投稿作品

皆さまの投稿作品を掲載しています。
長くなってきたのでページを分けました。これまでの作品はここからどうぞ。
(Vol.1が一番古く、以下Vol.2、Vol.3の順に、最近の作品になります。)

これまでの作品(Vol.数の大きいほうが新しい)
Vol.1  Vol.2  Vol.3  Vol.4  Vol.5
Vol.6  Vol.7
  Vol.8  Vol.9  Vol.10
Vol.11  Vol.12  Vol.13  Vol.14  Vol.15
Vol.16  Vol.17

ここに掲載する作品を募集しています!ジャンルや字数は一切問いません。
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作品の投稿はこちらから


(スリッパさんの作品)NEW

(2017/4/16)

トンカツ屋、毎金通う美味しいし、言おうよ歓喜「今や着かんと!」
(とんかつやまいきんかようおいしいしいおうよかんきいまやつかんと)
週末にだけ行く顔見知りの店あり

断定さ、食い損なうよ美味いパイ、舞うようなこそ行く祭典だ!
(だんていさくいそこなうようまいぱいまうようなこそいくさいてんだ)
地域起こしの国際交流祭り

「匙有る?」と、身の予後待たるお粥煮ゆ、香る玉子よ、飲み取る味さ
(さじあるとみのよごまたるおかゆにゆかおるたまごよのみとるあじさ)
予後=病後の回復期にスプーン

喜ぶといま皆は来て、曇る春、もくてき花見、舞い飛ぶ頃よ
(よろこぶといまみなはきてくもるはるもくてきはなみまいとぶころよ)
花曇りに舞う落花うつくしき

妻軽く手で磨いた飯、味覚良く嚙みしめたいと、出てくるか待つ
(つまかるくてでといためしみかくよくかみしめたいとでてくるかまつ)
食べ物はちょっとしたコツあり

見た目濃い味いざグルメ、炊いてさて炒める具材、慈愛込めた身
(みためこいあじいざぐるめたいてさていためるぐざいじあいこめたみ)
料理に凝ったら大変!

食べ物にちなんだ作品が多めです。「トンカツ屋」や「パイ」は食べ物への愛情が感じられ、「妻軽く手で~」や「いざグルメ」は作る人・食べる人の愛情が感じられますね。私も作った経験ありますが、食べ物は回文との相性がいいのかもしれません…。

(2017/4/2)

彼の借家、手丹精好き華やぐや名は黄水仙、立役者の香
(かのしゃくやてたんせいずきはなやぐやなはきずいせんたてやくしゃのか)
小さな庭でも春に黄水仙が匂い立つ

三回目、黒澄ます髪、霧の夜の力み霞ます鹿鳴館さ
(さんかいめくろすますかみきりのよのりきみかすますろくめいかんさ)
コンドル設計の洋館、パーティー出席に華族の婦人

魅せ分かる、重ねた進化うつくしく痛感したね、離る翡翠
(みせわかるかさねたしんかうつくしくつうかんしたねさかるかわせみ)
飛び去る瞬間に輝くカワセミの瑠璃色

見た支度、神々も発つ祭りなり、詰まった籾が味覚足した実
(みたしたくかみがみもたつまつりなりつまったもみがみかくたしたみ)
稲の収穫に感謝、田を守ってくれた神を山へ送る里祭り

齢占め、飼い猫居るわ咳く風邪か癖わるい子ね、厳めしいわよ
(よわいしめかいねこいるわせくかぜかくせわるいこねいかめしいわよ)
年寄り猫で威厳があるのとご自慢

賭す回だ、指名代打か通知待ち、打つ課題大「飯代課す!」と
(とすかいだしめいだいだかつうちまちうつかだいだいめしだいかすと)
開幕シーズン到来、先ずここで頑張らにゃ

黄水仙、霧に霞む鹿鳴館、美しく輝く翡翠(カワセミ)と、視覚的な表現が特徴的な作品だと思います。3つ目は、鮮やかな水色のカワセミが素早く飛び立って捕食する様子が目に浮かびます。最後のは、指名打者の責任の重さが伝わってきますが、「飯代」というのがストレートな表現で面白いですね。

(2017/3/18)

沸いた気だ、太閤「もしも力なら勝ちもし、蒙古いただきたいわ!」
(わいたきだたいこうもしもちからならかちもしもうこいただきたいわ)
文禄・慶長の役はやや誇大妄想か?1536~1598年没

「一回も欠かさず鍛え独眼が、九度得た傷さ」呵々も厳つい
(いっかいもかかさずきたえどくがんがくどえたきずさかかもいかつい)
仙台62万石の祖、独眼竜伊達政宗、今年は生誕450年

師宣う「濃い春景色、桜から草木繁るは、憩う間楽し」
(しのたまうこいはるげしきさくらからくさきしげるはいこうまたのし)
論語調ですね

固雪か、澄む凍ては能登、波の間の港の波堤、生す牡蠣ゆたか
(かたゆきかすむいてはのとなみのまのみなとのはていむすかきゆたか)
冬の日本海側は魚介が豊富

三線で掻いていた唄、島からか増した歌い手、以下伝心さ
(さんしんでかいていたうたしまからかましたうたいていかでんしんさ)
沖縄独特の音階と唄と三線とカチャーシー

得難しか、つい讃辞かな眩暈無い、まめな家人さ一家従え
(えがたしかついさんじかなめまいないまめなかじんさいっかしたがえ)
くるくると家事にいそしんでいる姿を

昼前か、住む庵になお茄子焼くや、素直な匂い蒸す夏季去る日
(ひるさきかすむいおになおなすやくやすなおなにおいむすかきさるひ)
「市中はものの匂いや夏の月」去来の句だったか?

初めの2つは以前(2/7)に引き続いての、戦国武将です。秀吉のは朝鮮出兵で蒙古を攻めたのではないですが、蒙古も頂きたいと思っていたかもしれませんね(勝手な想像ですが)。伊達政宗は生誕450年ですか。今年の仙台は、賑わいを見せるでしょうね。次の「師のたまう~う間楽し」は、前後が意味的にも呼応している感じで面白いです。その他、様々な土地感や季節感のある作品となっています。

(2017/3/4)

仔馬って、「つい跳ねたいな!」鳴いた又、いなないた音は一徹舞う仔
(こうまってついはねたいなないたまたいなないたねはいってつまうこ)
サラブレッド飼育専門の牧場にて

花見時季、仕事しか無い苦闘中、得意な菓子と『五色』滋味な葉
(はなみじきしごとしかないくとうちゅうとくいなかしとごしきじみなは)
商売繁盛、銘菓「五色葉」

電子足し、波立つ活気ビジネスね、字引使ったみな親しんで
(でんしたしなみたつかっきびじねすねじびきつかったみなしたしんで)
IT時代の辞書、写真も音も出て大人気

春日行、四方紅葉から区域じき幾らか地味も、模様焦がすか
(かすがこうよももみじからくいきじきいくらかじみももようこがすか)
奈良春日の森も晩秋へ移るころ

立つ影や観てシネマ館、祝いたいワインか真似し、手みやげ買った
(たつかげやみてしねまかんいわいたいわいんかまねしてみやげかった)
「ニューシネマパラダイス」って映画がありましたね

泣かすんだ美味いワインさ赤注ぎつ、母さん祝い舞うダンスかな
(なかすんだうまいわいんさあかつぎつかあさんいわいまうだんすかな)
これもイタリア映画、題名失念

今回はノンジャンルですね。スマホ全盛の昨今ですが、電子辞書もいまだに人気です。紙の辞書と同様に、自分の辞書というのは親しみが持てますね。最後の2つはイタリア映画ということで、有名なニューシネマパラダイスは私も見ましたが、ワイン・母・ダンスがキーワードの最後のは何でしょう?気になりますが、題名を聞いても分からないかもしれません…。


(かみやんさんの作品)かみやんさんのページNEW

(2017/2/19)

父さんコンサート
(とーさんこんさーと)
おじさん音楽愛好家、ステージに立つ姿

ね! いい! 若い! 可愛いね!!
(ねいいわかいかわいいね)
若い女性へ送りたい回文

来て!水仙、端整 素敵!
(きてすいせんたんせいすてき)
素敵な水仙 見つけ

ニンジン煮 今うまい。 野菜若い可愛さや。 今うまい ニンジン煮
(にんじんにいまうまいやさいわかいかわいさやいまうまいにんじんに)
畑で間引いた小さなニンジン、煮て食べました

初投稿のかみやんさんです。ありがとうございます!シンプルな構成の中に心地良いリズムが感じられて、センスの良さがうかがえます。回文日記のページを作られている方で、拝見したところ、ご自身の日記の中にさりげなく回文がちりばめられていて驚きました。(わざわざ)回文を披露するためのページは多くあれど、このような形式は今までありそうでなかったのではないでしょうか?皆さんもぜひ見てみてください。そして、かみやんさん今後もご投稿お待ちしています!


(スリッパさんの作品)

(2017/2/18)

鹿類の、また低価立つ片肉に、集った買い手、弾の入る下肢
(しかるいのまたていかたつかたにくにたかったかいてたまのいるかし)
異国の市場にて

来て住まい、ちと遠い旅、なまり有り、学びたい音、土地いま素敵
(きてすまいちととおいたびなまりありまなびたいおととちいますてき)
住めば都といいますね

最高よ、伊太利も酒、憩い合い、恋けさも有り、太陽濃い差
(さいこうよいたりあもさけいこいあいこいけさもありたいようこいさ)
子供も水代わりにワイン飲む国

月に舞う、古酒飲ましたし故郷さ、流布した島の、酒肴、間に来つ
(つきにまうこしゅのましたしふるさとさるふしたしまのしゅこうまにきつ)
泡盛の古酒=クースーに、足ティビチが合う

汽車換えか、冷気去る駅、朝靄も、さあ消える先、入れ替え貨車来
(きしゃかえかれいきさるえきあさもやもさあきえるさきいれかえかしゃき)
早朝、引き込み線で汽笛を合図の作業を見る

まん丸い、手で見るお燗、まろやかや、ロマン香る身、出ているまんま
(まんまるいてでみるおかんまろやかやろまんかおるみでているまんま)
カウンター7席の小さな店、お馴染みばかり

「ぶらぶら散歩」のイメージだそうで、国内外の各地から31文字で頂きました。泡盛は、思わずクースーと読んでしまいましたが、ここでは「こしゅ」ですね。足テビチもいいですが、海ぶどうとの相性も良くて好きです。その次の「汽車換え~」は早朝の駅の情景が目に浮かぶようで、素晴らしいですね。

(2017/2/7)

軍鍛え、発つ信玄だ、力から勝ち断言し、伝えたキング
(ぐんきたえたつしんげんだちからからかちだんげんしつたえたきんぐ)
風林火山、上洛の途次に病没1573年

見た知った、魑魅魍魎と信長な、武の統領も、道達した身
(みたしったちみもうりょうとのぶながなぶのとうりょうもみちたっしたみ)
「天下布武」達成寸前、本能寺に自刃1582年

斬るなかや、義に親しんだ家康や、英断したし、賑やかなる気
(きるなかやぎにしたしんだいえやすやえいだんしたしにぎやかなるき)
ジャパン・ファーストの徳川幕府創始者1616没

デマ飛ばす、策いじり無理、末路見ろ、つまり無理強い、腐す場と迄
(でまとばすさくいじりむりまつろみろつまりむりじいくさすばとまで)
ツイッターで何でも腐すプレジデント2017年誕生

関税の、差も怒り無理「待った!」した、つまり無理解、猛者の以前か?
(かんぜいのさもいかりむりまったしたつまりむりかいもさのいぜんか)
あのTPPはどこ行っちゃったのかな?と某総理

マスコミは、「憂い!」とし何故か予想もう「そよ風無し」と、言うは見越す魔
(ますこみはういとしなぜかよそうもうそよかぜなしというはみこすま)
トランプ大魔王の発言に、米マスコミ戦々恐々

前半は戦国時代の英傑、後半は現代の物議を醸している英雄?に関するテーマで頂きました。後半のお方は、後世の人には戦国武将のように称されるか、それともどうなるか?現代の我々にはまだ判断がつかないですね。スリッパさんの作品のようないろいろな回文のネタを、これからも提供してくれることは間違いなさそうです。

(2017/1/28)

村静か、組む用意問う干柿が四方と言うよ、剥く数知らむ
(むらしずかくむよういとうほしがきがしほうというよむくかずしらむ)
渋柿が粉を吹いて甘くなる不思議

香伸ばそう、吹く大気の美さわやかや、山葵の利いた工夫そばの香
(かのばそうふくたいきのびさわやかかやわさびのきいたくふうそばのか)
「蕎麦はまだ花でもてなす山路かな」芭蕉

春めくと幹みな拝し待つ開花、つましい花見きみと酌めるは
(はるめくとみきみなはいしまつかいかつましいはなみきみとくめるは)
「咲き満ちてこぼるる花もなかりけり」高浜虚子

めちゃならず、たいてい愛す焼き餅も気安い相手、いたずらな茶目
(めちゃならずたいていあいすやきもちもきやすいあいていたずらなちゃめ)
「抱いた子でかわいい人をぶってみせ」江戸川柳

代価無し、攻め決断もチャイナかな、いちゃもんだっけ「召せシナ海だ!」
(だいかなしせめけつだんもちゃいなかないちゃもんだっけめせしなかいだ)
領海の拡大解釈が得意な国あり

要領研いだ、舞い立つだけか月並な切っ掛けだった、いま大統領よ
(ようりょうといだまいたつだけかつきなみなきっかけだったいまだいとうりょうよ)
ツイッターの名人か、宣誓式

2~4番目の3つは、俳句・川柳をモチーフにしていて、面白い試みですね。本歌取りの回文、といったところでしょうか?終わりの2つは時事関係の鋭い内容ですね。かの人がもしツイッターで(英語の)回文をつぶやいていたら、ちょっと尊敬するかもしれません。

(2017/1/20)

汽車の消ゆ、むかし録ったが遠い狭、音が尊し咬む雪の斜暉
(きしゃのきゆむかしとったがとおいかいおとがたっとしかむゆきのしゃき)
SLの録り鉄あり。斜暉=斜めに射す落日

「立つアジア!」歴史観から女史説くと、子女ら感化し、切れ味あった
(たつあじあれきしかんからじょしとくとしじょらかんかしきれあじあった)
ミャンマーのアウンサン・スーチー女史

見舞うため、固粥蓋し牡蠣焼くや利かした冬が、高めた旨み
(みまうためかたがゆふたしかきやくやきかしたふゆがたかめたうまみ)
海幸の炊き込み飯を頂く

語偉大なマエストロかな、利発満つ「張り、無かろ!」とす、笑まない第五
(ごいだいなまえすとろかなりはつみつはりなかろとすえまないだいご)
カラヤン指揮、交響曲第五番「運命」リハーサル風景

去る疾風、島遠く能登、澄み切る気、ミスト退く音増してや春さ
(さるはやてしまとおくのとすみきるきみすとのくおとましてやはるさ)
まだ風雪に煙る越前の海辺

SLはその姿と言い、音と言い、夢中になるのが分かります。スーチー女史のはまさに「切れ味」のある回文で、お見事です。「運命」はカラヤンらしさがよく出ていると思います。ほとんど「笑まない」ですが、その映像作品はかなりこだわりがありますよね。能登は、ミストという横文字がかえって不思議な感じを際立たせて良いと思います。

(2017/1/7)

突き効く、音良きなかや年の夜の淑やかな気よ、遠く聞きつつ
(つつききくおとよきなかやとしのよのしとやかなきよとおくききつつ)
年の夜=除夜

大戦果、すぐ祝盃な駅伝で消えない拍手、具す歓声だ
(だいせんかすぐしゅくはいなえきでんできえないはくしゅぐすかんせいだ)
正月2日3日恒例の箱根往復

見うる春、雪の遠のく函館だ、琥珀の音の消ゆる春海
(みうるはるゆきのとおのくはこだてだこはくのおとのきゆるはるうみ)
津軽海峡の浪音も静まり

良い左脳澄むアマデウス苦境中、曲数でまあ! 無数の才よ
(よいさのうすむあまでうすくきょうちゅうきょくすうでまあむすうのさいよ)
ウォルフガング・A・モーツァルト1791年35歳で逝去

かがやく眼、厄介な手で気迫ずく覇気出てないか? 艶めくや画家
(かがやくめやっかいなてできはくずくはきでてないかつやめくやがか)
オーギュスト・ルノワール、晩年はリューマチの手に筆を縛って描いた

余命無く、ソフトなタッチ画伯描く「葉が散ったな!」と不足ない眼よ
(よめいなくそふとなたっちがはくかくはがちったなとふそくないめよ)
O・ヘンリー短編「最後の一葉」より

あけましておめでとうございます!スリッパさんから、ゆく年くる年の前半3作品です。箱根駅伝、連覇すごかったですね。後半は芸術家にちなんだ3作品で、今年も、回文を楽しみながらいろいろなことが勉強できる、スリッパさんの創作を期待させる仕上がりとなっています。「最後の一葉」は特に上手く構成されていると思いました。今年もよろしくお願いします!

(2016/12/30)

来た指令、固定観為し、なみだ無駄「皆死なんかい!」梃入れした気
(きたしれいこていかんなしなみだむだみなしなんかいてこいれしたき)
戦争末期大本営より南方の孤島へ死守・玉砕命令

見た死闘、灯火管制おと立てた遠い戦禍か、うとうとした身
(みたしとうとうかかんせいおとたてたとおいせんかかうとうとしたみ)
S20年マリアナ基地よりB29の日本本土爆撃開始

ちまた敷く大空襲よ、まさに火にさまよう衆苦、いだく下町
(ちまたしくだいくうしゅうよまさにひにさまようしゅうくいだくしたまち)
同上3月初旬、東京下町へ夜間無差別大空襲

感性は「死も辞さない!」と言う、しかし憂い問い為さじ「もし敗戦か?」
(かんせいはしもじさないというしかしういといなさじもしはいせんか)
軍国教育により昂っていた人々の心情

皆は知れ、不安掻き立て妻も子も待ってた帰還、あふれし花見
(みなはしれふあんかきたてつまもこもまってたきかんあふれしはなみ)
S22年上野公園の春景色、ゲートル姿も写る

活かせ材、「狭い島だ」とまやかすか、大和だましい増せ、いざ世界!
(いかせざいせまいしまだとまやかすかやまとだましいませいざせかい)
約十年で焦土の中から立ち上がった国民性

「敗色濃いS19年頃から終戦、復活の兆すS30年までを5・7調で。」とのコメントです。厳しい戦争~終戦~復興とドラマチックな時代をシリーズで頂きました。たびたび映画やテレビ、小説でも取り上げられる時代ですね。そういえば、今年の日米両首脳の広島・真珠湾訪問も話題になりました。

(2016/12/11)

レアに得し古都正倉の区画よく、格納叢書、常しえにあれ!
(れあにえしことしょうそうのくかくよくかくのうそうしょとこしえにあれ)
火災をまぬがれ唯一現存の正倉である奈良東大寺の正倉院

見た詩歌「行って来なさい、若い兵」可愛さ泣きて追懐した身
(みたしいかいってきなさいわかいへいかわいさなきてついかいしたみ)
万葉集・防人を恋うる母の歌

居悲しむ、唐とおい国みな死にし、浪にくい音うとむシナ海
(いかなしむとうとおいくにみなしにしなみにくいおとうとむしなかい)
遣唐使船は冬季北西風の帰路が鬼門で破船・行方不明多し

城は二里、杜甫の「春望」素質満つ、詩藻・凡手のほとりに遥し
(しろはにりとほのしゅんぼうそしつみつしそうぼんしゅのほとりにはろし)
「国破れて山河あり城春にして草木深し」唐の彼も奈良期に生きた

臭う滓、黄泉の国より嗅いだのだ、怒りよ肉の身寄り追う鬼
(におうおりよみのくによりかいだのだいかりよにくのみよりおうおに)
亡妻の遺骸に呪われて逃げ越える「よもつひらさか」古事記

おがめ奈良、仏灯ともし確かな香、親しも尊つぶらな目顔
(おがめならぶっとうともしたしかなかしたしもとうとつぶらなめがお)
芭蕉最後の旅「菊の香や奈良にはふるき仏たち」

奈良シリーズが続きます。日本の原点とも言うべき歴史や文化が、五七五調の回文と親和性が高いのかもしれません。よもつひらさか、怖そうなお話ですね。古事記に登場する神話ということで、日本人としては一度読んでおかなければと思いました。

(2016/11/27)

懐古奈良、仏像と来た出入りあり、出でたき唐ぞ、つぶらな恋か
(かいこならぶつぞうときたでいりありいでたきとうぞつぶらなこいか)
鑑真和上、何度も困苦の末735年に来朝、井上靖「天平の甍」にあり

示威経るや見よ奈良大火、治承中「諸寺欠いたらな!」読みやる平氏
(じいへるやみよならたいかじしょうちゅうしょじかいたらなよみやるへいじ)
1180年に平家による南都の東大寺・興福寺焼き討ち

強いたのか斑鳩の塔、反り見る身、理想と逃がる階下の太子
(しいたのかいかるがのとうそりみるみりそうとのがるかいかのたいし)
607年創建の法隆寺。政変の中、彼はその高い塔を見たか?

冴えし古都、清らな目顔つぶ選りよ、仏おがめ奈良、よき永久さ
(さえしこときよらなめがおつぶよりよぶつおがめならよきとこしえさ)
7世紀の白鳳美術の粋・仏像が昨日のように残っている

見た真価、美しい奈良、若葉せば変わらない詩句、痛感した身
(みたしんかうつくしいならわかばせばかわらないしくつうかんしたみ)
「青丹よし奈良の都は咲く花の匂う~」の万葉歌を思わせる古都

今回は、1テーマ。奈良を詠む句でお寄せ頂きました。古き都のイメージと五七五の調子がとてもよく合っていますね。どれも奈良の魅力を語りつくしている感じですが、特に「冴えし古都~」は、JR東海のCMで使ったらどうかと思うくらい奈良の良さが凝縮されています。

(2016/11/21)

世のためと示唆だ撤回、「語少なく凄い勝手だ、差し止めたのよ!」
(よのためとしさだてっかいごすくなくすごいかってださしとめたのよ)
為政者がマスコミにそれとなく自粛させるムードあり

「ネタ見ろい、お買い得!」とか一個二個追加とくどい、顔色見たね?
(ねたみろいおかいどくとかいっこにこついかとくどいかおいろみたね)
ラジオショッピング商法

待ったした「結婚記念、解約や」、「遺憾ね、禁固!」付け足した妻
(まったしたけっこんきねんかいやくやいかんねきんこつけたしたつま)
記念日の食事予約忘れてた

きつく酔い「聖誕祭?」とつぶやくや、ぶっといサンタ威勢よく着き
(きつくよいせいたんさいとつぶやくやぶっといさんたいせいよくつき)
あのディズニー映画みたい

春なりき土筆がひかり、早き月やはりか東くっきり成るは
(はるなりきつくしがひかりはやきつきやはりかひがしくっきりなるは)
与謝蕪村「菜の花や月は東に日は西に」

世の中や子に瞬いて笑みは母、見えていた珠にこやかなのよ
(よのなかやこにまたたいてえみはははみえていたたまにこやかなのよ)
母親の笑みに勝るもの無し

むせぶ子ら勝ち越し決めて威圧満つ、相手メキシコ、ちから鼓舞せむ
(むせぶこらかちこしきめていあつみつあいてめきしこちからこぶせむ)
少年も海外での親善試合が増えました

「応え見て、抱きしめたいわ」勇み気味、さいわい試し気立て見えた仔
(こたえみてだきしめたいわいさみぎみさいわいためしきだてみえたこ)
仔犬、ペットセラピーばやり

ノンジャンルでいろいろ取り混ぜて頂きました。結婚記念日は気をつけないと禁固刑となる恐れもあるのですね…。その後のサンタのは、ユーモラスなところが楽しいですが、それだけでなく実は回文としてとても良くできていますね。その後の「月は東に」や「笑みは母」なども含めて素晴らしい!

(2016/11/3)

私にか? 煎れたて番茶あかんねん、かあちゃんばてた冷菓にしたわ
(わたしにかいれたてばんちゃあかんねんかあちゃんばてたれいかにしたわ)
冷菓=シャーベットなど

嫁の泣く野暮な関係、五つ六つ、つい意見かな「ぼやくな、呑めよ!」
(よめのなくやぼなかんけいいつつむつついいけんかなぼやくなのめよ)
男同士さ

清らかや草枯らすやに看取りけり、頓に安らか昨夜から予期
(きよらかやくさからすやにみとりけりとみにやすらかさくやからよき)
伴侶の最期に付き添う

「訪いますわ」逢いたい想い言えど都度、「鋭意も老いた、居合わすまい」と
(といますわあいたいおもいいえどつどえいいもおいたいあわすまいと)
もう誰にも会いたくないの?

深い皴たしかに泣いた追悔か、いったい何か? 慕わしい寡婦
(ふかいしわたしかにないたついかいかいったいなにかしたわしいかふ)
昔の老女優に似た人

誰が好いた? 着の身着のまま、のそり振りそのままの君、退きたい姿!
(たがすいたきのみきのままのそりぶりそのままのきみのきたいすがた)
拝啓、家でのんびりしている古女房殿

瑣末知り、若く知る悔い多少言う「所帯苦しく、変わりし妻さ」
(さまつしりわかくしるくいたしょういうしょたいくるしくかわりしつまさ)
実質実入りが減るばかりの時世

テーマは長年連れ添った夫婦の関係といったところでしょうか?日常の良いところ、悪いところ。普通に口に出しては言えなくても、五七五の回文にすれば伝えられるのかもしれません。そうは言っても、実際はスリッパさんのように上手く回文にできないのが常だと思いますが。

(2016/10/19)

名は好かめ、合意三党どっちみち集う豚才、うごめかす鼻
(なはすかめごういさんとうどっちみちつどうとんさいうごめかすはな)
自民・公明・民主による消費増税法案の弊害、いまだに大

うとい背中、生き恥さらす議員さん、意義すら瑣事は、奇異な政党
(うといせないきはじさらすぎいんさんいぎすらさじはきいなせいとう)
理念無く離合集散し、新党立ち上げの繰り返し

威喝濃きご質問あれ、解散さ!イカレ案持つ、しごき国会
(いかつこきごしつもんあれかいさんさいかれあんもつしごきこっかい)
TPP法案持ち出して、反対なら、総理専権事項発動だ

憂い投書「基地返還は企てだ!」沸く反感へ、ちきしょうと言う
(ういとうしょきちへんかんはくわだてだわくはんかんへちきしょうという)
現地感情無視、政府は粛々とすすめたい普天間移設

よく聞くと口惜しい話、顔立てたおかしな廃止、役得利く世
(よくきくとくやしいはなしかおたてたおかしなはいしやくとくきくよ)
豊洲の盛り土問題も根っこはこの辺か?

祈祷・加持、治らないかと死も辞さじ、もし都会なら同じか?疎き
(きとうかじなおらないかとしもじさじもしとかいならおなじかうとき)
高齢と過疎による無医村化は近々の図

酔った傷かさねる数多、来し方か、しこたまあるね、盃絶つ夜
(よったきずかさねるあまたこしかたかしこたまあるねさかずきたつよ)
結句、一晩の断酒という事かな

蒸すという酒母搔いたりも真水まず見守りたいか、暮秋いと澄む
(むすというしゅぼかいたりもまみずまずみまもりたいかぼしゅういとすむ)
銘酒どころに名水あり

絶えないし、また謝辞いたし誤報道、保護したい自社、魂萎えた?
(たえないしまたしゃじいたしごほうどうほごしたいじしゃたましいなえた)
全国紙A新聞が犯した罪の数々

消える汝、可愛さ泣きて付いて来て、「行ってきなさい」別れなる駅
(きえるなれかわいさなきてついてきていってきなさいわかれなるえき)
万葉集にも子と別れ難い歌あり

時事問題が中心(特に前半)の、定型回文です。五七五のリズムに乗せて、行政やマスコミをバッサバッサと斬っていくさまが心地良いですね(関係者とかでなければ…)。それ以外も素晴らしく、「酔った傷かさねる~」なんかはとても良くできていますね。ユーモラスにも、感動的にもどちらにも読めるような…どう読めるかは、読者自身の経験によって変わるのかもしれません。

(2016/10/9)

いじるなり、しゃがみたいのかツイストす、何時かの痛み 「ガシャリ!」鳴る爺
(いじるなりしゃがみたいのかついすとすいつかのいたみがしゃりなるじい)
腰の古傷がギクッと刺すのよね

「男子老い、永眠したか!」 愛しくし、訪いかた親身、遺影惜しんだ
(だんしおいえいみんしたかいとしくしといかたしんみいえいおしんだ)
旧知の方が先立ってしまう近頃

気だるい手、リタイアした身、言おうもう
「老い満たしあい、足りているだけ!」

(けだるいてりたいあしたみいおうもうおいみたしあいたりているだけ)
お互いに「吾唯足知」ですか

火の粉とぶ、鵜匠の痩せ身、爺さまさ
「意地見せやのう、勝負!」と、この日

(ひのことぶうしょうのやせみじいさまさいじみせやのうしょうぶとこのひ)
伝統文化も後継者不足、近時唯一、女性の鵜匠が誕生

「妻無いか?」 淋しい相手いたく好く、たいてい愛し、見境ないさ
(さいないかさみしいあいていたくすくたいていあいしみさかいないさ)
資産家の独居老人は、偽装婚による故殺に注意!

いかん老い、落とした入れ歯たまりけり、また馬齢足し、遠い音階
(いかんおいおとしたいればたまりけりまたばれいたしとおいおんかい)
難聴は進むし、物忘れは増すし

かなう吾が、理想の相手いたわるわ、「大抵、あのう、反りが合う仲」
(かなうあがりそうのあいていたわるわたいていあのうそりがあうなか)
「吾が」を「あが」と、いにしえ的に

寄らば気さ、一、二い、三、四、倹しくし待つ新妻に、小さき薔薇よ
(よらばきさいちにいさんしつましくしまつしんさいにちいさきばらよ)
花を買って帰宅した日

彼、わたし、タフで居たいさ意欲づく、善い妻帯で、蓋した割れか!
(かれわたしたふでいたいさいよくづくよいさいたいでふたしたわれか)
とじ蓋を自任中

憩う雨、語れない眼に、組む手と手、向く二名なれ、高めあう恋
(いこうあめかたれないめにくむてとてむくにめいなれたかめあうこい)
ふたりとも若かったね

予期ありき、冷たいあなた、ついに眼に、言ったな「飽いた、めっきり秋よ」
(よきありきつめたいあなたついにめにいったなあいためっきりあきよ)
恋人からの目線を避けてしまう頃

前半の6つは「自嘲の老いぶり」を詠み、後半の5つは「若い人がテーマ」の、定型(五七五)回文とのことです。ユーモアあり、感動ありと、一つずつじっくり味わいたい秋の連作回文です。こういうのを(想像ではなくて、実体験として)作れるような人生を送りたいものです。

(2016/9/24)

避けず強いるか雨台風、ごうごう吹いた目、明るい静けさ
(さけずしいるかあめたいふうごうごうふいためあかるいしずけさ)
近頃やたらと上陸してくる

読みとるたび、サンマ失す影か数万、寂びたる富よ
(よみとるたびさんまうすかげかすうまんさびたるとみよ)
魚探でいくら探しても今年の秋刀魚は不漁ぎみとか

「遣るな!」、にこりと旨煮に舞う、虜になるや?
(やるなにこりとうまににまうとりこになるや)
惣菜屋にもシェフあり

病む子規の、得た柳葉魚を模写した絵の、軋むや?
(やむしきのえたししゃもをもしゃしたえのきしむや)
柳葉魚=シシャモ。松山市立子規記念館にて

寄る炭の燃え、熱燗でおでん、且つ和え物魅する夜
(よるすみのもえあつかんでおでんかつあえものみするよ)
燗酒とおでんが恋しくなりつつ

子は大寒かみしめつつ、詰めし蜜柑、嗅いだ箱
(こはだいかんかみしめつつつめしみかんかいだはこ)
かつては木製の蜜柑箱

泣いたミス、やり合うと疲れ、葛藤あり、やすみたいな
(ないたみすやりあうとつかれかっとうありやすみたいな)
誰のせいでもない事ってある

得た伝統、長距離が夏できつかったが、立つ活気でつながり、
協調富んで耐え

(えたでんとうちょうきょりがなつできつかったがたつかっきでつながり
きょうちょうとんでたえ)
リオ五輪、いまやパラリンピックが話題

訪う郷土、勝つ選手に九分ふぶくに春雪か、同郷!と
(とうきょうどかつせんしゅにくぶふぶくにしゅんせつかどうきょうと)
表敬訪問を歓迎

「よく聞きたいか、どんな人生?」と、疎い戦時、
「何度か居た危機、苦よ!」

(よくききたいかどんなじんせいとうといせんじなんどかいたききくよ)
生き延びるということ

オリンピック・パラリンピックなどタイムリーなのを頂きましたが、更新が遅いせいでタイムリーさがやや失われてしまい申し訳ありません…。でも、台風は相変わらず続いてますねー。オリンピックのマラソンは確かに暑さがきつそうでした。東京ではどうなるのでしょう?最後のは、前に頂いた「古老に人災を聞く」回文と共通していて、戦争体験のある方の話を聞くことは重要ですね。

(2016/9/11)

凍て方しごく最悪、無関心か向く愛? 錯誤した家庭
(いてかたしごくさいあくむかんしんかむくあいさくごしたかてい)
子の苦楽変化を面倒がる親あり

理不尽な味、阿片戦経て変遷へ、アジアなんじ不利
(りふじんなあじあへんせんへてへんせんへあじあなんじふり)
1842年、敗れた清国が香港を英国へ割譲し、鎖国日本に激震走る

涸れず、遠くいにしえから尊し、年取ったら、返しに行く訪れか
(かれずとおくいにしえからたっとしとしとったらかえしにいくおとずれか)
命は一時の預かりもの

なか粘るが、納豆ゆうゆうと繋がるバネかな
(なかねばるがなっとうゆうゆうとつながるばねかな)
醤油をさす前に30回かき回す友あり

もう猛暑、使い急いて蚊取と家庭生活、消耗も
(もうもうしょつかいせいてかとりとかていせいかつしょうもうも)
エアコンを厭い、蚊取線香で対処

塩と酢でしめたイワシ鮓、「沸いた飯です」と押し
(しおとすでしめたいわしずしわいためしですとおし)
名物の発酵食品

煙が六部濃い、満席のビルか、飲みたい焼肉に来、
焼いたミノ・カルビの来、センマイ・コブクロが剝け

(けむがろくぶこいまんせきのびるかのみたいやきにくにき
やいたみのかるびのきせんまいこぶくろがむけ)

2日間連続でたくさん投稿頂いたわけではなく、私の方で更新をためていた都合です。申し訳ありません…。「涸れず~」は一見何がテーマか分かりませんが、解説で納得。深いです。名作が生まれましたね!最後の長いものは、「テーマ別回文」の焼肉を見て頂いたそうで、ありがとうございます。前半では焼肉を食べに来たくらいの内容かと思わせておいて、後半で肉の部位のオンパレードとなる、その急展開ぶりが面白いです。

(2016/9/10)

明けて月曜、暑気カンカン、夏季賞与告げて、ケア
(あけてげつようしょきかんかんかきしょうよつげてけあ)
ささやかなボーナスが社員を慰労

類真似てしまう、ろくでなしの憎い国の品で、苦労増してね、参る!
(るいまねてしまうろくでなしのにくいくにのしなでくろうましてねまいる)
新幹線から鍵まで、そっくり頂きの某大国

語意無くし、「ら抜き言葉」さばさばと扱きぬ、らしくない語
(ごいなくしらぬきことばさばさばとこきぬらしくないご)
耳を疑い思わず言い直してみる

「けったいな好意問うより、もじもじも利用!」と言う娘、泣いたっけ
(けったいなこういとうよりもじもじもりようというこないたっけ)
そういうタイプに惚れてしまう男が悪い?

止せ、怒りで解決急きて不適切、経過で理解せよ
(よせいかりでかいけつせきてふてきせつけいかでりかいせよ)
一歩さがって考え直す

人災知らず、目からウロコ剥ぐは古老らか、めずらしい惨事
(じんさいしらずめからうろこはぐはころうらかめずらしいさんじ)
お年寄りに質問するとよく解る事柄有り

蒸す敗戦忌に巷しずかなり、鳥鳴かず、下町に金星は澄む
(むすはいせんきにちまたしずかなりとりなかずしたまちにきんせいはすむ)
七十一年目に成るという

耐えた遠い夏、戦火止み際の和議見、夜間せつない音絶えた
(たえたとおいなつせんかやみぎわのわぎみやかんせつないおとたえた)
灯火管制とB29の焼夷弾も、ある日止む

立つ秋だ、今やると誓い合い、勝ち取るや舞い、抱き合った
(たつあきだいまやるとちかいあいかちとるやまいだきあった)
熱闘甲子園では頭上に赤とんぼの群舞

清い秋、酔うものですか、封解き豆腐滓で飲もうよ、気合良き!
(きよいあきようものですかふうときとうふかすでのもうよきあいよき)
豆腐滓=おから

夏のボーナスは、暑気の中で社員への最高のケアですね。100年に一度とも言えるような大災害は、それを経験しているお年寄りに聞いて学ぶべきかもしれませんね。…という感じで、回文の出来だけでなく内容にも納得の、スリッパさんの力作です。

(2016/8/28)

「すごく苛烈、休まないな?」、応えた子「無いな、増す窶れ覚悟す!」
(すごくかれつやすまないなこたえたこないなますやつれかくごす)
ワーカホリックじゃない、信念だ

「怒った、仁義なき戦いだ、以下叩きな!」吟じた使い
(いかったじんぎなきたたかいだいかたたきなぎんじたつかい)
厚化粧のことまで持ち出した選挙戦、某元都知事

「身を急くなる短命、楽や否か?」と家内や、暗いメンタルな癖を見
(みをせくなるたんめいらくやいなかとかないやくらいめんたるなくせをみ)
子を見るに親の愛に如くは無し

月の円く出た中、煙りたつ湯へゆったり向け、彼方で車の来つ
(つきのまるくでたなかけむりたつゆへゆったりむけかなたでくるまのきつ)
湯宿の旅が恋しくなる秋

ついて行くにつれ、うっかりアメリカに借り目ありか、痛烈に悔いて居つ!
(ついていくにつれうっかりあめりかにかりめありかつうれつにくいていつ)
日本国憲法は我々が書いたとの米高官発言を、全面否定できず

神も発つ祭りが秋で、闌けたできあがり、詰まった籾か!
(かみもたつまつりがあきでたけたできあがりつまったもみか)
田で豊作を守護してくれた神さまが山へ帰るとき、感謝の里祭り

今回も、仕事中毒、都知事選、憲法など、社会の出来事を巧みに取り込んでいますね。あとで見返した時に、回文を楽しめることはもちろん、「この頃はこんなことがあった」と振り返ることができそうです。また、秋の気配を感じさせるものも頂きました!


(むなさんの作品)NEW

(2016/8/28)

つい与えたまま、また得たアイツ
(ついあたえたまままたえたあいつ)

金欠発見器
(きんけつはっけんき)

「ねばろうよ」と言いつつ、いいと酔うロバね
(ねばろうよといいつついいとようろばね)

寝てて。今寝た?しかし、種まいててね。
(ねてていまねたしかしたねまいててね)

仕込みだ、五日に担いだみこし
(しこみだいつかにかついだみこし)

確か、太るタルト蒸かした。
(たしかふとるたるとふかした)

うどん辛く、咲く桜、感動
(うどんからくさくさくらかんどう)

恋したし、この子親しい子
(こいしたしこのこしたしいこ)

今回はノンジャンルで頂きましたー。日常会話でありそうでいてちょっとなさそうな、独特のシチュエーションが面白いです。金欠発見器は、貸し付けをする銀行や不動産関係の会社に高く売れそうですね。


(スリッパさんの作品)

(2016/8/24)

耐え、金婚カンコンカン、根気得た!
(たえきんこんかんこんかんこんきえた)
めでたい夫婦に歴史あり

描くや画家の純真、だんだん真珠の輝くか
(かくやがかのじゅんしんだんだんしんじゅのかがやくか)
オランダの画家、フェルメール・ヴァン・デルフト1632~1675

怒りもした別れてのちの照れか、わたしも理解
(いかりもしたわかれてのちのてれかわたしもりかい)
時々あります

いかす夏季終了の夜、納涼酒利かす会
(いかすかきしゅうりょうのよのうりょうしゅきかすかい)
悪友閑居して暑気払い

遠く来て四万、紅葉・蔦にめきめき秋めき目に立つ滋味も増して、聞く音
(とおくきてしまもみじつたにめきめきあきめきめにたつじみもましてきくおと)
四万=名湯四万温泉、温泉街を貫く渓流にひびく河鹿の声あり

いまや闇、縷々不安せまり安心ありません、溢るる身や病?
(いまややみるるふあんせまりあんしんありませんあふるるみややまい)
胸騒ぎで眠れない夜もあり

漢語より大和言葉(やまとことば)が多めで読みやすい文となっていますね。大和言葉の方が、作るのは難しいと思います。まだ残暑が厳しい折ですが、少し早く秋めいた内容も頂けて、スリッパさん(の回文)のこれからの四季の移ろいが今から楽しみですね。

(2016/8/16)

虫誦す小夜の来、蚊取ありと夏期の良さ涼しむ
(むしずすさよのきかとりありとかきのよさすずしむ)
残暑ながら未明にはコオロギそよろそよろと初鳴き

蜜もう濁酒の香の黒ブドウも摘み
(みつもうどぶろくのかのくろぶどうもつみ)
小さな野ブドウ

答えよ! 家内買い結婚祝うワイン、滑稽か否か、酔えた子
(こたえよかないかいけっこんいわうわいんこっけいかいなかよえたこ)

木の折ったを活け、如何に懐かし且つなにか畏敬を、辰雄の忌
(きのおったをいけいかになつかしかつなにかいけいをたつおのき)
小説家、堀辰雄1904~1958、「風立ちぬ」など、5月28日逝去

見もの、皆いなせな囃し言葉と輿や、離せない浪の揉み
(みものみないなせなはやしことばとこしやはなせないなみのもみ)
せいや、せいや、夏祭りで熱狂

立っている吾子、とことんトコトコ歩いてった
(たっているあことことんとことこあるいてった)

立つなと作為し、離党候補なめ自民さん、みじめな方向取りし戦となった
(たつなとさくいしりとうこうほなめじみんさんみじめなほうこうとりしいくさとなった)
正しくは離党ではない、某知事選

敵機も射ては如何なくサイパンから完敗、裂く南海、波堤も切って
(てっきもいてはいかんなくさいぱんからかんぱいさくなんかいはていもきって)
平洋の防波堤と位置付けたサイパン陥落し、B29の本土爆撃始まる

意思苦痛と、固いはにかむスマイル、いま澄むかに刷いたかと美しい
(いしくつうとかたいはにかむすまいるいますむかにはいたかとうつくしい)
初々しさの残る笑み

敷くか亀裂、あかるい体ながら子等が泣いているか、軋轢隠し
(しくかきれつあかるいていながらこらがないているかあつれきかくし)
小学生もいろいろ悩みながら育っていく

季節的・ニュース的にタイムリーなものなどをお寄せ頂きました。経験上、たとえば「夏祭り」で作ろうと思ってもなかなか上手くいかないものですが、そこはさすがです。普通に見える「吾子」の文も、お盆で親戚一同集まった場面を想起させ、季節感がある気がします。


(むなさんの作品)

(2016/8/7)

イタリアでは、異性派でありたい
(いたりあではいせいはでありたい)

イタリアでも、イノシシの芋でありたい
(いたりあでもいのししのいもでありたい)

イタリアで、いじる爺でありたい
(いたりあでいじるじいでありたい)

イタリアでは、中ピカピカな歯でありたい
(いたりあではなかぴかぴかなはでありたい)

イタリアで、イカ不快でありたい
(いたりあでいかふかいでありたい)

イタリアでも、黒雲でありたい
(いたりあでもくろくもでありたい)

イタリアでも、ツモでありたい
(いたりあでもつもでありたい)

イタリアで、トマトはトマトでありたい
(いたりあでとまとはとまとでありたい)

イタリアで、子猫は子猫でありたい
(いたりあでこねこはこねこでありたい)

イタリアでも、トルコでも、デコる友でありたい
(いたりあでもとるこでもでこるともでありたい)

「イタリアシリーズ」です。お得意のアレンジを加え続けて、面白さを追求する作品群ですね。ここまでたくさん並ぶと、「自分はイタリアで何でありたいのだろうか?」と哲学的な思考にとらわれそうです。最後のは、トルコも加わって「そうありたい」気持ちが強くなりましたね。


(スリッパさんの作品)

(2016/8/6)

皆攣った、日本壊滅、呑まれたれ魔の爪いかん帆に立つ津波
(みなつったにほんかいめつのまれたれまのつめいかんほにたつつなみ)

皆の飯、いかに小さい価値観か! 近い災地に買い占めの波
(みなのめしいかにちいさいかちかんかちかいさいちにかいしめのなみ)

「撤退は、罰さ!」と偉く即断だ、くそ喰らえとさ唾吐いたって
(てったいはばつさとえらくそくだんだくそくらえとさつばはいたって)

叢雲に舞いしきる雪ちみつ且つ路消ゆる岸、今にも暗む
(むらくもにまいしきるゆきちみつかつみちきゆるきしいまにもくらむ)

見た終い、語れ災禍は波の間のみな破壊され、他界増した身
(みたしまいかたれさいかはなみのまのみなはかいされたかいましたみ)

震災の内容について、頂きました。現在進行中で、決して過去のこととして語れるはずのないこの出来事、掲載の判断は正直なところ難しかったです。全てをタブー視して避けるのではなく、記録することにも意味があるのではと思い、一部掲載することとしました(一部の作品は、こちらの判断で掲載を控えさせて頂きました)。


(むなさんの作品)

(2016/7/31)

「ダンスとかしないか?」→振り、不快なシカト済んだ
(だんすとかしないかふりふかいなしかとすんだ)

用意とか万全、「バカ!」と言うよ
(よういとかばんぜんばかというよ)

砂金は自販機さ
(さきんはじはんきさ)

穴、いないなあ
(あないないなあ)

私ぃ、こういう恋したわ
(わたしぃこういうこいしたわ)

仲間悲惨さ、暇かな?
(なかまひさんさひまかな)

焼いた肉煮たいや
(やいたにくにたいや)

「何だい?」夜にトマト煮る良い旦那
(なんだいよるにとまとにるよいだんな)

男子トイレで霊と死んだ
(だんしといれでれいとしんだ)

「悪口なんだ」と旦那チクるわ
(わるくちなんだとだんなちくるわ)

サル泣くさ、一月九日に靴が小さくなるさ
(さるなくさいちがつくにちにくつがちいさくなるさ)

赤字無事かあ・・・
(あかじぶじかあ)

固体突っついた子
(こたいつっついたこ)

酔えば芽生えよ
(よえばめばえよ)

食べたいから、貝食べた
(たべたいからかいたべた)

確か、二万円閻魔に貸した
(たしかにまんえんえんまにかした)

私、三回か二回監査したわ
(わたしさんかいかにかいかんさしたわ)

基本的な部品にアレンジを加えた形(という印象を持ちました)で、いろいろ楽しませて頂けます。焼いた肉を煮てしまったり、一月九日が「くにち」だったり、「三回か二回」だったりと、普通はお目にかかれない表現が出てくるのも、ある意味回文の不自由さから出てくる楽しさではないでしょうか。一月九日に靴が小さくなるのは、おとぎ話の一場面のようですね。


(スリッパさんの作品)

(2016/7/31)

敵九万、抱くサイパン陥落かも、攪乱・完敗・裂く弾幕来て
(てきくまんだくさいぱんかんらくかもかくらんかんぱいさくだんまくきて)
米軍の艦砲射撃に始まるサイパン攻略戦、昭和19年6月。島に守備兵の父も居た

身の知己ならず、たいていアクセス急く相手、いたずらな機智のみ
(みのちきならずたいていあくせすせくあいていたずらなきちのみ)
ITやたらな時代に友をどう求める?

童女が咲かす、片笑みに見えた幽かさが、浄土
(どうじょがさかすかたえみにみえたかすかさがじょうど)
片笑み=微笑

失策も、愛い得意ら拗ねじ、ビジネスライクと言う、黙殺し
(しっさくもういとくいらすねじびじねすらいくというもくさつし)
当方の失敗を一言も責めぬ得意先が育ててくれました

ビジネスライクというと感情のこもっていない悪いイメージを持ってしまいがちですが、一歩引いた形での良い関係というのは、ありますよね。他の所属の方には、知らず知らずのうちに多くのことを学んでいると思います。

(2016/7/30)

見舞う試しに、張り立つトロ取ったり、歯に占めた旨み
(みまうためしにはりたつとろとったりはにしめたうまみ)
マグロのトロは「とろり」とする舌ざわりから、と広辞苑

軽くにぎった身、真烏賊にかいま見た、次に来る香
(かるくにぎったみまいかにかいまみたつぎにくるか)
醤油をつけないとき、イカの微かな香りあり

手塩です、理屈で小さめのコハダは好め、細緻でつくり、酢で押して
(てしおですりくつでちいさめのこはだはこのめさいちでつくりすでおして)
コハダは塩と酢との加工技術で旨くも不味くもなるという

期す春に、サヨリ飯の湿り良さ、煮るは好き!
(きすはるにさよりめしのしめりよさにるはすき)
白身のサヨリは春に卵を持ち美味!

やつ泣かず死に、悲しみも世も見しなかに、静かな通夜
(やつなかずしにかなしみもよもみしなかにしずかなつや)
旧友急逝

怒りが、我が子にきつしと悔いて幾年月に、子側が理解!
(いかりがわがこにきつしとくいていくとしつきにこがわがりかい)
親はけっして怒っていたんじゃないんだ、愛だ!

数ます野十郎、蝋燭が絵を描く候う、老寿休まずか?
(かずますやじゅうろうろうそくがえをえがくそうろうろうじゅやすまずか)
高島野十郎・没後40年展、蝋燭の絵だけでも16点あり

「めかた転かすな、自己問うぞ!」が自画像と、固持なす過去高め
(めかたこかすなじことうぞがじがぞうとこじなすかこたかめ)
若年から写実で見つめ描いた高島野十郎、福岡県久留米出身1890~1975

寄る羽虫の、太陽追う酔い、楽しむ春よ
(よるはむしのたいようおうよいたのしむはるよ)
朝に生れ、群れて一日飛び交い、夕べに死す、小さな羽虫たち

恋しさ、ひしめくヤリイカ入り焼く飯、久しい子
(こいしさひしめくやりいかいりやくめしひさしいこ)
今はもう見かけないお祭りの食べ物

手で絞めたいま鉄火つかって巻いた飯出て
(てでしめたいまてっかつかってまいためしでて)
ノリ巻・『神田鶴八 鮨ばなし』師岡幸夫著1986刊

食べ物系が多めです。暑い時こそ、しっかり食べて力を蓄えておきましょう。やはりご飯が一番ですね!「怒りが、我が子に~」は、親と子の立場の違いから来る理解の難しさ。永遠のテーマですね。


(むなさんの作品)

(2016/7/24)

河童や!茶髪か?
(かっぱやちゃぱつか)

湯か、おかゆ
(ゆかおかゆ)

読めよ!文字も読めよ!
(よめよもじもよめよ)

市内散策に食べた、肉、山菜、梨
(しないさんさくにたべたにくさんさいなし)

良いなら、印鑑要らないよ
(よいならいんかんいらないよ)

わい、泣かないわ!
(わいなかないわ)

「解散だ!」と断裁か
(かいさんだとだんさいか)

今、梅うまい
(いまうめうまい)

今日もまた、日常生活に潜む回文を教えて頂きましたー。「文字も読めよ」はマンガの絵だけ見ている相手に言っている感じでしょうか。「市内散策に~」は国内旅行でありがちな旅と食ですね。皆さん、夏の旅行の計画はお決まりですか?


(スリッパさんの作品)

(2016/7/24)

師よ、もう古稀祝い再開した親しい会、さいわい気候も良し
(しよもうこきいわいさいかいしたしたしいかいさいわいきこうもよし)
昨今は古稀も若手と自己紹介

4、5℃のと告ぐ、真夏日浴びつ、生ぐっと喉越し
(しごどのとつぐまなつびあびつなまぐっとのどごし)
30℃以上が続く日々

打席を退いたな、痛みしむ身、無視みたいな態度を期せ、だ!
(だせきをどいたないたみしむみむしみたいなたいどをきせだ)
死球でも次は尚ガッツ

ちくりと立つ、巻き込んだ手にて、断固決まった取口
(ちくりとたつまきこんだてにてだんこきまったとりくち)
大相撲の醍醐味

なか裂く、ダイヤみたいな卵また泣いた身や、抱く魚
(なかさくだいやみたいなたまごまたないたみやいだくさかな)
合掌して宝石をいただきます

ずかずか来て仕切れ、市民泣く祖国こそ、苦難見し歴史的数々
(ずかずかきてしきれしみんなくそこくこそくなんみしれきしてきかずかず)
過去も度々あった軍のクーデターを街頭で阻止するトルコ市民

だんぜん悪か? 至極緩慢な死もし何万、覚悟し核安全だ!
(だんぜんあくかしごくかんまんなしもしなんまんかくごしかくあんぜんだ)
事故レベルも想定し、既定路線の原発再稼働

又言い、立つのもどんな人間かな?甘言に何度も乗ったいい玉
(またいいたつのもどんなにんげんかなかんげんになんどものったいいたま)
都知事選に21人が立候補。中には手段として使われる人も

月下に遠く光る滝の刺激的、夏至の来たるか、曳く音にか告げ
(げっかにとおくひかるたきのしげきてきげしのきたるかひくおとにかつげ)
山頂近くから滔々と降って来る滝あり

咬んで憂くす、ラジオ鳴りパリパリ、なお焦らす空電か
(かんでうくすらじおなりぱりぱりなおじらすくうでんか)
梅雨明けを告げる雷に放送音が乱される時期となりました

夏を感じさせる作品、都知事選など、タイムリーなものを中心に頂きました。4、5℃の冷たい生をグッと飲む。これこそ夏の醍醐味ですね~。都知事選のは、(現実世界の)ドタバタぶりが良く表れています。


(むなさんの作品)

(2016/7/20)

狐くつろぐまで、マグロつくね付き
(きつねくつろぐまでまぐろつくねつき)

夜この手で撫でて残るよ
(よるこのてでなでてのこるよ)

やっと一つや
(やっとひとつや)

寝て、未来おいら見てね
(ねてみらいおいらみてね)

よく、いとこと行くよ
(よくいとこといくよ)
夏休みいとこと会うの楽しみ!

いや、反論早い
(いやはんろんはやい)

私金をね、貸したわ
(わたしかねをねかしたわ)

うどんカツレツ感動
(うどんかつれつかんどう)

イカスムージー蒸すかい?
(いかすむーじーむすかい)
イカスムージーは存在するかどうか分かりませんが

色、シマウマ白い?
(いろしまうましろい)

大敵は気合入れ、いい秋は来ていた
(たいてきはきあいいれいいあきはきていた)
季節外れかもしれませんが

猫が我が子ね
(ねこがわがこね)

リモコン天丼てんこ盛り
(りもこんてんどんてんこもり)

くっつく!ガムがくっつく!
(くっつくがむがくっつく)

団体、顔描いたんだ
(だんたいかおかいたんだ)
「えがいた」ではなく「かいた」であることに注意

今回は、一部コメント(注釈?)も頂きました。どこかで見たことあるような気がするけれども既出ではない、というギリギリの線を狙ってくるなーというのもありますね(もちろんOKです!)。「リモコンてんこ盛り」は、昔私も作りましたが、「天丼」を挟むと全く違う風景が見えてきます。個人的には「くっつく!ガムがくっつく!」のインパクトが強くてしばらく忘れられなさそうです。


(スリッパさんの作品)

(2016/7/20)

死も理解できない子が、乞い泣きで怒りもし
(しもりかいできないこがこいなきでいかりもし)
不条理に出遭うとき

渋の付くふるさと見たか、色紙、形見と去る不屈の武士
(しぶのつくふるさとみたかしきしかたみとさるふくつのぶし)
国を憂いて騒乱の京へのぼった幕末の志士

活かせ難関、ビル建つ元々は、友と持ったる敏感な世界
(いかせなんかんびるたつもともとはともともったるびんかんなせかい)
PC発祥の黎明期、チャレンジに生きた若者の成功

定刻だ、出て待っている愛、歩いて妻、手で抱く児居て
(ていこくだでてまっているあいあるいてつまてでだくこいて)
子供も僕ら二人も若かったね、あの頃

辞令聞き、「身の為さ!」に冷めたのみ、聞き入れじ!
(じれいききみのためさにさめたのみききいれじ)
報復人事というのがある

笑みがつい会いたい時、訪いたい彼奴が見え
(えみがついあいたいときといたいあいつがみえ)
マーフィーの法則

いたぶるのに皆快活だ、一位奪回か、波に乗る舞台
(いたぶるのにみなかいかつだいちいだっかいかなみにのるぶたい)

雪と樅と据えクリスマス、耳澄ますリクエスト、身元消ゆ
(ゆきともみとすえくりすますみみすますりくえすとみもときゆ)
FMラジオ、クリスマス特集

なぜか心に訴えかける作品が多い気がします。文体も自然ですねー。「定刻だ、出て待っている愛~」は優しい気持ちになれます。「鉄拳」の描くマンガの世界みたい。その次の「辞令聞き~」は一転、世の不条理さが伝わってくる内容で、これまた大変良くできています。


(むなさんの作品)

(2016/7/17)

あら、イライラァ・・・
(あらいらいらぁ)

鈍いラブライブに
(にぶいらぶらいぶに)

私楽で居て、家庭で暮らしたわ
(わたしらくでいてかていでくらしたわ)

予定、距離よ、聞いてよ!
(よていきょりよきいてよ)

災難指示の自信無いさ
(さいなんしじのじしんないさ)

臭い、タプタプ、大作
(くさいたぷたぷたいさく)

「ラブライブ」は、若い方ならではですね。私もかろうじて名前は知ってました…。災難指示の自信は、なかなか持てるものではないですが、もしそのような立場であれば、訓練などで経験を積んで備えるしかないですよね。


(スリッパさんの作品)

(2016/7/16)

恋うお玉が池、望郷とす、東京暮景がまた往古
(こうおたまがいけぼうきょうとすとうきょうぼけいがまたおうこ)
かつて江戸の神田にあった池で今は碑のみ残る

食みつつ後も楽、桜餅の包み葉
(はみつつのちもらくさくらもちのつつみは)
戸向島長命寺境内の発祥。「葉のぬれてゐるいとしさや桜餅」久保田万太郎

誰彼の名親し、故郷の土佐流布した士、名乗れ彼だ!
(だれかれのなしたしふるさとのとさるふしたしなのれかれだ)
輩出の著名人に事欠かない土佐で誰が好き?

予期あるな、遠浅な汽水湖に見に来い、好きなさ青となる秋よ
(よきあるなとおあさなきすいこにみにこいすきなさあおとなるあきよ)
汽水湖=海水と淡水の混じった湖。さ青=青で、「さ」は語調を整える接頭語

中小さい片田舎、門前寂び参禅も叶い、高い幸かな
(なかちさいかたいなかもんぜんさびさんぜんもかないたかいさちかな)
ドイツ映画「門前」中年2兄弟がなぜか日本の北陸の寺に来て修業する

病む友見舞うしめ鯖、しばしば冷めし旨み求むや?
(やむともみまうしめさばしばしばさめしうまみもとむや)
夏の予後生活に

臭いし且つ何かが癒える映画館、なつかしい作!
(くさいしかつなんかがいえるえいがかんなつかしいさく)
タバコの煙や人いきれやトイレの臭った場末の3本立て劇場

ドームの最終と駆け勝とう、「首位さ!」のムード
(どーむのさいしゅうとかけかとうしゅいさのむーど)
タバコの煙や人いきれやトイレの臭った場末の3本立て劇場

蹴った島、脱退派まで金かデマ配達、騙したっけ!
(けったしまだったいはまでかねかでまはいたつだましたっけ)
英国国民投票・EU離脱決定後、脱退推進リーダーが次々に敵前逃亡

「怒り真っ当、純真もんもん心中!」と妻理解
(いかりまっとうじゅんしんもんもんしんじゅうとつまりかい)
世間に叩かれて死にたくなる純な人の気持ち分かりなさいよとの事

理屈たしか一徹か、冷ややっこ艶や光って、追加した作り
(りくつたしかいってつかひややっこつややひかってついかしたつくり)
名のある老舗ではないが主人の技が良い!

歴史を感じさせるもの、時事問題、日常ものと、様々頂きまして、回文のデパートのようですね!なつかしい作品を上映している癒しの映画館、シネコンが普通となった今ではなかなか貴重ですね。そんな所に3本立てを観に行ってみたいものですが、臭いのだけはちょっと残念です…。

(2016/7/13)

立つ男性、「回頭!」と決断し、波かぶる部下みな死んだ付け、
尊い海戦だった

(たつだんせいかいとうとけつだんしなみかぶるぶかみなしんだつけ
とうといかいせんだった)
対馬沖、敵前大回頭による日本側の勝利、日露戦争

昼咲きし花、鳥鳴かず下町の巷静かなりと、名は子規去る日
(ひるさきしはなとりなかずしたまちのちまたしずかなりとなはしきさるひ)
俳人・歌人・随筆評論家の正岡子規、明治35年9月19日東京根岸で没

世話有りと聞かないが、イカ納豆とツナか、意外な夏季取り合わせ
(せわありときかないがいかなっとうとつなかいがいなかきとりあわせ)

気に召すや? みな湿気背負い、ただただ大暑決死な身、休めに来
(きにめすやみなしっけしょいただただたいしょけっしなみやすめにき)
避暑といっても浜の民宿に1泊

館林、灼くよう猛暑に消耗よ、悔しやバテた
(たてばやしやくようもうしょにしょうもうよくやしやばてた)
気温観測地点が消防署にあるとか、熱いわけです

深雪だ、電車ガクガク、ガシャンで脱線し
(しんせつだでんしゃがくがくがしゃんでだっせんし)
怪我人は無し

物たしか砂糖・醤油に手で、梅ぬめぬめ茹でて煮、優勝と咲かした粒
(ぶつたしかさとうしょうゆにてでうめぬめぬめうでてにゆうしょうとさかしたつぶ)
その一粒を頂きました、美味!

夏らしいものを中心に頂きました。3つ目の「イカ納豆とツナ」は私の(なんでも回文)「納豆と砂糖とツナ」に少し近いです。これだけたくさん頂いていれば、似ているのがあってむしろ当然ですが。それにしても、2番目の正岡子規は間違いなく名作ではないでしょうか。何回も読み返してしまいます。素晴らしい!


(むなさんの作品)

(2016/7/12)

夜仲直りか→日が光りお腹なるよ
(よるなかなおりかひがひかりおなかなるよ)

悔しがる夜が癪
(くやしがるよるがしゃく)

やい野人、死んじゃ嫌!
(やいやじんしんじゃいや)

寄るとフグはハグ、太るよ
(よるとふぐははぐふとるよ)

書いて寄るけど届ける予定か
(かいてよるけどとどけるよていか)

出すんや!チャンスだ!
(だすんやちゃんすだ)

四時に出たで、虹よ
(よじにでたでにじよ)

がんも盛るモモンガ
(がんももるももんが)

虎ら歌う「ララ♪」と
(とららうたうららと)

「よろしく」と言い、得しろよ
(よろしくといいとくしろよ

一つずつ面白いコメントが付けられそうなシンプル回文です。作者ご自身のコメントも一度見てみたい気もしますが、まあ皆さんそれぞれ想像しながら楽しむのも良いかもしれませんね。「がんも・モモンガ」のようなインパクト系と、「悔しがる夜が癪」のように納得できる系(?)に分類できるでしょうか。

(2016/7/10)

確か金欠かした
(たしかかねかかした)

「誰?おっさんかな?」(観察)「オレだ・・・」
(だれおっさんかなかんさつおれだ)

夜スルー、ピアス、アピールするよ
(よるするーぴあすあぴーるするよ)

店内覆うスイカ食べた回数多いなんて・・・
(てんないおおうすいかたべたかいすうおおいなんて)

「乾くチョコ?」「卵?」「トマト?ゴマ?」「タコよ」「チクワか?」
(かわくちょこたまごとまとごまたこよちくわか)

遠のく僕の音
(とおのくぼくのおと)

旦那のが、長崎、佐賀、長野なんだ
(だんなのがながさきさがながのなんだ)

処分全部良し
(しょぶんぜんぶよし)

私、回文前半全部活かしたわ
(わたしかいぶんぜんはんぜんぶいかしたわ)

チッ、それそっち!
(ちっそれそっち)

ヤギ、Suica使いすぎや
(やぎすいかつかいすぎや)

「行こう!」仲良しな話よ、叶う恋
(いこうなかよしなはなしよかなうこい)

患者だ、ユダヤ人か?
(かんじゃだゆだやじんか)

問い「誰だい?」と
(といだれだいと)

2番目のは、カッコ内の状況説明(観察)も回文の一部になっているという、新しいパターンですね。真ん中へんの「回文前半~」は回文の前半を作れば後半もできているわけなので、理にかなっていて面白い!


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