占めの波
(みなのめしいかにちいさいかちかんかちかいさいちにかいしめのなみ)
「撤退は、罰さ!」と偉く即断だ、くそ喰らえとさ唾吐いたって
(てったいはばつさとえらくそくだんだくそくらえとさつばはいたって)
叢雲に舞いしきる雪ちみつ且つ路消ゆる岸、今にも暗む
(むらくもにまいしきるゆきちみつかつみちきゆるきしいまにもくらむ)
見た終い、語れ災禍は波の間のみな破壊され、他界増した身
(みたしまいかたれさいかはなみのまのみなはかいされたかいましたみ)
(むなさんの作品)
(2016/7/31)
「ダンスとかしないか?」→振り、不快なシカト済んだ
(だんすとかしないかふりふかいなしかとすんだ)
用意とか万全、「バカ!」と言うよ
(よういとかばんぜんばかというよ)
砂金は自販機さ
(さきんはじはんきさ)
穴、いないなあ
(あないないなあ)
私ぃ、こういう恋したわ
(わたしぃこういうこいしたわ)
仲間悲惨さ、暇かな?
(なかまひさんさひまかな)
焼いた肉煮たいや
(やいたにくにたいや)
「何だい?」夜にトマト煮る良い旦那
(なんだいよるにとまとにるよいだんな)
男子トイレで霊と死んだ
(だんしといれでれいとしんだ)
「悪口なんだ」と旦那チクるわ
(わるくちなんだとだんなちくるわ)
サル泣くさ、一月九日に靴が小さくなるさ
(さるなくさいちがつくにちにくつがちいさくなるさ)
赤字無事かあ・・・
(あかじぶじかあ)
固体突っついた子
(こたいつっついたこ)
酔えば芽生えよ
(よえばめばえよ)
食べたいから、貝食べた
(たべたいからかいたべた)
確か、二万円閻魔に貸した
(たしかにまんえんえんまにかした)
私、三回か二回監査したわ
(わたしさんかいかにかいかんさしたわ)
(スリッパさんの作品)
(2016/7/31)
敵九万、抱くサイパン陥落かも、攪乱・完敗・裂く弾幕来て
(てきくまんだくさいぱんかんらくかもかくらんかんぱいさくだんまくきて)
米軍の艦砲射撃に始まるサイパン攻略戦、昭和19年6月。島に守備兵の父も居た
身の知己ならず、たいていアクセス急く相手、いたずらな機智のみ
(みのちきならずたいていあくせすせくあいていたずらなきちのみ)
ITやたらな時代に友をどう求める?
童女が咲かす、片笑みに見えた幽かさが、浄土
(どうじょがさかすかたえみにみえたかすかさがじょうど)
片笑み=微笑
失策も、愛い得意ら拗ねじ、ビジネスライクと言う、黙殺し
(しっさくもういとくいらすねじびじねすらいくというもくさつし)
当方の失敗を一言も責めぬ得意先が育ててくれました
(2016/7/30)
見舞う試しに、張り立つトロ取ったり、歯に占めた旨み
(みまうためしにはりたつとろとったりはにしめたうまみ)
マグロのトロは「とろり」とする舌ざわりから、と広辞苑
軽くにぎった身、真烏賊にかいま見た、次に来る香
(かるくにぎったみまいかにかいまみたつぎにくるか)
醤油をつけないとき、イカの微かな香りあり
手塩です、理屈で小さめのコハダは好め、細緻でつくり、酢で押して
(てしおですりくつでちいさめのこはだはこのめさいちでつくりすでおして)
コハダは塩と酢との加工技術で旨くも不味くもなるという
期す春に、サヨリ飯の湿り良さ、煮るは好き!
(きすはるにさよりめしのしめりよさにるはすき)
白身のサヨリは春に卵を持ち美味!
やつ泣かず死に、悲しみも世も見しなかに、静かな通夜
(やつなかずしにかなしみもよもみしなかにしずかなつや)
旧友急逝
怒りが、我が子にきつしと悔いて幾年月に、子側が理解!
(いかりがわがこにきつしとくいていくとしつきにこがわがりかい)
親はけっして怒っていたんじゃないんだ、愛だ!
数ます野十郎、蝋燭が絵を描く候う、老寿休まずか?
(かずますやじゅうろうろうそくがえをえがくそうろうろうじゅやすまずか)
高島野十郎・没後40年展、蝋燭の絵だけでも16点あり
「めかた転かすな、自己問うぞ!」が自画像と、固持なす過去高め
(めかたこかすなじことうぞがじがぞうとこじなすかこたかめ)
若年から写実で見つめ描いた高島野十郎、福岡県久留米出身1890~1975
寄る羽虫の、太陽追う酔い、楽しむ春よ
(よるはむしのたいようおうよいたのしむはるよ)
朝に生れ、群れて一日飛び交い、夕べに死す、小さな羽虫たち
恋しさ、ひしめくヤリイカ入り焼く飯、久しい子
(こいしさひしめくやりいかいりやくめしひさしいこ)
今はもう見かけないお祭りの食べ物
手で絞めたいま鉄火つかって巻いた飯出て
(てでしめたいまてっかつかってまいためしでて)
ノリ巻・『神田鶴八 鮨ばなし』師岡幸夫著1986刊
(むなさんの作品)
(2016/7/24)
河童や!茶髪か?
(かっぱやちゃぱつか)
湯か、おかゆ
(ゆかおかゆ)
読めよ!文字も読めよ!
(よめよもじもよめよ)
市内散策に食べた、肉、山菜、梨
(しないさんさくにたべたにくさんさいなし)
良いなら、印鑑要らないよ
(よいならいんかんいらないよ)
わい、泣かないわ!
(わいなかないわ)
「解散だ!」と断裁か
(かいさんだとだんさいか)
今、梅うまい
(いまうめうまい)
(スリッパさんの作品)
(2016/7/24)
師よ、もう古稀祝い再開した親しい会、さいわい気候も良し
(しよもうこきいわいさいかいしたしたしいかいさいわいきこうもよし)
昨今は古稀も若手と自己紹介
4、5℃のと告ぐ、真夏日浴びつ、生ぐっと喉越し
(しごどのとつぐまなつびあびつなまぐっとのどごし)
30℃以上が続く日々
打席を退いたな、痛みしむ身、無視みたいな態度を期せ、だ!
(だせきをどいたないたみしむみむしみたいなたいどをきせだ)
死球でも次は尚ガッツ
ちくりと立つ、巻き込んだ手にて、断固決まった取口
(ちくりとたつまきこんだてにてだんこきまったとりくち)
大相撲の醍醐味
なか裂く、ダイヤみたいな卵また泣いた身や、抱く魚
(なかさくだいやみたいなたまごまたないたみやいだくさかな)
合掌して宝石をいただきます
ずかずか来て仕切れ、市民泣く祖国こそ、苦難見し歴史的数々
(ずかずかきてしきれしみんなくそこくこそくなんみしれきしてきかずかず)
過去も度々あった軍のクーデターを街頭で阻止するトルコ市民
だんぜん悪か? 至極緩慢な死もし何万、覚悟し核安全だ!
(だんぜんあくかしごくかんまんなしもしなんまんかくごしかくあんぜんだ)
事故レベルも想定し、既定路線の原発再稼働
又言い、立つのもどんな人間かな?甘言に何度も乗ったいい玉
(またいいたつのもどんなにんげんかなかんげんになんどものったいいたま)
都知事選に21人が立候補。中には手段として使われる人も
月下に遠く光る滝の刺激的、夏至の来たるか、曳く音にか告げ
(げっかにとおくひかるたきのしげきてきげしのきたるかひくおとにかつげ)
山頂近くから滔々と降って来る滝あり
咬んで憂くす、ラジオ鳴りパリパリ、なお焦らす空電か
(かんでうくすらじおなりぱりぱりなおじらすくうでんか)
梅雨明けを告げる雷に放送音が乱される時期となりました
(むなさんの作品)
(2016/7/20)
狐くつろぐまで、マグロつくね付き
(きつねくつろぐまでまぐろつくねつき)
夜この手で撫でて残るよ
(よるこのてでなでてのこるよ)
やっと一つや
(やっとひとつや)
寝て、未来おいら見てね
(ねてみらいおいらみてね)
よく、いとこと行くよ
(よくいとこといくよ)
夏休みいとこと会うの楽しみ!
いや、反論早い
(いやはんろんはやい)
私金をね、貸したわ
(わたしかねをねかしたわ)
うどんカツレツ感動
(うどんかつれつかんどう)
イカスムージー蒸すかい?
(いかすむーじーむすかい)
イカスムージーは存在するかどうか分かりませんが
色、シマウマ白い?
(いろしまうましろい)
大敵は気合入れ、いい秋は来ていた
(たいてきはきあいいれいいあきはきていた)
季節外れかもしれませんが
猫が我が子ね
(ねこがわがこね)
リモコン天丼てんこ盛り
(りもこんてんどんてんこもり)
くっつく!ガムがくっつく!
(くっつくがむがくっつく)
団体、顔描いたんだ
(だんたいかおかいたんだ)
「えがいた」ではなく「かいた」であることに注意
(スリッパさんの作品)
(2016/7/20)
死も理解できない子が、乞い泣きで怒りもし
(しもりかいできないこがこいなきでいかりもし)
不条理に出遭うとき
渋の付くふるさと見たか、色紙、形見と去る不屈の武士
(しぶのつくふるさとみたかしきしかたみとさるふくつのぶし)
国を憂いて騒乱の京へのぼった幕末の志士
活かせ難関、ビル建つ元々は、友と持ったる敏感な世界
(いかせなんかんびるたつもともとはともともったるびんかんなせかい)
PC発祥の黎明期、チャレンジに生きた若者の成功
定刻だ、出て待っている愛、歩いて妻、手で抱く児居て
(ていこくだでてまっているあいあるいてつまてでだくこいて)
子供も僕ら二人も若かったね、あの頃
辞令聞き、「身の為さ!」に冷めたのみ、聞き入れじ!
(じれいききみのためさにさめたのみききいれじ)
報復人事というのがある
笑みがつい会いたい時、訪いたい彼奴が見え
(えみがついあいたいときといたいあいつがみえ)
マーフィーの法則
いたぶるのに皆快活だ、一位奪回か、波に乗る舞台
(いたぶるのにみなかいかつだいちいだっかいかなみにのるぶたい)
雪と樅と据えクリスマス、耳澄ますリクエスト、身元消ゆ
(ゆきともみとすえくりすますみみすますりくえすとみもときゆ)
FMラジオ、クリスマス特集
(むなさんの作品)
(2016/7/17)
あら、イライラァ・・・
(あらいらいらぁ)
鈍いラブライブに
(にぶいらぶらいぶに)
私楽で居て、家庭で暮らしたわ
(わたしらくでいてかていでくらしたわ)
予定、距離よ、聞いてよ!
(よていきょりよきいてよ)
災難指示の自信無いさ
(さいなんしじのじしんないさ)
臭い、タプタプ、大作
(くさいたぷたぷたいさく)
(スリッパさんの作品)
(2016/7/16)
恋うお玉が池、望郷とす、東京暮景がまた往古
(こうおたまがいけぼうきょうとすとうきょうぼけいがまたおうこ)
かつて江戸の神田にあった池で今は碑のみ残る
食みつつ後も楽、桜餅の包み葉
(はみつつのちもらくさくらもちのつつみは)
戸向島長命寺境内の発祥。「葉のぬれてゐるいとしさや桜餅」久保田万太郎
誰彼の名親し、故郷の土佐流布した士、名乗れ彼だ!
(だれかれのなしたしふるさとのとさるふしたしなのれかれだ)
輩出の著名人に事欠かない土佐で誰が好き?
予期あるな、遠浅な汽水湖に見に来い、好きなさ青となる秋よ
(よきあるなとおあさなきすいこにみにこいすきなさあおとなるあきよ)
汽水湖=海水と淡水の混じった湖。さ青=青で、「さ」は語調を整える接頭語
中小さい片田舎、門前寂び参禅も叶い、高い幸かな
(なかちさいかたいなかもんぜんさびさんぜんもかないたかいさちかな)
ドイツ映画「門前」中年2兄弟がなぜか日本の北陸の寺に来て修業する
病む友見舞うしめ鯖、しばしば冷めし旨み求むや?
(やむともみまうしめさばしばしばさめしうまみもとむや)
夏の予後生活に
臭いし且つ何かが癒える映画館、なつかしい作!
(くさいしかつなんかがいえるえいがかんなつかしいさく)
タバコの煙や人いきれやトイレの臭った場末の3本立て劇場
ドームの最終と駆け勝とう、「首位さ!」のムード
(どーむのさいしゅうとかけかとうしゅいさのむーど)
タバコの煙や人いきれやトイレの臭った場末の3本立て劇場
蹴った島、脱退派まで金かデマ配達、騙したっけ!
(けったしまだったいはまでかねかでまはいたつだましたっけ)
英国国民投票・EU離脱決定後、脱退推進リーダーが次々に敵前逃亡
「怒り真っ当、純真もんもん心中!」と妻理解
(いかりまっとうじゅんしんもんもんしんじゅうとつまりかい)
世間に叩かれて死にたくなる純な人の気持ち分かりなさいよとの事
理屈たしか一徹か、冷ややっこ艶や光って、追加した作り
(りくつたしかいってつかひややっこつややひかってついかしたつくり)
名のある老舗ではないが主人の技が良い!
(2016/7/13)
立つ男性、「回頭!」と決断し、波かぶる部下みな死んだ付け、
尊い海戦だった
(たつだんせいかいとうとけつだんしなみかぶるぶかみなしんだつけ
とうといかいせんだった)
対馬沖、敵前大回頭による日本側の勝利、日露戦争
昼咲きし花、鳥鳴かず下町の巷静かなりと、名は子規去る日
(ひるさきしはなとりなかずしたまちのちまたしずかなりとなはしきさるひ)
俳人・歌人・随筆評論家の正岡子規、明治35年9月19日東京根岸で没
世話有りと聞かないが、イカ納豆とツナか、意外な夏季取り合わせ
(せわありときかないがいかなっとうとつなかいがいなかきとりあわせ)
気に召すや? みな湿気背負い、ただただ大暑決死な身、休めに来
(きにめすやみなしっけしょいただただたいしょけっしなみやすめにき)
避暑といっても浜の民宿に1泊
館林、灼くよう猛暑に消耗よ、悔しやバテた
(たてばやしやくようもうしょにしょうもうよくやしやばてた)
気温観測地点が消防署にあるとか、熱いわけです
深雪だ、電車ガクガク、ガシャンで脱線し
(しんせつだでんしゃがくがくがしゃんでだっせんし)
怪我人は無し
物たしか砂糖・醤油に手で、梅ぬめぬめ茹でて煮、優勝と咲かした粒
(ぶつたしかさとうしょうゆにてでうめぬめぬめうでてにゆうしょうとさかしたつぶ)
その一粒を頂きました、美味!
(むなさんの作品)
(2016/7/12)
夜仲直りか→日が光りお腹なるよ
(よるなかなおりかひがひかりおなかなるよ)
悔しがる夜が癪
(くやしがるよるがしゃく)
やい野人、死んじゃ嫌!
(やいやじんしんじゃいや)
寄るとフグはハグ、太るよ
(よるとふぐははぐふとるよ)
書いて寄るけど届ける予定か
(かいてよるけどとどけるよていか)
出すんや!チャンスだ!
(だすんやちゃんすだ)
四時に出たで、虹よ
(よじにでたでにじよ)
がんも盛るモモンガ
(がんももるももんが)
虎ら歌う「ララ♪」と
(とららうたうららと)
「よろしく」と言い、得しろよ
(よろしくといいとくしろよ
(2016/7/10)
確か金欠かした
(たしかかねかかした)
「誰?おっさんかな?」(観察)「オレだ・・・」
(だれおっさんかなかんさつおれだ)
夜スルー、ピアス、アピールするよ
(よるするーぴあすあぴーるするよ)
店内覆うスイカ食べた回数多いなんて・・・
(てんないおおうすいかたべたかいすうおおいなんて)
「乾くチョコ?」「卵?」「トマト?ゴマ?」「タコよ」「チクワか?」
(かわくちょこたまごとまとごまたこよちくわか)
遠のく僕の音
(とおのくぼくのおと)
旦那のが、長崎、佐賀、長野なんだ
(だんなのがながさきさがながのなんだ)
処分全部良し
(しょぶんぜんぶよし)
私、回文前半全部活かしたわ
(わたしかいぶんぜんはんぜんぶいかしたわ)
チッ、それそっち!
(ちっそれそっち)
ヤギ、Suica使いすぎや
(やぎすいかつかいすぎや)
「行こう!」仲良しな話よ、叶う恋
(いこうなかよしなはなしよかなうこい)
患者だ、ユダヤ人か?
(かんじゃだゆだやじんか)
問い「誰だい?」と
(といだれだいと)
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